>>696 この話を思い出したよ。
【アッツ島で玉砕した守備隊に宛てた電報】
太平洋戦争まっ只中のころのお話です。昭和18年、アッツ島の守備に就いていた山崎保代部隊長から、
大本営宛てに、激しい戦闘で玉砕を目前にした悲壮な電報が届きます。電文の内容は、次のようなもの
でありました。
「自分は、アッツ島守備の大命を拝し守備にあたってまいりましたが、米国海兵隊三個師団が上陸し任務を
まっとうできなくなってしまいました。まことに申し訳ありません。明朝を期して全軍で突入しますが、同時に
一切の通信機を破壊し、暗号書は焼却します。皇国の無窮をお祈りしております」
天皇陛下は、この報告を静かに聞かれ、そしていくつかの質問をされた後、最後に、「アッツ島の山崎部隊長に
電報を打て」と命ぜられました。「アッツ島部隊は最後まで非常によくやった。そう私が言っていた、と打て」と。
しかし、その時点ではすでに山崎部隊は玉砕してしまった後で、もうこの世にはいないのです。また、たとえ
電報を打ったとしても、通信機も壊されていますから絶対に届くはずがありません。陛下のお言葉をいぶかった
報告者が、おそれながらもそのように申し上げると、陛下は、こうおっしゃったのです。
「届かなくてもいいから、電報を打ってやれ」。