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日出づる処の名無し:
相手に常に敬意をはらったり、敵側にも礼儀正しく接するという行為が、
日本人社会に住んでて当り前だと思ってると、この映画の日本的な描かれ方が、
ただ「日本映画みたい」と映るだけで、この日本社会で当たり前な習慣が、
外国ではどれほど当たり前でないか、奇妙なものか、理解できないかも知れない。
かつて、外人が見た日本人の印象は、はっきりモノを言わず、何を考えているかわからない、
というものだが、それは、相手の心象に配慮する日本人的礼儀からくるものなのだ。
これまでは、外人はそれを理解することができないでいた。
日本人も、なかば諦めていただろう。
逆に、外人と付き合うときは、日本人が外人に付き合い方を合わせようとしていた。
しかし、それでよかったのか?
ラストサムライで、日本人的な”礼節”を外人が理解しようと努力したことが、
いかに画期的か、外国人に、日本人との付き合い方、日本人的礼儀を理解させることに、
どれほど貢献することになるか、まったく意識できないから、
ストーリーや設定にばかり目がいって、あれこれ文句をつけたり、
かつての軍国主義を連想するなどというトンチンカンな解釈をするのだろう。
武士道というキーワードに隠された”礼節”こそが、日本人の誇りであり、
積極的に世界に紹介し、受け入れられるよう努力すべき文化なのではないか。