●──自分の問題としては、差別的な体験はなかったと。
ソニン そうですね。私も今まで韓国から留学してきてる人たちだったりいろいろ話してみた
ことはあるんですけど、やっぱり時代っていうのはちょっとずつ変わってきて、日本人の皆さんも
在日の人っていう見方も変わってきてるんだなっていうのはすごく感じるので、正直私「在日」って
いうことに関してあんまり深く考えたことなかったんですよ。学校に通ってたときも。自分はもちろん
在日のコリアンだっていうのはわかってたんですけど。私って、在日ってなんだろう、なんで私は
ここにいるのかなって。ここにいる意味ってなんだろうって全然考えなかったし。
●──ただでも教育の内容としては想像するにそういった歴史をきちんと教えていただいたり、
そういった問題が実際日本の社会にまだあるということは頭では教わってたんじゃないんですか、授業で。
ソニン そうです
●──それは理解してたんじゃないんですか?
ソニン してたんですけど、これはですね……たぶん難しいんですけど在日であるっていうよりかは、日本に
住んでる自分はコリアンなんだっていう意識なんですよね。難しいですね。……だったんですよ。その時は。
●──たまたまコリアンの方が日本に住んでるっていうことですか?
ソニン そっちに近いですね。
●──先ほどのお話し(生い立ちからデビューするまで)だと経済的にも裕福だったようだし、日本人との
摩擦がおきるような場面はほとんどなかったということで、自分の問題としては捉えられなかったと。
何だかそこらへんがソニンさんのソニンさんたる所以のような気がしてならないんですよ。
ソニン だから「ソニン」って名乗ること自体全然平気だったんですよ。