「歌手として、人間として−在日コリアン・ソニン」
●──在日コリアンっていうことで社会的な問題としては「差別」ということが
まだ無くなっていないと思うんですけど、そういった経験を意識されたことはありますか?
ソニン 私はないです。
●──幼少期、小学校、中学校、高校含めて、そういう意識は全然?
ソニン 意識っていうか、学校に通ってる間は「ずっと植民地時代があって差別されて
たんだよ。今でもやっぱり差別されているんだよ」って教えられていたので、自分でも
チョゴリを着ててそういうふうに見られてるんじゃないかなっていうのはありました。
でも実際にそういう体験、差別されたっていうのはないです。もちろんチョゴリを着て
「あっ、ガイジンなんだ」とか「なんで日本にいるの?」って思う人もいたかもしれないけど。
でもその人は別に悪気があって言ってるわけでもないし、昔どうこうあったからそういう
服着てるんだとかそういうのもないし。今考えてみれば私とか全然別に昔されてたような
差別をされたわけでもないし、今私の友達がコリアンを差別してたわけでもないし、
関係ないじゃないですか。その「関係ない」っていうのは、昔の歴史と関係ないっていうん
じゃなくて、別に私がされたわけじゃないし、その人がやったわけでもないから、そこに
関して「差別されてる」って考えるのは、私はどうかなっていうのは正直思いますね。