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日出づる処の名無し:
【解説】
松尾一郎は、南京大虐殺否定運動の熱心な活動家であり、もと
自由主義史観研究会理事である。彼が怒りを込めて振り返る、
「プロパガンダ写真研究会」と否定派の面々のお寒い内幕。
活動メンバーのレベルの低さ・ばらつき。藤岡信勝の無能ぶりと
東中野修道の性格的問題。藤岡信勝と中村粲の対立(「自由主義
史観研究会」対「昭和史研究会」の内ゲバ)。これら3名(いずれも
大学教授)を低劣だと攻撃し、他のメンバーに対する恨みつらみ
を数え上げ、「将来会ったならば五体満足に返すつもりはない」
「私は常に孤独だった」とまで言い募る松尾……それでも田中
正明への心酔は揺るがない……その田中は、『松井石根陣中日誌』
他を改竄したペテン師なのだが……。
小説より奇なり、のドロドロの人間模様。一言で片付けるのも
酷だが、(松尾も大学教授も含め)「掃き溜めの集団」であった。