半角二次元板バトルロワイヤル

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18かさぶたが剥がれた
アケロワ、かさぶたスレより。

「巨乳はまだかー!」
「ゴハァッ!」
さわやかな右京の吐血が、ほのかに光る月夜にこだまする。
ここはアーケードキャラバトルロワイアル、通称アケロワの参加者が死亡した時、魂が行き着く場所、志半ばで死んだ者や、早めに死んだ噛ませ犬の魂たちが傷を舐めあう場所。
通称かさぶた。
「はぁ〜・・・」
現世とは違い、馬鹿馬鹿しく、そして異様なまでのテンションの中、一際大きい溜息をつくものがいた。
「いい男・・・捕まらないアルヨ・・・」
二つに分かれた長い髪を月夜の光で照らし、夜な夜な大騒ぎを繰り広げる馬鹿どもを眺めながら彼女は再び大きな溜息をつく。
19名無したん(;´Д`)ハァハァ:2005/05/24(火) 22:33:05 ID:B9ATAoKI
この女性の名は紗夢。序盤の方でゼンと言うモミアゲと対戦し、敗北、その後死亡し初期の頃からこのかさぶたに住み着く古参の者である。
生前、彼女には夢があった。料理人である彼女は自分の店を建てるという事、そしてお金持ちでいい男とラブラブする事。しかし、志半ばで死亡してしまいどちらも叶わぬ夢と消えた。
しかし、持ち前の超前向きさで、『生きてる内には無理だとしてもあの世ではやってやる!!』の精神で、ここ、かさぶたに店を構え、かさぶた住民の料理をほぼ全て賄うというレベルまで達する事ができた。
後は『金持ちでいい男』を捕まえるだけなのだが・・・

「あはは、まってよかりんさん〜♪」
「おほほ、捕まえてごらんなさいまし〜♪」

「     _ _ ∩
    ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!!
     ⊂彡    」

「雪・・・楓・・・兄はこんな所でもお前たちを思っているぞ・・・」
20名無したん(;´Д`)ハァハァ:2005/05/24(火) 22:33:44 ID:B9ATAoKI

生前にチェックしていた奴等は↑こんな感じに

コブつき
阿呆
その他傷あり。

の三種類しか居ない。
「はぁ・・・もうお金持ちじゃなくて良いアルよ・・・いい男ギボンヌアルよ・・・」
21名無したん(;´Д`)ハァハァ:2005/05/24(火) 22:34:24 ID:B9ATAoKI

しかも最近では新作の低迷・・・ゲフンゲフン!膠着状態が続き、新入りが入ってくる事は少ない。
この中でいい男が現れなければ、自分はこのかさぶたでお茶のみ軍団の仲間入りしてしまうかもしれない。
「そ、それだけは嫌アル!!エレナやアヤネには悪いケド、アタシはいい男捕まエてやるアルよ!!そしてぇ!!あ(以下検問削除)」
そう、月夜に向け、青少年にはとても聞かせられないような言葉を大声で叫び、思いっきりガッツポーズを取る紗夢。
「・・・何やってんだ?アンタ?」
「ほ、ほえぁ!?」
月とは間逆の方向から返事が来る。突然の返事に大慌てで後ろを見る、そこには褐色の美少年、K'が立っていた。
「け、K'・・・今の・・・聞いてたアルか・・・?」
「そ、そりゃあ聞こえるよ・・・紗夢さん・・・」
K'の後ろから顔を真っ赤にしてボソボソと喋る金髪の美少年、ロック・ハワードが現れる。
22名無したん(;´Д`)ハァハァ:2005/05/24(火) 22:34:57 ID:B9ATAoKI
「あんなおっきな声で叫ぶな!恥ずかしいと思わねえのかよ!!」
「お、俺も・・・そう・・思うぜ・・・?」
この二人、生前は参加者を大量に殺して来た超級のマーダーだったのだが、こっちに来た瞬間、K'はぶっきらぼうなガキ。ロックはウブなおこちゃまと言った感じに、すっかり丸くなっていた。
「う、ウルサイアル!!乙女の独り言を盗み聞きなんてするなんて二人とも悪趣味すぎるアルよ!!」
「・・・誰が乙女だよ・・・」
「あ、あんな事言うのは乙女って言うのか・・・?」
新入り二人にとことん言われる紗夢。
「う、うるさいウルサイうるさい!!黙るアルこの童貞のお子様達!!」
ムキになってありふれた悪口で子供の反論をしようとする紗夢、そこでふとある事に気づく。
23名無したん(;´Д`)ハァハァ:2005/05/24(火) 22:35:29 ID:B9ATAoKI
『ん・・・?童貞・・・?』
そして数秒考えるそぶりをした後、よからぬ事を思いついた笑顔をする。
「な、泣いてるのか!?おい?わ、悪かったよ!!」
「お、俺ら、言い過ぎたか・・・ご、ゴメン紗夢さん!!」
突然黙ってしまった紗夢に、言い過ぎかと思って謝りだすK'とロック・ハワード。
「ムッフッフ・・・」
「じ、紗夢・・・さん?」
二人に笑顔を向ける紗夢
「本当に・・・本当に悪いと思ってるアルか・・・?」
「え、あ、ああ・・・まあ、その・・・悪かったよ!!」
「わ、ゴメン・・・紗夢さん・・・」
24名無したん(;´Д`)ハァハァ:2005/05/24(火) 22:36:17 ID:B9ATAoKI

本当は何も悪い事をしていないのだが、本気で謝ってしまう根がとってもいい奴の二人。
「良し!反省しているアルね!!なら今日の夜、ちゃんと反省している良い子にアタシが満貫全席ご馳走してやるアル!!」
そう言って二人の肩を叩く紗夢。
二人は『まじかよ!!超ご馳走じゃねえか!!』と大騒ぎを始めだす。

紗夢の真の狙いが何かも知らずに・・・・