「二次元美少女ってさ、きっしょくわりい野郎が書いてんじゃん?超ヴァカじゃね?ゲラゲラ」
彼は、私の目を見ながらけたけたと愉快そうに笑った。
「うん、そう。」
私が短く言うと、彼の顔から薄ら笑いが消え、彼はうつむき、突然背を向けて走り去っていった。
私は呼び止めようとしたが、何故か声が出なかった。
彼の目は、ひどく悲しそうであった。
それから、彼は失踪した。
と、いうより姿を全く見せなくなったのだ。
2年後、私は2ちゃんねるという巨大掲示板で、見覚えのある「言葉」を見た。
「きっしょくわりい二次元美少女ってさ。
きっしょくわりい野郎が書いてんじゃん?超ヴァカじゃね?ゲラゲラ」
私は自分の頬から涙がつたっていくのを感じた。
彼は2年間、自分の意見に賛同する仲間を探していたのだ。