逃げ出す全裸の少女に向かって背後から投げられた清盛が、少女の体に深々と突き刺さり貫通した。
刀のつばが少女の背中に接した。ふくらみかけた乳房と肩甲骨のあたりから、刹那の間を置き、
勢いよく鮮血がほとばしる――。少女はこの前の戦いにおいて、ラムザに勧誘されたばかりの白魔道士だった。
―この人たちとなら、きっといつまでも仲間でいられる―そう思ったのがきっかけだった。
以前の戦果が認められ、教会から直々に賜った純白のローブは彼女の宝物だった。「きれいなローブだね」
泉のほとりで二人きりになった時ラムザからそう言われた、彼女は誇らしかった。
「ひゅ〜!名投手!!」三つ編みの黒頭巾は周りから大きな歓声を浴びた。
肉の壁を突き抜けた清盛は、勢いをそのままに、樹の幹に深々とめり込んだ。
―「ケアルにプロテスか、勿体無い事をしたな、ラムザ」「どっちだ?女か、刀か?」
皮肉めいたやりとりに、黒頭巾を取ったアグリアスがケタケタと声を立てた。
(おわり)