ここは異世界アルタイル…、の周りに浮かぶ小さなラグーン、
と言うより小さな小さな浮島、ここには今遭難中の二人が居た、
のろのろヘビーアーマーとチビで生意気なウィザードの二人だった。
二人は先程この浮島に転落してきた、
パーティーが橋の上にいるのにどこぞの馬鹿な双剣使いがサンダーヒットをかました
そして真っ逆さまに落ち、今に至る。
一緒にいた仲間とは落下中はぐれてしまったが先程無事だという信号弾を確認した、
こちらもそれを返し後は助けを待つだけ、
ここは魔物のテリトリーの外のようで交戦中の上とは違い静かなものだ、
正直言って暇だった。
バルクレイは武器の手入れをしており、
アナスタシアはその辺をうろついていた、
「ねぇ、バルクレイ」
「ん?」
「暇ね」
そう言いながら杖の石突で暇そうに小石を突付く
「そうだな」
「何か無い?」
「戦場にオモチャを持ち込む奴が居ると思うか?」
「ちぇー」
素っ気無い返答にアナスタシアは子どものように頬を膨らませた。
不機嫌そうな顔をしていたが突然表情が変わった、
その顔は悪戯を思いついた子どもの顔だった、
もっとも斧に目がいっているバルクレイはそれには気付かなかったが。
嬉しそうににじり寄りバルクレイの横に座った、
そしておもむろに首に手を回し口付けた。
「なっ!?」
突然の行為にバルクレイは目を白黒させた、
「あはははは!その顔おもしろーい」
慌てるバルクレイを指差し笑う、
「いきなり何をするんだ!?」
「え?キスしただけだよ?」
憤慨しているのをさらりと返す、
「俺が言いたいのはそういう事でなく…」
そこで強引に口を塞がれ続きを喋る事は出来なかった、
バルクレイの口を塞いでいる唇を離した。
「私たち、もうすぐ結婚するんだよ?
キスぐらいどうって事ないじゃない、
それに……」
「?」
「もうそれ以上の事しているのに
今更キス位で驚かないでよね?」
その言葉で鉄兜が火傷しそうな位真っ赤になるバルクレイ、
「ああ!もう!可愛いなぁ!!」
哀れのろのろヘビーアーマー、
チビで生意気なウィザードに押し倒されてしまった。