貞子タソのエロ画像きぼんぬ

240名無したん(;´Д`)ハァハァ
一体何が原因だったのか、多分熱と頭痛に冒されて、正常な判断力を失ってしまったのだ。あの症状こそ
潜伏期を経過しての、天然痘の初期症状であったのだが、まさか自分がそんな病気にかかっているとは思い
もよらなかった。幸い、療養所からは一人の感染者も出さずことなきをえたが、もし、結核患者たちが天然痘
の攻撃をまともに受けていたらと今でも身のすくむ思いだ。
241名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:19 ID:jyRQCA/E
 暑い日だった。新しい入院患者の胸部断層写真に一円玉ほどの空洞を見つけ、まぁ、一年は覚悟した方が
いいでしょうね、などと言いながら、その患者が会社に提出するはずの診断書を書き終えてたところで、もうど
うにもがまんできなくなって外に出たのだが、外の高原の空気を吸っても頭の痛みは一向に治まらなかった。
それでもどうにか病棟の横の石段を降り、庭前の日陰に逃げこもうとしたところ、一人の若い女性が木の幹に
よりかかって下界を見下ろしているのに気付いた。彼女はここの患者ではなかった。私がここに来るずっと以
前から入院している伊熊平八郎という元T大学助教授の娘さんで、名前を山村貞子といった。
242名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:20 ID:jyRQCA/E
親子なのに名字が違っていたので、その名前をよく覚えている。ここ一ヶ月ばかり、山村貞子は頻繁に南箱根療養所に見舞い
に訪れていたのだが、あまり父のそばにいるでもなく、父の症状を医師から聞き出すでもなく、風光明媚な高
原の景色を楽しみにやって来ているとしか思えなかった。私は彼女の隣に腰をおろし、にっこり笑いかけて、
おとうさんの様子はどうかね、と語りかけたが、彼女は父の症状に関しては別に知りたくもないといった素振り
を見せるのだ。そのくせ、彼女は父の命がもうそろそろ尽きようとしていることを確かに知っている。口振りか
ら、それがわかった。どの医者の予想よりも正確に、彼女は父の亡くなる日を予知していたのだ。
243名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:20 ID:jyRQCA/E
 そうやって山村貞子の隣に座って、彼女の人生や家族のことなどを聞いているうちに、あれほど激しかった
頭痛がいつの間にか引いてしまったことに気付いた。その代わりに顔を出したのは、熱を伴う妙な高揚感。ど
こからともなく活力が湧き、体中の血の温度を上げていくような感覚。私は山村貞子の顔をそれとなく観察し
た。いつも感じることだが、女として、これほど整った顔がこの世に存在することの不思議さ。美しさの基準が
どこにあるのかはわからないが、私よりも二十も年上の田中医師も同じようなことをいっていた。山村貞子以
上の美人を見たことがないと。私は、熱にむせかえる呼吸をどうにか押さえ、そっと彼女の肩に手を乗せ、言
った。
244名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:22 ID:jyRQCA/E
『もっと木陰の涼しいところで話そうよ』
 山村貞子はなんの疑いもなく、こっくりとうなずいて立ち上がろうとした。そして、立とうとして背中を丸めたと
き、私は彼女の白いブラウスの内側に、形の整った小振りの乳房を見てしまったのだ。その色はあまりに白
く、と同時に私の顔全体が乳白色に染まり、正常な思考力が奪い取られるかのようなガツンとした衝撃を受
けたのだった。
245名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:22 ID:jyRQCA/E
 彼女は、そんな私のときめきになんの注意も払わず、長いスカートについた埃をぱたぱたと手で払ってい
たのだが、その仕草がとても無邪気でかわいらしいものに感じられた。
246名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:23 ID:jyRQCA/E
 降るような蝉の声の中、私たちは木々のおい茂る森をどこまでも歩いた。明確に目的地を定めたわけでは
なかったが、私の足はいつの間にかある方向に向かっていた。汗が背筋を流れ落ち、私はシャツを脱いでラ
ンニング一枚になった。獣道を進むと、その先の開けた谷の斜面に古びた民家があった。人が住まなくなっ
て十数年はたつだろう、板壁はどこも腐りかけ、いつ屋根が崩れ落ちても不思議はない。その民家の向こう
には井戸があり、彼女はそれを目にしたとたん「ああ、喉が乾いたわ」と走り寄り、中を覗くために身をかが
めた。
247名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:23 ID:jyRQCA/E
外観からも、その井戸が現在使われていない事は明白であった。私もまた井戸に走り寄った。井戸の
中を見ようとしたためではない。見たかったのは、身をかがめた山村貞子の、その胸元。私は井戸の縁に両
手をついて、それをすぐ間近に見た。暗い土の中からは、湿った冷気が立ち上がって私の顔を撫でさすった
が、火照りと衝動を取り去るにはとても至らない。衝動がどこから湧くのかわからなかった。天然痘の熱に制
御機能を奪い取られた……、そんな気がする。誓って言うが、これまでこんな官能的な誘惑に駆られたことは
なかったのだ。
248名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:25 ID:jyRQCA/E
 私はおもわず手を伸ばし、ふくよかな脹らみに触れていた。彼女は、驚いて顔を上げた。私の頭の中でなに
かが弾け飛んだ。その後の記憶はどうにも曖昧で、思い出せるのは断片的なシーンでしかない。気が付くと、
私は、山村貞子を大地に押し付けていた。ブラウスを胸の上までめくり上げ、そして……、激しい抵抗にあい、
右肩を強く噛まれるまで、私の記憶は飛んでしまう。強烈な痛みに我に返り、私は自分の肩先から流れ出した
血が彼女の顔の上に滴るのを見ていた。血は彼女の目に入り、彼女はいやいやをするように顔をふっていた。
そのリズミカルな動きに、私は体を合わせた。一体、今の私はどんな顔をしているのだろう。山村貞子はどんな
目で私の顔を眺めているのだろう、きっと獣の顔が彼女の目に映っているに違いない……、と、そんなことを考
えながら、私は果てた。
249名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:25 ID:jyRQCA/E
 行為が終わると、貞子は強い視線を私に固定させたまま、仰向けの姿勢で両膝を立て、ひじを上手に使って
徐々にあとずさっていった。私はもう一度その体を見た。身間違いとおもったからだ。しわくちゃのグレーのス
カートを腰のあたりにからみつけ、露な胸元を隠そうともしないで後じさる彼女の腿のつけ根にさっと日が差し、
小さな黒っぽいかたまりをはっきりと照らし出した。目を上げて胸元を見る……、そこには形のいい乳房。もう
一度視線を下げる……、そこ、陰毛に覆われた恥丘の奥には完全に分化発育した睾丸がついていた。
250名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:25 ID:jyRQCA/E
 もし私が医師でなかったら、きっと驚きのあまり腰を抜かしていたかもしれない。しかし、私はこの症例をテキ
ストの写真で見て知っていた。睾丸性女性化症候群。極めて珍しい症候群であり、テキスト以外で、しかもこん
な状況のもとでお目に書かれると思ってもいなかった。男性仮性半陰陽のひとつである睾丸性女性化症候群は
、外見的には完全に女性のからだで、乳房、外陰部、膣は持っていても子宮のない場合が多い。染色体はXY
で男性型、そして、なぜかこの症候群の人間は美人ぞろいなのである。
251名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:28 ID:jyRQCA/E
 山村貞子はまだ私を見据えていた。自分の肉体の秘密を、家族以外の人間におそらく初めて知られたのだ。
もちろん、ついさっきまで彼女は処女であった。これから先、女として生きるにあたって、どうしても必要な試練
ではないか。私は自分の行為を正当化しようとしていた。そんな私の脳裏に、突然、言葉が飛び込んできた。
 ……殺してやるわ!
 強い意思に裏打ちされた響きに、私は彼女の送るテレパシーが嘘でないことを瞬時に直感してしまった。
252名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:28 ID:jyRQCA/E
『疑い』を一切差しはさむ間もなく、私の肉体はそれを事実として受け止めたのだ。先に殺らなければ、こっちが
殺されてしまう。肉体の防衛本能は私に命令を下した。私は、再度彼女の上におおいかぶさり、両手を細い首に
あてがい、体重をかけた。驚いたことに、今度のほうが抵抗は少なく、まるで死ぬのを望んでいたかのように気
持ち良さそうに目を細め、彼女はするすると体の力を抜いていったのだ。
253名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:28 ID:jyRQCA/E
 息絶えたのかどうか確かめもせず、私は彼女の身体を抱き上げ、井戸へと近づいた。この時もまだ、行動が
意思に先んじていたように思う。つまり、井戸の中に落とすつもりで身体を抱き上げたのではなく、ふと抱き上げ
たところにちょうど丸く開いた黒い入り口が目に入り、その気になってしまったというほうが当たっている。なにか、
なにか、物事が自分に都合よく配置されているなと言う感覚。いや、というよりも、自分以外の意思のまま動かさ
れているなという感覚。これから先何が起こるのか漠然とわかっていたし、耳の奥からはこの現実を夢と呼ぶ声
が聞こえる。
254名無したん(;´Д`)ハァハァ:02/11/18 00:30 ID:jyRQCA/E
 上から覗いても、底のほうは暗くてよく見えない。立ち上る土の香から、底に浅く水がたまっているのがわかる。
私は手を放した。山村貞子は、井戸の壁面に身体を滑らせて地中に沈み、ばしゃんと水音をたてて底につきあ
たった。闇に慣れるまで目を凝らしても、井戸の底にうずくまる女の姿は見えない。しかし、不安は拭い切れず、
私は石や土を投げ入れて彼女の体を永久に被い隠そうとした。両手一杯の土と一緒に拳大の石を五、六個投
げ入れたところで、私はそれ以上どうしてもできなくなった。石は山村貞子の体に当たって地の底で鈍い音をた
て、私の想像力を刺激したのだ。あの、病的に美しい肉体がこんな石ころで壊されていくのかと思うとどうにもや
りきれない。矛盾しているのはよくわかる。一方で彼女の肉体の消滅を望み、一方では肉体が傷つくのを惜しん
でいたのだ