弥彦が脱衣所に入ると、湯殿で人の気配がした。
「先客がいるのか。左之助がゲロってんじゃねえだろうな」
そして棚を見ると、ある個所には確かに左之助の、背中に「惡」の一文字を染め抜いた純白の羽織が入っている。だがもう一個所の着物は、
「……薫?」
そのときようやく弥彦にも、湯殿から聞こえる声が伝わってきた。
「……あッ、……あッ、……いいー……」
「ホラいっちまいな」
「そんなに……速く、しないでェ……ああッ!」
その恨めしくもなまめかしい声に弥彦の胸は急に高鳴りはじめた。湯殿の戸をわずかに開き、覗き込む。
薫は後ろ向きになって湯船につかまり、左之助が後ろから犯していた。
弥彦は真後ろから覗くことになり、貫かれている部分もはっきり見えた。
(お……おい、何やってんだよ左之助……)
「ああー、いい、いっちゃう! いっちゃうー!」
急に薫がのけぞって叫び、ブルブルッと体を震わせた。
やがて急に力が抜け、その場に崩れ落ちそうになる。
左之助は薫から引き抜くと薫を引っくり返して仰向けにさせ、腹部に射精した。精液は胸や顔にも若干飛び散った。
「ふうーッ……良かったぜ、薫」
「あたしもお……」
左之助は自分のものを湯で流して出て行こうとするが、薫は動かない。
「おい薫、大丈夫か?」
「んー……も少し入ってる」
左之助は肩をすくめ、
「湯冷めすんなよ」
そして脱衣所に上がり、ふんどしを締めて浴衣をひっかけると、自分の一張羅を脇にかかえて出ていった。
弥彦は被っていたカゴをうっちゃり、湯殿をそっと覗いた。
「薫ー?」
当人はピクリとも動かない。
「俺、入っていいかな?」
返答はない。
弥彦は急に自分が馬鹿みたいに思えてきて、着物を脱いで湯殿に入った。
薫は仰向けで寝転がっている。さすがに足は閉じているが、体の前面に飛び散った精液はそのままだ。
弥彦はゴクリと唾を飲み込んだ。
さっき左之助がアレを突っ込んでいた、あそこをもっと間近で見たい。
そう思い、弥彦は薫の足をそっと開いてみた。
薫は何の反応も返さず、クーッと寝息を立てている。深酒をした上で、こんな蒸した暑いところで激しい運動をすれば、酔いも激しく回るだろう。
弥彦はだんだん大胆になり、白木の床に寝そべって、薫の股間に顔を近づけた。
割れ目をパックリ開くと中が濡れているのが分かった。
触るとヌルヌルする。
指を入れて動かしてみると、薫がピクンと動いた。
「んッ……」
弥彦はビクッとして顔を見上げたが、今のあえぎ以外、薫の反応はない。
弥彦はさらに指を入れて、かきまわしてみた。薫のグニュグニュの熱い肉が指を包んでまとわりついてくる。それは不思議と気持ちいい感触だった。
やがて白っぽい液がこぼれてきて、指もスムーズに動くようになった。
「んあっ……うん」
ときどき薫が悩ましくうめいて体を動かすが、目覚める様子は全くなかった。
弥彦の方は寝そべった状態で、硬くなったペニスを床にこすりつけていたが、そろそろ我慢できなくなってきた。
「さっき左之助がやったように、入れればいいんだよな……」
弥彦は腰を上げ、ペニスの先端を押し当てた。そして薫の顔を見て少し躊躇したが、先端が触るだけでも伝わってくる気持ち良さには勝てなかった。
ズブズブ。
ペニスは薫の中に難なく飲み込まれていった。
「っはあ……」
ペニスが肉に包まれる快感に、弥彦は深くため息を吐いた。
気持ち良すぎて恐くなった弥彦は動きを止めた。
そうやって正常位でつながったまま、弥彦は薫の体を上から眺めた。
意外と大きな乳房に触れ、その柔らかさに驚く。可愛い乳首をクリクリといじくるが、なんか気恥ずかしくてやめてしまう。
何より弥彦の気を引いたのは、つやつやと濡れ光る唇だ。半開きになって、誘っているようにさえ見える。
弥彦は息を止めて顔を近づけ、逡巡の後、とうとう唇をつけた。
最初は接しているだけ。
やがて舌を差し入れ、無意識に動く薫の舌を味わった。
舌の熱く濡れた感触は薫のアソコに似て興奮を呼び、弥彦はたまらなくなってきた。
そして腰を動かしはじめる。
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/名無しさん[1-30].jpg:01/09/10 19:34 ID:AMCphSmA
「あっ……あ、だめだ……止めなきゃ……ッ」
だが快感は強すぎて、とどまろうと思っても腰は勝手に動いてしまう。
「薫……オレッ……!」
とめどなく高まる悦楽に弥彦は恐怖を覚え、薫の体を抱きしめた。豊満な乳房に顔を埋め、気持ち良さを押し殺そうとするが、腰の動きは止まらない。
見上げると、薫の顔は性的興奮に薄くピンクに染まっていた。寝ていても意識はあって、感じているのだ。どんな夢を見ているのだろう。眉根が悩ましく寄せられ、唇は甘酸っぱい吐息を吐く。
「あん……」
そのたまらない表情に、弥彦の腰に熱い塊が急速に込み上げてきた。
「うあッ! はあ……ッ!」
ビュルビュルッ!
弥彦はのけぞった。ペニスがビクビクと震えては熱い精液が薫の膣にほとばしり、その快感に弥彦の頭は灼ける思いだった。
「あ……あ……」
幾度となく突き入れては射精し、突き入れては射精し……。
やがて弥彦は果てて、薫の胸に突っ伏した。
しばらく立って息が納まってから弥彦は体を離した。
薫の割れ目はわずかに開き、トローッと精液が流れ出してきた。弥彦はそれをホォーッと魅入られたように眺めていたが、ふと気付くことがあった。
「あ……そういえば左之助、外に出してたな……中で出しちゃマズイのか?」
弥彦は少し戸惑ったが、それよりこの場所を一刻も早く離れたかった。薫が目覚める可能性、誰かが入ってくる可能性。事が済んでしまってからは、想像は悪い方向にばかり働くようになった。
「悪ィ、薫、先行くぜ」
最後まで寝たままの薫に弥彦の言葉が聞こえるはずもなかった。
こうやって弥彦が仕込んだタネは、3ヶ月後に薫と左之助の壮絶なバトルとして花開くのである。