【関東】深夜アニメ放映時間の変更と重複 357【局別】

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299メロン名無しさん
よくできたホラー小説, 2010/11/23
By インク
レビュー対象商品: もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (単行本)
このレビューはネタバレ要素を含んでいます。

話題の本ということで読んでみたのですが、予想以上に凄いシロモノでした。

主人公の川島みなみちゃんは重い病気で入院してしまった親友の代わりに野球部のマネージャーとなり、彼らを甲子園へ導くことを決意します。
しかし野球はもちろんマネージャーについてもよく知らないみなみちゃんは、それについて学ぼうと思い立ち、本屋でドラッカーの『マネジメント』を購入しました。
ここから彼女の人生は狂いはじめます。
帰宅してマネジメントを読みはじめたみなみちゃんは本文に出てきた『真摯』の二文字を見て、突然泣き出します。
あまりにも唐突な事態に読んでるこっちが泣きたくなります。
なお、この時みなみちゃんがなぜ意味もわからなかった『真摯』という文字を見て号泣したのか、その理由が後に語られることはありません。
そして翌日からみなみちゃんは何かにとりつかれたようにマネジメントを信奉しはじめます。
問題が起きる→マネジメントを読む→解決!
終盤まで延々とこんな流れが続きます。
一般的な物語ならそう簡単に話が終わるはずなどなく、むしろさらなる困難が待ち構え、それにどう立ち向かうかが重要になってくるわけですが、そんなものドラッカーのマネジメントの前では無意味です。
これさえ読んでいれば人生は全てうまくいく。週刊誌で宣伝している願いのかなう宝石のような効果がマネジメントにはあるのです。
少なくとも、本書を読んで私はそういう印象を受けました。
そんなに凄い本なのだから、みなみちゃんがより深くマネジメントにのめり込んでしまうのは必然でしょう。
病状が悪化して今まさに死にかけている親友が文字通り必死に何かを伝えようとしているのに、その言葉をさえぎってマネジメントの朗読をはじめるみなみちゃんの姿は、カルトに洗脳された信者そのものです。
そして甲子園出場をかけた決勝戦当日に親友は亡くなりました。
どう考えても、みなみちゃんのせいです。

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