麻枝准、ユイ役の喜多村英梨に上から目線で説教する
Angel Beats!開発日記
ttp://key.visualarts.gr.jp/angelbeats/blog/2009/08/post_18.html おれはレコーディング終了後に、「達観してるよね」と言って「達観? どういう意味ですか?」と聞かれたのだけど、ようはそういうこと。
22歳にして、達観できてる子なんてそうそういない。
おれの22歳なんて、どんなものだったかね。
「すでにおれの28、29歳の頃の考え方をしてるよ」と言っておいた。
成功への近道を、ユイさんは選べる子なんだよ。
ただ、おれは忠告はしてあげなきゃと思って、ユイさんには言ったんだよね。
今回の仕事は、きみの重い十字架になるかもしれない、と。
きみのライブには今後、ユイの影が延々とつきまとうかもしれない。
ユイの曲をやらないとお客さんは喜ばないかもしれない。
バンドのオリジナルをやると、空気読んでないみたいになるかもしれない。
でも、きっとそれも踏まえて、最終的に自分で今回の仕事をやると決めたんだよね?と。
そう言うと、ユイさんと岩沢さんは、いやいや、こんなチャンスを頂けただけでも、と言ってくださったのだけど。
でもね、おれから言わせると、おれはおれ自身が13年間頑張ってきたことによって、きみたちふたりのようなものすごい可能性を秘めたボーカリストに自分の曲を歌ってもらえる機会に恵まれたんだよ? こっちのほうが、出会えたんだよ? と言いたかった。
おれという立場と、ふたりには絶対的な距離があったんだよ? それをわかってるかな?
それを飛び越えたのは、たぶん、それはおれの努力なんだ。それは自信を持ちたい。
だって、彼女たちは、坂本真綾も知らないし、菅野よう子も知らなかった。
おれがゲーム業界でどれだけ足掻こうが、接点など作れやしなかった。
けど、アニメという国が誇る文化で、おれ自身が脚本を書いて、音楽までプロデュースできるという地点まで到達して、ようやくふたりと出会えた。
そういう、おれの13年の努力の上に起こりえた、奇跡的な出会いなんだよ?
それをふたりはきっと知りえない。