1 :
キリヤ:
再び落ちてしまったので立て直してみた。
更新に期待。
2 :
メロンパンナちゃん:2009/04/18(土) 21:30:04.14 O
ぺっ
やっぱまとめてがばっと読みたいなぁ
ミステリーだし
落ちない板に移転した方が・・・
5 :
キリヤ:2009/04/18(土) 23:28:20.83 0
一応注意書き貼っとく
以下コピペ
読む前に注意
・この話のネウロは基本的に、というか9割方アニメ設定です。
アニメネウロは認めない!という人は読まないのが賢い判断。
・なぜかって、俺がアニメネウロから入った人間だから。
ちなみに原作も最近やっと読み始めたぐらい。
吾代の出番少なくね?
笹塚若くね?
・よって等々力女史や早坂ブラザーズが小説に登場する可能性は著しく低い。
「俺の志津香ちゃんが出てねぇだと?ふざけんな!」
「私のユキ様が出ないなんて!」
という人もやっぱり読まないのが賢明。
シッ…ク…ス?
・世界観は完全にコナンとネウロごちゃまぜ。
同一世界と考えてくれればよし。
前々スレで伊織は男の子に使う名前だとか言われてたけどマジなの?なんか気になるんだけど。
7 :
鉄男:2009/04/19(日) 11:20:48.17 0
wktk
原作最終回効果で落ちちゃったのかorz
8 :
WEB系:2009/04/19(日) 12:03:20.60 0
>>6 「織」ってのが女の子っぽいけど、
元俳優の榊原伊織や宮本武蔵の弟子の宮本伊織がいるように、実は男性名らしい
9 :
鉄男:2009/04/19(日) 12:18:37.19 0
藤原伊織とかな
10 :
綿貫響:2009/04/19(日) 16:40:00.72 O
そういやここにはコナン住民は来てるのか?
コナン派寄りって事か?
だったら俺がいるぜぃ
12 :
早乙女先生:2009/04/21(火) 02:15:43.18 0
謎はこのスレに隠されている(キリッ)
旅は果てなく続き―――
獲物は魂を守り―――
狩人は真実を狩る
時に探すだけの鎮魂歌
真実は一つだ
投下だ、キャサリン!
探索はここに集う(キリッ)
…とまぁ、マニアックなネタで投下始めてみる。
【船上の告白】:ネウロパート
出航の汽笛が鳴るなり十四年前の事件の詳細を話してほしいと迫ったネウロに、修治は特にためらうふうもなく頷いた。
だだっ広い船室には弥子たち以外の乗船客はおらず、骨董ものの冷房機器がしゅうしゅうと死にかけの蛇みたいにあえいでいる。
その中で修治の声だけが淡々と響いている様子が、弥子には何か厳粛な儀式のはじまりのように思えてひどく落ち着かない気持ちになる。
あるいは、修治にとっては本当に儀式なのかもしれない。
十四年間、ひとり抱え込んで来た罪の記憶を告白すること。
しかしそれは懺悔のためでなく、自らの犯した罪に相応しい断罪を乞うためのものだ。
「あの日は……雪こそ降ってなかったけど、それでも身を切るように寒かった。まぁ一月も上旬のほうだったから、当然といえば当然なんですが」
事件が起こったのは一月四日、年が明けてすぐのことだったという。
その頃の氷室家には当時十八歳で受験を目前に控えていた修治、都内の高校に通う次男の政隆、生まれたばかりの三男海斗、主人の氷室武夫と夫人のなつめ、そして何人かの使用人が暮らしていたという。
「基本家族の仲はよかったですよ。
でも時々ちょっとしたことでぶつかりあったり、俺たちの進路のことでもめたり……。そうかと思ったら知らず知らずのうちに仲直りしてたりとか。
……えぇ、ちょっと金と人が多いということ以外は、まったく普通の家族だったんです。
ただその時は会社がちょっとうまくいってなくて。家中、特に親父とお袋がピリピリしてた時期でした」
修治の実家が有数の大企業・氷室製薬であるということ、そして修治はそこの長男であり、正当な跡取り息子であるということは既にネウロが調査済みだった。
「で、新年早々二人とも口論になりました。
特にお袋はもともと神経が細いほうだったからだいぶ参っちゃって。
だから俺、その日はお袋を誘って別館に行きました」
「別館、と言いますと?」
「うちの庭にあるんです。俺たちが暮らしてた本館から少し離れたところに建ってて、祖父さんの代からある骨董品とかをしまっておいたり、使用人の宿舎にしたりしてました。
屋上から庭が見渡せるから、お袋お気に入りの場所でしてね。
息抜きに二人で屋上に登って、お袋の愚痴なんかを聞いてやるつもりだったんですよ」
冷たい風にでも当たれば頭も冷えますしね、と付け加えた修治に、ネウロが「僕も先生によくやりますよ」と相槌を打った。
氷が張った池に穴をあけ、そこにワカサギ釣りに使う釣糸のごとく弥子を頭から突っ込んだ時のことを彼は言っているのだろうが、人はそれを頭を冷やすとは言わない。
「コートも着て、手袋もしっかりはめて。
屋上に着いてすぐ、お袋は庭が見える方まで駆け寄って行きました。
俺も後を追って……。
お袋は寒紅梅だの侘助だのを見てはしゃいでましたけど、俺は正直そういうのよくわからなかったからとりあえずぼうっとしてて。
それでお袋が何か話し出すのを待ってました。
でも―――結局、俺は愚痴を聞いてやることができなかったんです。
聞く前に、俺はお袋を屋上から突き落としてしまったから」
それは、ともすればそのまま聞き流してしまいそうなほど何気ない調子で告げられた。
しかし、内容は紛れもなく殺人の告白。
弥子はおろか長椅子でへばっていたはずの吾代までもが飛び起きて目を丸くする。
だが吾代はともかく、弥子は自白の内容に驚いたわけではなかった。
それについては先週事務所で散々驚き尽くしたので、気持ちはどうあれもう驚きはしない。
それより弥子が驚愕したのは、あまりにも話が飛躍しすぎていたことだった。
息子が母をなだめるために、景色がよく見えるお気に入りの場所へ連れていった。
息子は、とにかく母親が口を開くまで待っていた。
母親は美しい冬の庭に見惚れていた。
そして息子は母親を屋上から突き落とした。
話に一貫性というものがまるでない。
愚痴を吐かせてすっきりさせて、また夫婦仲良くしてほしいと思ったからこそ母親を連れ出した息子が、なぜそこで当の母親を突き落とさなくてはならない?
もしその場で口論になったのならばまだわかる。
けれど修治の話ぶりから、そんな状況であったとはとてもじゃないが考えられない。
修治はただ待っていた、と言ったのだ。
自分から何を言うわけでもなく、母親が口を開くのを待って―――結局待たずに殺してしまった。
「どうして……」
心中の呟きが思わず口をついて飛び出していた。
修治は弥子には視線を向けず、かわりに生彩を欠いた目で天を仰いだ。
「風が吹いたんです。少し強めの風……。
それが収まったあと、俺はどうしてもお袋の背中に手を伸ばしたい衝動に駆られたんです。
……いえ、衝動というよりある種の義務感のようなものだった。
『とにかく今は手を伸ばさないといけない』という感じのね。
へんに胸が高鳴りましたよ。
気分がこれ以上ないぐらい高揚して……心の中は不思議と希望のようなもので満ちていた。
俺はゆっくりと、夢中になって景色を眺めているお袋の背中に近付いて、手を伸ばしました。気付かれてはいけないと本能的に思ったんですね。
甘い香りがして……頭が真っ白になって―――遠くのほうで、お袋の悲鳴が聞こえた気がしました」
それから何分か、それとも何時間か。
とにかく修治が気がついてみると、周りは騒然となっていた。
「俺の隣で、いつからいたのか親父が呆然としてました。
こう、手で顔を覆って言うんです。
『なんてことだ』『誰か嘘だと言ってくれ』って。
下からはこっちに聞こえるぐらいの大声で、政隆の声がしました。
母さん、母さん、母さん、母さん。
そればかりを繰り返し繰り返し叫んでましたよ。
そして俺はようやく、自分がどういう立場にいるのかに思い至ったんです。
まず混乱しました。次に絶望しました。
半狂乱になって叫ぼうとした時、風間さん―――あぁ、うちの使用人なんですけど、彼女が俺をひしと抱き締めて何度も囁くんです」
―――修治様、これは事故なのです。
偶然起きてしまった、不幸な事故なのですよ。
だから修治様、あなたは何も関係ない。
あなたは何もしていない。
あぁ、お可哀相な修治様……。
「後からわかったことですが、あの屋上の手すりはかなり老朽化が進んでもろくなっていました。
それこそちょっと体重をかければ簡単に外れて真っ逆様、って具合に。
当然お袋はそれが原因の事故死ということなりました。
だから俺は何度も親父や使用人たちに言ったんです。
突き落としたのは俺だ、お袋は俺が殺したんだ、と」
深い溜め息をついて、修治はペットボトルのミネラルウォーターに口をつける。
恐らく久々であろう長話に疲れている風情がありありと見てとれた。
「でも、誰も信じやしなかった。
弟の政隆は信じてくれましたけど、それきり口をきいてくれなくなったし、しばらくは顔を合わせる度に殴りかかられましたね。
でも親父や使用人たちは全然です。
俺の話なんか聞きもしない。
『お前は母親を亡くしたショックで混乱しているんだよ、かわいそうに』とでも言いたげな、哀れみの目を向けてくるだけ。
現場に来た警察に言おうかとも思いましたが、親父がそれをさせてくれなかった。
精神が錯乱した状態だからとかなんとか言って、俺は事態が落ち着くまで軟禁同然の扱いを受けましたよ。
……みんな、あれを事故にしたがっていた。
殺人だと認めさせてはいけない。そんな空気がどこかにあったんです」
その理由は弥子にもなんとなく分かる気がした。
大企業の跡取り息子が殺人、しかも実の母を殺したとあっては、氷室製薬の名は間違いなく地に落ちる。
最悪の場合会社として息の根を止められるまであっただろう。
それ以前に。実の息子が殺人犯などとすんなり受けいれられる親がどこにいるだろう。
「俺は耐えられませんでした。
自分の犯した罪の重さ、そしてそれを認めてすらもらえず裁かれることもない歯痒さ。
何より―――自分が恐かった。心の中にあんな衝動を持っていた自分が恐ろしくて。
ひょっとしたら俺は、あの手すりがもろくなっていることを知っていて、お袋をあそこまで連れ出したのかもしれない。
そうすれば事故死に見せかけられる。そんなことを考えて……。
今でもこの左手が、お袋の背中に手を伸ばしたときの高揚感と鼓動を覚えてる」
本人の預り知らぬところで育まれていた残酷な衝動の解放。
無意味に無意識に、誰かを殺めることの快感。
彼の左手はそれらすべての欲求を、たった一動作で叶えてみせた。
膝の上で組まれた修治の左手に視線を落としてみる。
楽器を扱う仕事をしているだけあって、男性にしてはとても繊細な手をしていた。
「だからそれを紛らわせようと思って、楽器、やってるんですけど。
でもやっぱりダメですね。弾いてる間は集中してるからいいけど、結局一時凌ぎ。
参っちゃいますよ。
……本当、悪魔の左手です」
あからさまな自嘲を滲ませつつ、修治は青白い左手を握ったり開いたりしてみせる。
今のところは自分の意思で動いていることを確認するかのように。
「もっとも、その手の持ち主である俺はまぎれもない“悪魔の子”なんでしょうけど―――」
悪魔の子。
その響きはなぜか弥子の耳の中で、不吉な余韻と絡み付くような不快感を伴って繰り返された。
この言葉こそ、のちに二人の名探偵を繋ぐきっかけとなる重要な
キーワードであることを、この時の弥子は想像もしていなかったのである。
「……なぁ、話がさっぱり飲み込めねぇんだが、とりあえず
こいつサツに突き出したほうがいいんじゃねぇのか?」
事情を知らされていない吾代だけが、重々しい沈黙の底で場違いな声を上げていた。
19 :
まなびさん:2009/04/21(火) 16:59:35.35 0
つ…続きは!?続きはまだなの!?
20 :
クラナドは人生:2009/04/21(火) 17:11:07.33 O
連投規制くらったっぽい。
いつの間にか落ちてて驚いた…
>>1まじで乙。本当ありがとう。
修治さんの告白話でした。
彼が左手おしおきキャンペーンやってるかどうかは不明。
次回、コナンパート【エンカウンター】投下予定。
内容はタイトルからなんとなく予想できると思います。
この一週間まーるかいて地球ぅーが頭から離れない探し屋Sでした。
21 :
まなびさん: