坂本「ウィッチとは、端的に言えば魔法力を使える女性の事だ
ほぼ全員が十代なので魔法少女という呼称も一部では使われている」
坂本「魔法力と言っても、たいした事が出来るわけではない。
ちょっとしたシールドが張れる程度が大部分だ。
しかし、一部のウィッチはそれに加えて特殊な能力を持つ者がいる」
坂本「ウィッチがいつ、どのように世の中に現れたか、それは誰も知らない。
少なくとも歴史に残っている限りの太古からいたのは確かであり、
人間の本来持つ能力の一つなんだろう」
坂本「力を発現するのは大部分が女性であり、しかも思春期の始まりと共に現れる。
また、例外もあるが普通は成人と共に魔法シールドが失われることで
戦士としての寿命は終わるから、ネウロイとは戦えなくなる」
芳佳「そ、それじゃ坂本さんもそろそろ…」
リーネ「わー!わー!わー!」
坂本「ウィッチの力はあまり使い勝手のいい力とは言い難いが、
古代から特に為政者や軍人にボディガードとして重宝された」
坂本「一方その頃から世界各地で怪異が発生し、人類以外の何かと戦う事が頻発していた。
その戦いにも彼女たちウィッチは守り手として参加している」
坂本「そしてこれらの少女たちは、単純に身を守るだけではなく、
守る相手の妻として、そしてその子供の母となっていく事も多かった」
坂本「結果として、為政者や軍人のみならず、ウィッチを求める声は高まる一方だった。
しかも、特定の一族だけではなく、魔力を持たない少女でも、
ウィッチと一緒にいれば力を発現する事もあったので、
各地にウィッチの養成学校が作られていったのだ」
坂本「結果的に、ウィッチの数は飛躍的に上昇していく。
それでも必ず遺伝するとは限らないので、絶対数も限られる。
常にウィッチを求める要求に対して応えられないのが実情であった」
坂本「ウィッチが誰の元に赴くか、それは彼女らの自主性によって決められていた。
なぜ自主性が尊重されたかというと、
意に沿わぬ相手と組むと彼女らの力が十分に振るえないからだ」
坂本「魔法力はメンタルな力であり、感情に大きく左右されるだからこそ、
感情の起伏が大きい思春期に最も力を発揮するのだろう」
坂本「それが気に入らない相手に強制されたとしたら、力を発揮出来るだろうか?
無意識のうちに、相手に対する嫌悪で力をセーブする事だってあり得るよって、
ウィッチを求める人間は、出来るだけウィッチを大事にしようとした」
リーネ「そうなのですか。だから多くの人たちがわたしたちによくして下さるのですね」
芳佳「小娘の癖に、とか言われないもんね」
坂本「一方、ウィッチが少女なら誰でもなれる可能性がある事は、
世の女性にも大いに受け入れられた。
特殊な血のなせる技なら、排斥される可能性もあったが、
自分や自分の子供に大きな希望が開けているのだから。
その上、怪異と呼ばれる外敵が存在した事で、世論はウィッチを求めていた」