コナンvsネウロ

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1メロン名無しさん
コナン涙目wwwwww
2メロン名無しさん:2008/06/20(金) 16:04:21 ID:???0
バーロー
コナンが負けるわけねぇだろ
やばくなったらYAIBAとかに助けてもらえばいい
3メロン名無しさん:2008/06/20(金) 16:26:54 ID:???0
比較の物差しがわからん
4メロン名無しさん:2008/06/20(金) 23:49:39 ID:cj98EqwYO
逆にしたらシロタの時点でコナン終了
ジンを返り討ちしてネウロ終了
ネウロの勝ち
5メロン名無しさん:2008/06/21(土) 11:53:56 ID:???0
ネウロは推理ものの皮を被った単純娯楽ものだしなあ
6メロン名無しさん:2008/06/21(土) 12:17:48 ID:???O
ネウロは最近バトル漫画になってる
7メロン名無しさん:2008/06/21(土) 16:31:16 ID:???O
新一と弥子は同い年ぐらいだっけ?
8メロン名無しさん:2008/06/21(土) 16:35:42 ID:???0
チョナンは人気ないなw
9メロン名無しさん:2008/06/21(土) 16:51:23 ID:jYPjheIPO
確か弥子が高1で新一が高2だった気がする
しかし俺もコナンと同い年だったのにあっという間に新一を抜かしてしまったorz
10メロン名無しさん:2008/06/21(土) 17:06:33 ID:???O
十二国記vsネウロがいい。
11メロン名無しさん:2008/06/21(土) 17:18:13 ID:jYPjheIPO
世界丸ごと喰われるぞ
12メロン名無しさん:2008/06/21(土) 19:52:37 ID:???O
景麒vsネウロ
13名無しのリリカル:2008/06/22(日) 10:19:30 ID:+enFAukH0
      なのはVSネウロ
14メロン名無しさん:2008/06/23(月) 19:47:06 ID:???0
>1
バカヤロー!!!むやみにジャンプとサンデーを戦わせるな!!!
15メロン名無しさん:2008/06/23(月) 21:12:24 ID:???0
>>14そこはバーローだろウジ虫が
16メロン名無しさん:2008/06/23(月) 21:51:34 ID:???0
>>13
上下とか優劣じゃなしに比較にならない気が
17メロン名無しさん:2008/06/28(土) 11:38:37 ID:3LWRxouRO
コナン=新一
18メロン名無しさん:2008/06/28(土) 15:13:22 ID:???0
未来少年のコナンなら多分勝てるな
19メロン名無しさん:2008/06/28(土) 21:51:18 ID:???O
なのは「スターライト・ブレイカー!!」
ネウロ「そ の 技 を 使 う 時 を 待 っ て い た」
つ魔界777ッ能力 醜い姿見…
なのは「ちょw」
20メロン名無しさん:2008/07/01(火) 22:09:01 ID:???O
まず科学技術が阿笠以上だから無理
21メロン名無しさん:2008/07/05(土) 00:54:37 ID:???0
test
22メロン名無しさん:2008/07/05(土) 01:09:18 ID:???0
まだ残ってたんだ
23メロン名無しさん:2008/07/10(木) 09:40:16 ID:???O
とりあえず
・少年探偵団におっさん扱いされてキレる吾代
・蘭と笹塚がドアをぶち破ってまわりポカーン
・「江戸川コナン…探偵さ!」
「我輩は脳噛ネウロ…魔界の謎を食いつくした男だ」
という名乗り

これはガチ
24メロン名無しさん:2008/07/19(土) 15:03:12 ID:???O
ネウロ二期やんないかなぁ
25メロン名無しさん:2008/07/19(土) 15:40:31 ID:guN4z2vOO
一回コナンの前にやって放送しつみて皆の反応を見たい
26メロン名無しさん:2008/08/14(木) 16:09:25 ID:???0
サンデー死ね!!
27メロン名無しさん:2008/08/19(火) 09:43:14 ID:suAxw7Q9O
ネウロは魔人なのでどんな美形にも化けられます。
28メロン名無しさん:2008/08/19(火) 10:09:10 ID:???0
これは漫画の比較じゃなくてキャラクターとしての強さの比較か
それならネウロの圧勝だな
>>24
二期もあのシナリオだったら泣く
29メロン名無しさん:2008/08/19(火) 15:55:35 ID:???O
アニメの作画と音楽×原作沿いのシナリオ(含DS版)ならすごく面白そう
なんだかんだでアニメは意外と丁寧につくってあったしね。

>>28
ネウロとコナンで頭脳比較だったら単純にネウロのが頭いいだろうけど、ネウロには動機やら人の感情に関することがからきしわからないという弱点があるから
その辺コナンにフォローしてもらえば、クロスオーバーとして面白くなりそう
30メロン名無しさん:2008/08/22(金) 11:21:32 ID:???0
ネウロがコナンに出たら事件の1分後に放送終了するから糞つまんないアニメになるだろうな
しかも放送終了間際にコナン=新一とか言い出してバーローなことになる
31メロン名無しさん:2008/08/22(金) 12:40:16 ID:???0
まだ残ってたのかこのスレと言おうとしたが
>放送終了間際にコナン=新一とか言い出してバーローなことになる・・・
見たいじゃね〜かそんなのw
32メロン名無しさん:2008/08/25(月) 09:07:47 ID:???0
コナン気配消せないもんな
それに魔界道具と頭脳だけで日本征服できそうな勢いだしネウロ

もしやネウロは漫画じゃ最強?
33メロン名無しさん:2008/08/25(月) 17:41:49 ID:lmAjP6PN0
つーか、ネウロ、なんだそれ笑
そんなオタク無名漫画俺はしらねーよ
34メロン名無しさん:2008/08/25(月) 23:49:42 ID:w+vmfM3p0
コナンVSネウロの犯人達が見てみたい、、、

コナン「犯人はお前だ!!」
犯人「ドーピングコンソメスープだ!」
35メロン名無しさん:2008/08/26(火) 08:22:51 ID:87FOZIDc0
マガジンの金田一少年の事件簿の勝ち
36メロン名無しさん:2008/08/26(火) 09:25:54 ID:???0
>>35
そ れ だ !
37メロン名無しさん:2008/08/26(火) 20:23:30 ID:SZvNSfam0
お邪魔します。ミステリ板からの宣伝です。

各作家のナンバー1を決めよう!スレにて、「魔人探偵脳噛ネウロ」作品投票中。

締切りは、平成20年8月29日(金)、〜12:00まで。1人1票でよろしくご参加を。

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1213634450/l50

投票したい作品を<<作品名>>のように、
<< >>で括って投票するのがローカル・ルールになってます。
38メロン名無しさん:2008/08/26(火) 20:36:49 ID:???0
■日テレの巨人戦中継「延長」復活のお知らせ■

日テレが低視聴率の巨人戦中継の最大30分の延長を復活させました。
近い所では、8月26日(火)〜28日(木)19:00-20:54の3日間です。
後番組を見る予定の方はご注意下さい。
参考までに、五輪後最初の8月25日(月)の中継の視聴率は6.4%です。

録画失敗、延長分だけ待たされ迷惑、いつ始まるか分からず迷惑、
就寝時間が遅れた、などの被害を受けた方は、
下記に「延長廃止」のメッセージを入れることをお勧めします。
また、通常番組以下の視聴率なのに、巨人戦のせいで通常番組が見れず迷惑、
という方は「巨人戦中継廃止」のメッセージをお勧めします。

★電話での苦情 03−6215-4444(午前8:30〜午後10:30)
★メールでの苦情 https://www1.ntv.co.jp/staff/form.html
39メロン名無しさん:2008/08/27(水) 17:57:13 ID:???O
明智と笹塚で語らせたいな
40メロン名無しさん:2008/09/03(水) 18:16:32 ID:???0
保守。
41メロン名無しさん:2008/09/12(金) 20:28:19 ID:qwXACwfI0
コナンの謎を引き寄せる能力があればネウロも満腹www
42メロン名無しさん:2008/09/14(日) 10:53:19 ID:???0
>>41
確かにそうだな
単行本60巻を超える謎の魅力にはネウロも敵うまい
43メロン名無しさん:2008/09/14(日) 18:56:00 ID:???0
はいはい
44コナンと女子高生探偵:2008/09/15(月) 00:22:30 ID:???O
『桂木探偵、事件を解決に導くひらめきの秘訣はズバリなんですか?』
『え、えっ!?
えーと、その、バランスのとれた食事……ですかね』

なるほどなるほど、と神妙に頷くリポーターたちに囲まれた少女は、ただ困ったように笑うのみである。

画面の右上には赤く【女子高生探偵桂木弥子・またもや難事件をスピード解決!】
なんて、ここ半年で何度も見たような文章が踊っていた。

『先生の推理力は、意地汚いともいえる食への執着から来ているといっても過言ではないのですよ。ねっ、先生』

どこからともなく現れた長身の青年が、戸惑い気味の少女の肩をしっかり掴んでカメラにウィンクなどしてみせる。
大袈裟なまでに瞳をキラキラさせた青年の言葉に、報道陣はまたしても感心の溜め息を漏らした。
だがこころなし、青年の指が少女の肩に力一杯食い込んでいるように見えるのは、気のせいだろうか。

「畜生がぁぁぁ!
なーにが女子高生探偵だぁッ!」

ばん!と固いものを叩き付ける痛そうな音がした。
直後に悲鳴とデスクに詰んであったビールの空き缶が落ちる耳障りな音が響いて、毛利探偵事務所はいっとき騒然となる。
45コナンと女子高生探偵:2008/09/15(月) 00:24:02 ID:???O
「(なーにやってんだか……)」

思い切りデスクへ打ち付けた右手をぶんぶん振り回しながら悶える小五郎を横目に、コナンは胸中で感心ではなく呆れの溜め息を落とした。

「もー!何してるのよお父さん!」

先刻の音を聞き付けて、台所で夕食の支度をしていた蘭が駆けて来る。
ふうふうと手を吹いている小五郎とテレビ画面を見比べ、て彼女はすぐに事情を理解したらしい。
床に散乱した空き缶を拾いながら、

「あのねぇお父さん。
うちの依頼が減ったからって、全部この娘のせいにするのはよくないよ!
元はといえばお父さんが最近仕事さぼって競馬ばっかりしてるから……」
「うるせぇっ。
探偵坊主がいなくなったら今度は女子高生探偵だぁ!?
くそっ、ガキは黙って勉強してやがれってんだ!」
「ちょっと!新一はいなくなってなんかいないわ!
今だってどこかで事件を解決して」

勃発寸前の父娘喧嘩に巻き込まれまいと無視を決め込むことにしたコナンは、再びテレビ画面に目を戻す。


―――女子高生探偵・桂木弥子。

数か月前に彗星の如く現れて、それからまもなく名探偵の名を欲しいままにするようになった少女。
コナンとて、思うところがないといえば嘘になる。
……小五郎のように態度には出さないが。
46コナンと女子高生探偵:2008/09/15(月) 00:26:30 ID:???O
少し前なら高校生探偵といえば“西の服部・東の工藤”だったのが、最近では
“西の服部・東の桂木”になってきているらしい、というようなことを哀から聞いたばかりということもあって、弥子を見つめるコナンの目は複雑だ。

「(桂木弥子、ねぇ……見た感じ普通の女子高生にしか見えねぇけど)」

しかし、彼女についての報道がマスコミで流される度にコナンの―――いや工藤新一の探偵としての闘争心とでも言うべきものが静かに燃え上がるのを確かに感じる。

それはただ純粋に、弥子と推理勝負をしてみたい、という願望でもあった。

「(一度会ってみたいもんだぜ)」

テレビ画面の中でインタビューに応じる弥子は、どう見ても蘭や園子のような平凡な女子高生にしか見えなかった。



昔アニメスレにコナン×ネウロのネタを書き込んだのだが、いつの間にこんなスレがたっててびっくりしたので投下してみる
この先はまったく浮かばない
47メロン名無しさん:2008/09/15(月) 01:51:49 ID:???0

     γ⌒) ))_,,_ /^l       
    / ⊃  ⌒  ⌒ヾノ  ∩⌒) 
 〃/ / シ "( ●)  (● )ミ〃/ ノ   
  γ⌒) = ⌒(__人__)⌒=ヽ/ / )) せっせっせ!せっせっせ!
 ./ _ノ 彡          ;ミ( ⌒)   
 (  < ヾ           ン/ /   
 ( \ ヽ          ""        
48メロン名無しさん:2008/09/18(木) 04:56:02 ID:???O
>>44-46
おもれえ
49メロン名無しさん:2008/09/30(火) 19:08:56 ID:4ka9wDCrO
ほす
50メロン名無しさん:2008/10/04(土) 02:40:37 ID:???0
>>46氏が書いたのってこれ?ちがったらごめん↓以下コピペ

【女子高生探偵、またも事件を解決!】
小五郎「けっ!なーにが女子高生探偵だ!気に食わねぇ!」
蘭「もう、お父さん
!最近依頼が減ったからって人のせいにするのはよくないよ」
コナン「ハハ……」

→事件発生
笹塚「……警視庁捜査一課の、笹塚です」
小五郎「毛利だ」
石垣「毛利?ひょっとしてあの《眠りの小五郎》!?すっげー!本物だ!サインくださ」
グシャ

石垣「あうあう…」
毛利「なーはっはっは。では笹塚刑事。現場の捜査をさせ…」

弥子「笹塚さーん!」
笹塚「あ…弥子ちゃん」
ネウロ「みなさん、お待たせしました。稀代の名探偵・桂木弥子先生がご到着です」

光彦「うわぁ!桂木弥子探偵ですよ!」
元太「すっげー!なぁなぁ、あのねーちゃんうな重何杯ぐらい食えるんだ?」
園子「へー、実物結構可愛いじゃん」

小五郎「ちっくしょおおお…あの探偵坊主といいこの嬢ちゃんといい…!」

灰原「用心することね、工藤君。あの助手…ただものじゃないわ」
コナン「バーロー、んなことはとっくに気付いてるよ。……すぐに暴いてやるさ、あいつの正体もな」

ネウロ「(フン、あの子供たちからなんとも濃厚な謎の気配がするな。調べる価値はありそうだ)」



51メロン名無しさん:2008/10/04(土) 02:57:38 ID:GYW2Zm86O
ネウロもコナンもどっちも傀儡使ってるからな
52メロン名無しさん:2008/10/06(月) 00:54:20 ID:1NCrmxvUO
>>50
うお、懐かしい。
よくそんな昔のものを…ww
それであってるよ。
53メロン名無しさん:2008/10/06(月) 22:37:25 ID:is9fr6sl0
>>50
なかなか面白そうだな。続きが気になる。
54メロン名無しさん:2008/10/07(火) 21:12:57 ID:???O
阿笠と春川に繋がりがあったら萌え
黒の組織とシックスに繋がりあっても萌え
灰原とチー坊が友達同士だったら…

いかん、過去設定だけでだいぶワロス
55メロン名無しさん:2008/10/07(火) 22:35:30 ID:???O
シックスはジンの兄貴気に入りそうな気がする
56メロン名無しさん:2008/10/07(火) 22:59:45 ID:???0
>>44-46
>>50
面白い。誰かがコラボ漫画とか小説描いてくれたら絶対読む
クライマックスは互いに正体バレる展開かな
5756:2008/10/07(火) 23:01:16 ID:???0
誤変換
描いてくれたら→書いてくれたら でした
58メロン名無しさん:2008/10/13(月) 17:34:43 ID:???O
園子はやっぱりネウロにデレデレするのか
59メロン名無しさん:2008/10/15(水) 08:05:22 ID:+LRVreQz0
ネウロの大好きな謎を解決してしまう存在、コナンはすぐにネウロに殺されるだろうて
60メロン名無しさん:2008/10/15(水) 08:32:36 ID:???O
いやコナンについてったら食事し放題だろ
それにコナン自体謎だし
61メロン名無しさん:2008/10/24(金) 22:39:08 ID:???0
保守。
62【日常】:コナンパート:2008/10/26(日) 21:59:38 ID:???O
翌日、家路につく少年探偵団は桂木弥子の話題でもちきりだった。

「なぁなぁ見たかっ?昨日のニュース!」
「もっちろんですよ!
“女子高生探偵桂木弥子・華麗なる推理の裏側を追え”
ぼく、DVDに撮っときました!」

興奮気味に話す元太と光彦の横では、歩美がうっとりとした表情で、

「あこがれちゃうよねぇ…歩美もあんな可愛い女子高生探偵になりたいなぁ」

ひとりごとのような調子で呟いている。

「特にあれがすごかったよな!昼飯のカツカレー15杯30分で完食」
「あれでもまだ腹八分目だそうですからね!
僕はおやつにラーメン八杯っていうのに圧倒されちゃって」
「インタビュー受けながらメロンパン十個ぐらい食べちゃってたよね!」
「(……探偵とかそれ以前に、人間としてやばくねーか?)」

だんだんと人間の常識からかけ離れてゆく話題に不吉なものを感じるコナンだが、とりあえず胸中でつっこむだけにしておいた。

“女子高生探偵・桂木弥子”が“大食い女子高生”というのも
度々報道されている有名な話で、彼女の助手を勤める青年が、
『ホテルバイキングの料理をすべて食べつくし、
某三ツ星ホテルの経営を窮地に追い込んだ』
だの
『事件の起こったファーストフード店で店にあるありったけのハンバーガーを差し出さないと事件は解決しないと脅しをかけた』
だの、およそ真偽を疑う武勇伝をテレビで語っていたのを聞いた覚えがある。

「(ほんと、なんていうか……)」

「“―――あんな子が探偵なんて、信じられない”」

涼やかな声が、コナンの次の台詞を代弁した。
「なっ―――」

思わず隣を見やると、無表情がデフォルトである彼女の数少ない
表情パターンのひとつ、『微笑』を浮かべた灰原哀と目が合った。

淡い栗色の瞳が猫のように細められているのは、クォーター特有の整った顔立ちも
あいまって人形のような可愛らしさがあった。
しかしその愛らしい『微笑』には、『裏のありそうな』という但し書きがつくのだが。

「驚いたわ、あなたも人並みに嫉妬なんかするのね」
「ばか、そんなんじゃねぇよ」
63【日常】:コナンパート:2008/10/26(日) 22:04:16 ID:???O
「あら、隠さなくていいのよ?
私はむしろ安心したわ。
『どんな探偵があらわられても、東の高校生探偵の名はいつまでも自分のもの』
なんてくだらない慢心を、あなたは持っていないと確認できたもの。
それなりに危機感はあるんでしょ?」
「……るせー」

からかうような哀の声音に、見事なまでに心中を見透かされた
コナンはただそっぽを向くしかなかった。

「いいんじゃない?
カツカレー二十杯にラーメン八杯、メロンパン十個を平気でたいらげる以外は至って“普通”の女子高生探偵がいても。
世の中には眠った中年男の後ろに隠れて推理をする個性派の探偵さんもいることだし」
「そりゃ嫌味か」
「激励よ」

あぁそう。
コナンはがっくりと落とし、今度こそ哀との会話を打ち切った。

「……っと。
おーい!ちょっと待てお前らー!」

馴染みの本屋の前に差し掛かったところでコナンはふと足を止め、
いまだ桂木弥子の話題で盛り上がっている前方の三人組の背中に向かって声を張り上げた。

「どうしたの?」
「ちょっと本屋寄っていいか?
今日発売のミステリー小説買いたくてよ」
「あ、はい!
じゃあここで待ってますね」
「おもしろそーなマンガあったら教えてくれよな!」
「おう、任せとけ」

適当な返事をして本屋に入る。
お目当ての本は、新刊コーナーの一角を陣取って平積みされていた。

「危ねぇ危ねぇ、忘れるとこだったぜ」

“『名探偵・桃ノ木清次郎シリーズ』
最新刊本日発売!”
手書きのポップを一瞥しながら、手近な一冊を取る。
ここ二か月、コナンが密かに楽しみのひとつとしていたのが、この本の発売だった。


ぜんぶで三つあるレジはどこも混み合っていて、並んでいるほとんどの人間がコナンと同じ本を手にしている。

この場で内容を覗き見してしまいたい気持ちを抑えつつ、コナンは真ん中のレジに並んだ。
64【日常】:コナンパート:2008/10/26(日) 22:06:14 ID:???O
と。

「ふふふ……ついに手に入ったぞ、“魔女っ娘ニノたん第七巻・賢者ニノたんフィギュア付初回限定版!
アニメイトにもなかったのがこんな街中の本屋にあるとはなー。
これであとは草原の剣士リンちゃんと、司祭セーラ様が集まれば……」

左のレジに並んでいた青年がひとり怪しげな独り言と笑いを漏らして身体を震わせている。
他の客の薄気味悪そうな視線はまったく気になっていない―――というより、気付いてすらいないようだった。

とろけるようなまなざしの先には、コミック本の付録にしては大きすぎるフィギュアの箱。
箱の中からは瞳の大きな美少女が、青年に笑いかけている。
コナンは何も見なかったことにした。


一足先に会計を済ませた青年が、軽やかな足取りで店を出て行く。
なんとなくその先を見送ってみると、
青年は本屋の外で待たせていたらしい男を見つけるやいなや、
さっそく今買ったばかりの本を見せつけはじめていた。

あの気まずいフィギュアの笑顔と目が合っているにも関わらず動揺の色も見せない連れの男は、なかなかの大物である。
あるいは慣れているのか。

ややあって、男は吸っていた煙草をゆっくりと携帯灰皿に押しつけた。
まだ興奮気味の青年の手からひょいとフィギュアの箱を取り上げたかと思うと、それをすぐに手放す。

「(……お?)」

全ては一瞬だった。

地に落ちた箱。
それを、革靴を履いた男の足が容赦なく踏み付けた。

「んがああああああっ!?」

店内にまで聞こえた絶叫はもちろん青年のものだ。
フィギュアの残骸を前に力なく崩れ落ちた青年には構わず、男はコートの裾を翻して気怠げに歩き去っていった。

「(ははは、ひでぇ)」
「お次のお客様、どうぞー」
「あっ、はーい」

名も知らぬ青年の背中に、ご愁傷様、とだけ心の中で呟いて、
コナンは店員に本を差し出した。
65メロン名無しさん:2008/10/26(日) 22:09:04 ID:???O
前回の続き。
携帯からなので読み辛かったらごめんよ

なんとなく話が浮かび始めたので、ゆるーく書き始めてみた。
一応コナンパートとネウロパートがある予定。
66メロン名無しさん:2008/10/27(月) 20:17:30 ID:???0
>>65
ついに、待望の続きが…!
ネウロパートも期待して待ってます。
67メロン名無しさん:2008/10/27(月) 21:08:10 ID:???0
コラボ小説あったら絶対読むとか言ってた>>56です
おお、書いて下さるのか!
これは期待
68メロン名無しさん:2008/10/29(水) 07:01:43 ID:???O
これは期待
69メロン名無しさん:2008/11/01(土) 19:53:23 ID:???0
桃ノ木清次郎シリーズあたり
元ネタそこそこ人気にしてもよく知ってるな
70メロン名無しさん:2008/11/03(月) 00:29:29 ID:yehK9ndXO
コナンパート投下

読む前に注意
・この話のネウロは基本的に、というか9割方アニメ設定です。
アニメネウロは認めない!という人は読まないのが賢い判断。

・なぜかって、俺がアニメネウロから入った人間だから。
ちなみに原作も最近やっと読み始めたぐらい。
吾代の出番少なくね?
笹塚若くね?

・よって等々力女史や早坂ブラザーズが小説に登場する可能性は著しく低い。
「俺の志津香ちゃんが出てねぇだと?ふざけんな!」
「私のユキ様が出ないなんて!」

という人もやっぱり読まないのが賢明。
シッ…ク…ス?

・世界観は完全にコナンとネウロごちゃまぜ。
同一世界と考えてくれればよし。
71【歌姫談義】:コナンパート:2008/11/03(月) 00:31:25 ID:???O
「おかえり、コナン君!
本買えた?」
「あぁ、ばっちりだ」
「コナン君、ひょっとして“桃ノ木清次郎シリーズ”買ったんですか?」

光彦の言葉に、コナンは機嫌よく頷いた。

「やっぱり!僕のパパも大ファンなんですよ。
この間やった二時間ドラマ版、僕も見ましたけどすっごくおもしろかったですし」
「それなら俺も知ってるぜ!
今度映画化もするんだろ?」
「元太君……何か月前の話をしてるんですか。
もう撮影はとっくに終わって、あと二か月ちょっとで上映ですよ」

そうだっけ?と首を傾げる元太にコナンは苦笑した。
変わらない日常の、他愛ない会話。
凡人ならともすれば退屈にすら感じるそれらの尊さを、コナンは誰よりも知っている。

血なまぐさい、狂気にまみれた世界をこの目で見続けて来たからこそ、
胸を張ってその素晴らしさを誇ることができる。

「(もし、こんな日常よりもそんな狂った世界を好むやつがいたら)」

人が生み出す悪意と狂気に満ちた謎を、コナンのように正義の心でもって解き明かすのではなく、
ただその黒々とした“悪意”と“狂気”に身を浸すことに快楽を感じる者がいるとしたら―――

ふいに空を見上げる。
抜けるような夏の空に、照り付ける太陽が眩しい。

「(俺は許しちゃおけねぇな。
だいたいそんな奴は人間じゃない。
強いて言うなら―――
地獄の魔人かなんかだ)」

なぜその時、突拍子もなくそんな考えを抱いたのか。

今思えば、それはある意味、これから起こる哀しい事件に対する
予言じみたものだったとコナンが気がつくのは、もう少し先のことである。
72【歌姫談義】:コナンパート:2008/11/03(月) 00:33:47 ID:???O
「―――ちょっと工藤くん。工藤くん?」
「おわっ……悪ぃ灰原、何だ?」
「遠い目をしてたわよ。
また桂木弥子のことかしら?
あなたもなかなか嫉妬深いのね」
「違うっての……」

なんとか話題を変えたいコナンは、きょろきょろと辺りを見回し、
「あぁ、ほら見ろよ灰原」

街頭ヴィジョンを顎でしゃくってみせた。

哀が見上げた先には、美しい金の髪をした、印象的な女性の姿がある。
少し耳をすませてみれば、街の雑音の中、場違いと言っていいほどひときわ澄んで聞こえるその歌声に気がついた。

「また歌出したんだな……アヤ・エイジア」「えぇ。
獄中から新曲を出すなんて、後にも先にも彼女ぐらいじゃないかしら」

アヤ・エイジア―――
日本のみならず世界中に熱狂的ファンを持つ歌姫の名を知らぬ者は数少ない。

日本語の歌詞であるにも関わらずCDは三億枚という空前絶後の売り上げを記録し、
世界さえも揺るがす歌声だと彼女を賞賛する声はあとを断たなかった。

そんな彼女が今監獄にいる理由は、ただひとつ。

「あなたはどう思うの?」

しばらく歌に聞き入っていた哀が、いきなりコナンに問うてきた。

「何が?」
「人殺しの歌姫(ディーヴァ)よ」
「許せねぇな」

間髪いれず返された言葉に、哀は予想通りといった笑みを浮かべ、でしょうね、とだけ応じた。
相手が何者であれ、罪を犯した者はその瞬間に彼の中で許しがたい存在となる。
哀はそれをよく承知していた。

早い話が、アヤ・エイジアは二人の人間を殺めた殺人犯だった。
一人はアヤの才能を発掘したプロデューサー、もう一人はデビュー
当時からアヤを支え続けていたマネージャーの女性である。
73【歌姫談義】:コナンパート:2008/11/03(月) 00:37:32 ID:???O
動機は事件が解決した今もはっきりしていない。
マスコミは引退を決意したアヤと事務所側のトラブルが原因なのではと勝手な予測を書き立てたが、的を射ているようには思えなかった。

彼女を罪に走らせた理由はもっとシンプルで、それでいて心の奥底に深く根付いた何かではないかとコナンは思う。
そう、彼女の歌声のように……。

「―――ただ」
「ただ?」

怪訝そうにこちらを見やる哀の視線を感じながら、コナンは街頭ヴィジョンの中で微笑む歌姫を見つめた。

「彼女の歌を聞いてると、心の一番深いとこに入り込まれたみてーでさ……たまにめちゃくちゃ切なくなる。
いつもはそんなこと感じないのに、事件の後とかにラジオなんかで聞いてると、こう」
「泣きたくなる?」
「そこまではねぇけど」

聞く者の心に柔らかく、だが深く染み渡るアヤの歌声は、時に人が
持つ大切な何かを根元から大きく揺さぶる。

監獄から曲を出しても相変わらず世界のヒットチャートを座遷し続
けているのには、そんな理由もあるのだろう。

「でもおまえ、ファンなんだろ?
博士から聞いたぜ、最近パソコンに向かう時は“孤独のヒカリ”流しっ放しだって」
「昔は彼女の歌を聞くと必ず泣いてたわ」
「……マジで?」
「マジで」

あまりに現在の哀のイメージとかけ離れた過去をあっさり告げられ
、コナンは思わず彼女の横顔を凝視した。

「意外って顔をしてるわね。
私が歌に感じ入って泣くなんて……って表情だわ」
「意外すぎて言葉が見つからない。
……でも過去形か。
今も泣くのか?」
「たまに。
めっきり頻度は減ったけどね。
私も年をとったのかしら」

「あーっ!また哀ちゃんとコナン君がひそひそ話してるっ!」
74【歌姫談義】:コナンパート:2008/11/03(月) 00:39:56 ID:???O
突如として割り込んで来た声に、コナンと哀は揃って前を見た。
たいやきの詰まった袋を抱えた歩美が、光彦と元太を引き連れて駆けて来る。

「もー、歩美たちが見てないとすぐ内緒の話始めちゃうんだから!
油断できないよっ!」
「大した話じゃないわよ。
それよりそんなに慌ててるとあなたもたい焼きも危ないわ」

歩美たちを見る哀の目はどことなく穏やかだ。
出会った当初は人形めいて冷たい印象さえ受けた横顔が、今は
ほんの少し、人間らしい暖かみを帯びている気がした。

「なぁ、灰原」
「なに?」
「お前が泣かなくなったの、年のせいじゃないと思うぜ」
「……なぜそう思うの?」
「なんとなく」

呆れた。そんな声が聞こえてきそうな溜め息を、哀が深々と吐き出した。

「繊細な人の感情の問題を、“なんとなく”で済ませるとはね。
あなたやっぱり大物よ」
「悪かったな、デリカシーのない男で」
「今に始まったことじゃないから気にしてないわ」

こいつにはもう、たい焼きの尻尾すら分けてやらんとコナンはかたく誓った。
75メロン名無しさん:2008/11/03(月) 00:41:29 ID:???O
今回は以上。
次回はネウロパート投下の予定。
76メロン名無しさん:2008/11/03(月) 23:37:30 ID:???0
ネウロパート期待
77【再びの日常】:ネウロパート:2008/11/04(火) 22:53:15 ID:ZudlU1rsO
カラオケボックスの一室で、花も盛りの女子高生たちは賑やかに放課後のひとときを過ごしていた。
その中には今をときめく女子高生探偵・桂木弥子の姿もある。

友人とマイク片手に楽しげに歌う姿は、やはり普通の少女だ。
彼女の席の前に積まれたケーキやアイスの皿の数を無視すれば、だが。

『愛はふるえて Beatに抱かれ このまま In your eyes oh yeah〜!』

気持ち良さそうにラストのフレーズを歌いきって座席に戻ってきた弥子は、上機嫌な顔は
そのままに本日八杯目のパフェをぱくつきはじめた。

「んー、おいしい!あと20杯ぐらいいけちゃいそう。
叶絵、このパフェまたおかわりしてもいいかな?」
「いいけど代金はあんた持ちよ」
「わかってますって」

端末から目も上げずに言い放つ叶絵の様子からは、長年の付き合いのおかげでもはや驚きの色もない。
他の友人たちも、叶絵ほどではないが弥子の食欲に対してのスルー
スキルは着実に身に着いてきたらしく、まぁいつものことかと苦笑するだけだ。

「次何歌おっかな〜」

ぱらぱらと歌本を捲る。だが次の瞬間、胸ポケットに微かな振動を感じ、その指はぴたりと止まった。

往々にして悪い予感というものはよく当たる。
そして悪さの度合いが大きいほど、予感の的中率は跳ね上がるのが常だった。

開いた携帯には一通の新着メール。

『三十分以内に事務所へ来い。
一秒でも遅れたら事務所の屋上からテイッシュ製のロープで吊るし上げてやろう』

すべてを読み終えないうちに、弥子はすっくと立ち上がった。

「弥子?」
「ごめんみんな!
仕事が入っちゃったみたい!私行くね!」
「あっ、ちょ、弥子ぉ!?」

呆然とする友人たちに手を合わせながら、弥子は疾風の早さでカラオケルームを後にする。
店員の目など、気にもならなかった。

このカラオケ店から事務所までは歩いておよそ一時間。とても三十
分で到達できる距離ではないが、しかしそれでも弥子は三十分で事務所に行かなければならない。
さもなくばテイッシュ製のロープで云々なんて冗談みたいな仕打ちが本気で執行される。
彼の言葉にはいつも真実しかないのだ。
あの魔人はやると言ったら必ずやる。
78【再びの日常】:ネウロパート:2008/11/04(火) 23:01:38 ID:???O
学校帰りの学生でざわめく街を弥子は出せる限りのスピードで駆け抜けた。
可能ならどこかでタクシーでも掴まえたいが、こういう時に限って都合よく空車のタクシーが見つからない。

夏の熱気が身体の中から容赦なく水分を奪う。
じんわりと汗の滲みはじめた額を拭うのも出来ずに、弥子はひたすら走る。
理不尽な魔人の、理不尽な要求に答えるために。
腕時計はすでに約束の時間まで十分しかないことを示していた。

「あ、のドS魔人……!三十分で、なんて、無理に、決まって、るじゃない……!」

乾いた喉で精一杯の悪態を吐き出した瞬間、
「きゃっ―――!?」

揺れる視界、そして衝撃。

何かにぶつかったこと、そしてその結果路上で派手に尻餅をついてしまったことに気がつくのには、さほど時間はかからなかった。
だがそれに羞恥を抱くより、弥子は自分がぶつかってしまった人物に驚いた。
背中を丸めて路上に堂々と体育座りをしていたのは、捜査一課の刑事・石垣だったのだ。

「石垣さんじゃないですか!」

弥子の呼び掛けに、石垣は涙をいっぱいにためた目をゆらりとこちらに向けた。
が、弥子の顔を視界に捕らえたのはほんの一瞬で、、またすぐ横を向いてうつむくという基本の体勢に戻ってしまう。

「あのー、石垣さん?」
「話しかけるな探偵……俺はいま、ニノたんの喪に服している真っ最中なんだから……。
あぁ、ニノたん………おぉ、ニノたん………」

ずずっと鼻をすすり、石垣はスーツの袖でごしごしと目許を拭った。
うつむく彼の目線の先には、いかにも彼好みのフィギュアの残骸が無残にも打ち捨てられている。
なんだか懐かしさすら覚える光景だった。
とするともう一人、この場にいなくてはならない人物が―――

「……路上に座り込むな。通行人の邪魔だろ」

聞き覚えのある低い声が石垣の頭上から降ってくる。
彼が顔を上げるより先に、頭上の人物はそのまま石垣の首根っこを引っ掴むと、
手近な街灯にその身体を叩き付けた。
うぎゅ、と呻いて動かなくなった石垣には目もくれず、彼は緩やかな動作で弥子に手を延べる。

「ごめんね弥子ちゃん。
大丈夫?立てる?」
「あ、はい……
お久しぶりです、笹塚さん」
「……久しぶり」

笹塚の手を取ると存外に強い力で身体を引かれた。
立ち上がった弥子は、スカートの尻をぱんぱんとはたいてから笹塚にぺこりと頭を下げた。
79【再びの日常】:ネウロパート:2008/11/04(火) 23:04:58 ID:???O
「事務所、前にも増して盛況だそうじゃないか。
同僚から聞いたよ」
「えぇ、まぁ……」

弥子は曖昧に笑った。
南米の事件でネウロは一度姿を消し、探偵事務所は休業の手はずを整えていたが、南米帰国から一週間足らずでネウロはひょっこりと弥子の前に戻ってきた。
よって探偵事務所は業務を再開。
あまりに短期間のことだったので、大抵の人間は事務所が休業していたことすら知らないはずだ。
笹塚はそれを知る数少ない一人であった。

「そうだ、弥子ちゃん」

唐突に弥子を見る笹塚の目が刑事のそれになった。
思わず肩を強張らせる弥子に、笹塚は静かに口を開いた。

「そろそろ助手さんのこと、詳しく聞かせてもらってもいいかな」
「あ……」

南米での戦闘で、ネウロはついに自らの真の姿、つまり魔人としての姿を弥子以外の人間の前に晒してしまった。
いくら笹塚が他人にむやみに干渉しない人間とはいえ、見逃せることと見逃せないことがある。

「あのっ、それは……ごめんなさい笹塚さん、また今度!」

ネウロについて話すのも弥子としては非常に困るが、それ以前にネウロに課せられたタイムリミットが刻一刻と迫っている。
今は我が身大事と弥子は脱兎の勢いで駆け出したが、

「……南国フルーツパフェ、特大サイズ」
「うっ!?」

笹塚の一言に、弾かれたように弥子の足が止まる。

「濃厚レアチーズケーキ、ストロベリーソース付き」
「あ、あぁ……」
「こだわり抹茶団子、夏期限定ミルクかき氷、バケツプリンアラモード……」

その場に根付いたように足が動かず、そうしている間にも笹塚の読経めいて淡々とした言葉は続く。

なんてことはない、笹塚はただファミリーレストラン“ダニーズ”
の夏のデザートメニューを読み上げているだけではないか。
なんてことはない、なんてことはない。

「(でも足が動かないぃぃぃー!)」

笹塚の読み上げたメニューを、喉の奥でもう一度反芻してみる。
すると、あぁ、名前からしてなんと甘美な響きなのだろう。

弥子の頭の中からはすでに焦燥感とか危機感とかいうものはあとかたもなく消えていた。
80【再びの日常】:ネウロパート:2008/11/04(火) 23:07:29 ID:???O
かわりに、宝石箱のごとくきらめくフルーツパフェの偉容や、かき
氷のはかない甘さと美しさ、それにプリンアラモードの舌先でとろける感触といったすてきなものたちが脳内を支配した。

もう暑さなど感じない。
口の端からよだれが出ていることにも気付かず、恍惚とした弥子の
顔がついに笹塚のほうを振り返ってしまった。

すかさず笹塚は、とどめの一撃を上着のポケットから取り出す。

長い人差し指と中指に挟まれた一枚の紙切れ。
“ファミリーレストランダニーズ・デザート食べ放題券”
の文字が鮮明に見て取れる。

「弥子ちゃん」

彼の話を聞いてはいけない、なんて警告を発する理性はもうどこにも残っていなかった。

「ファミレスでゆっくり、話を聞きたいんだけど」

駄目押しだった。
なにかが陥落する音がして、違うなにかが構成されていく音がする。
とろんとした目付きはそのままに、弥子はふらふらと夢見心地の
表情で楽園への一歩を踏み出した。

耳をつんざくクラクションが鳴り響いたのは、ちょうどその時だった。

我に帰るにはじゅうぶんな大音量にはっとなった弥子は、すぐに音の出所を探す。

「探偵ー!アブねぇ顔してんじゃねぇぞ!」

短い金髪に真っ赤なシャツ、口にまで開けたピアス―――三百六十度どこから見ても完璧なチンピラが、運転席から顔を突き出し、こちらを睨んでいる。

しかしそのおかげで、理性だの現実だのネウロだの、欲望に沈みかけていた事象が一気に弥子の頭に浮上してきた。
81【再びの日常】:ネウロパート:2008/11/04(火) 23:08:25 ID:???O
笹塚が制止する暇も与えず、チンピラの乗る車のほうへと弥子は走り出す。

「たっ、助けて吾代さん!
笹塚さんが私に悪魔の誘惑を……!」
「何ィ!?
刑事!てめぇ、そういう趣味か!」
「べつに……」

吾代の言葉には多大なる誤解が含まれていたが、笹塚は特別訂正もしようとしない。
単に面倒なのだろう。
吾代忍という、あまりに温度の違う相手と話すのは。

「クソが!
マジで腐ってやがんな、ポリ公ってのは!
真っ昼間の路上で女子高生相手にナンパかコラ!?」
「黙りな吾代忍。
駐禁払えよ吾代忍」
「いちいちフルネーム呼びすんな笹塚衛士!
とにかく探偵、隣り乗れ!」
「う、うんっ」

助手席に身を滑り込ませ、弥子は吾代に「事務所までお願い!」と叫んだ。
吾代は表情ひとつ崩さない笹塚にきっちり中指を立ててやってから
、アクセルを踏み込んだ。
82メロン名無しさん:2008/11/04(火) 23:09:56 ID:???O
ネウロパートはちょっとだけ長くなりそう。
一旦切ります。
83メロン名無しさん:2008/11/05(水) 10:52:45 ID:???0
すばらしい!
期待
84メロン名無しさん:2008/11/05(水) 16:12:51 ID:???0
後半も期待。
85メロン名無しさん:2008/11/06(木) 18:37:56 ID:UJyKuu6RO
吾代と笹塚の不仲は相変わらずか
86メロン名無しさん:2008/11/12(水) 11:40:25 ID:???O
『ベイカーストリートの亡霊』か『迷宮の十字路』にネウロたちがいたら面白いかも
87メロン名無しさん:2008/11/22(土) 23:36:45 ID:9wFlMdlg0
ほしゅ
88メロン名無しさん:2008/11/28(金) 04:14:20 ID:???O
ベイカストーリーの亡霊ってハルみたいだな
89メロン名無しさん:2008/12/04(木) 09:04:10 ID:???0
ほしゅ
90メロン名無しさん:2008/12/04(木) 18:47:21 ID:???O
続き待ってるほしゅ
91メロン名無しさん:2008/12/10(水) 20:50:14 ID:???0
ほしゅ
92メロン名無しさん:2008/12/19(金) 17:13:41 ID:???0
保守。
約束の時間三分前というところで、吾代の車が探偵事務所の前へと滑り込んだ。

「おら、着いたぜ」
「ありがと、吾代さん!助かっちゃった」
「礼なんざいい。ったく、てめぇもつくづく運がねぇやつだよな……。
まだあんな化け物とつるんでやがるなんて」

ネウロのもとで雑用をしていた頃を思い出したのか、吾代は苦々しい面持ちで事務所の窓を見上げている。

「うん。でも探偵を続けるっていうのは私が決めたことだし、後悔はしてないよ。
……苦労はしてるけど」

ネウロの隠れ蓑として探偵役を演じ、血みどろの事件に自ら進んで足を踏み入れること。

弥子にとっての非日常は、ネウロによって無理やり日常へとシフトさせられたようなものだった。

事件の根底に流れているのは、時に締め付けられるように哀しく、時に震えるように憤ろしい、人間の本質だ。

ネウロとともにいくつもの事件を解決し、弥子もその分だけ人の心の深遠さを垣間見て来た。

そして次第に、その身勝手さや恐ろしさを十分理解しつつも、もっと深いところまで踏み込みたいと弥子は思うようになった。

醜さも美しさもすべてひっくるめて、人間の本質を見ることができるような人物になりたい、と。
そう願うようになった。

非日常から始まった日常はけして平和な日ばかりではない。
けれど、たくさんの可能性に満ちあふれている。

ネウロが一時でもいなくなった時、まるで自らの半身を失ったかのような虚脱感に襲われた。
その彼が帰って来た時、あの遠慮のない手が自分の頭をがっちりと押さえ付け、普段と変わらぬ尊大な言葉を浴びせて来たとき、涙がこぼれた。

ただ純粋に嬉しかった。
自分の可能性を示してくれる人物が帰ってきてくれたことが。

「だから、大丈夫。
心配しないで」
「ならいいけどよ」

「吾代さんもたまには遊びに来てね」
「だっ、誰が化け物のとこに進んで行くかよ!
来ねぇぞ。俺は来ねぇからな!」

吠えたてる吾代に笑って手を振りながら、弥子は車を降りた。
エレベーターには乗らず、階段を使う。
いつ故障するかもしれない機械より自分の足のほうが今はよっぽど信頼できる。
何より―――エレベーターにはネウロが何か仕掛けをしていないとも限らない。
あの魔人を相手にする時は慎重すぎるぐらいでちょうどいいのだというのが、弥子がネウロと出会ってすぐに学んだことだった。
二段飛ばしで階段を駆け登る。
狭くて急な階段に早くもふくらはぎがぐずりはじめていたが、度重なるネウロの暴力によって忍耐力だけは人一倍備わっている。

三階―――
今は何時だろう?
四階―――
どうか、事務所の時計が一分一秒たりとも
五階―――
進んでいませんように!

祈るような気持ちで『桂木弥子魔界探偵事務所』のプレートがかかったドアを開け、弥子は事務所に転がり込んだ。
息を切らしながらもなんとか弥子は顔を上げ、正面にいる男をしっかり見据える。
彼もまた、弥子を真正面から見つめていた。

「―――ふむ」
硝子玉めいて透き通った緑の目が細められ、薄い唇から物憂げな溜め息が飛び出す。
「時間ジャストか。
命拾いしたな、ヤコよ」
実につまらない、というのがありありと分かる表情で、ネウロは机の上の白い紐をつまんでみせた。

「せっかく特製ロープも完成間近であったというのに」
「早くしまってよその不吉なアイテム……!だいたい環境にもよくないしっ」

ただのこよりにしか見えない『特製ロープ』から目を逸らした弥子の視線の先では、テイッシュの空き箱が散乱していた。
魔界からやってきた魔人に環境問題の大切さは通じないらしい。

「あぁ、残念だ。そしてつまらん。
おまえもヤコが屋上からバンジージャンプにチャレンジするのを見たかったろう、トロイ?」
繊細な指先が、血の色をした机を愛しげに撫でる。
まるで恋人の肌に指をすべらせるような、甘やかな手つき。
ともすれば、トロイが恥じらいに身震いする有様さえ幻視できてしまいそうだ。
せめてその慈愛を、自分や吾代に十分の一、いや百分の一でも施してほしいと何度思ったことか。

「とにかく!間に合ったんだからお仕置きもなし。
言っとくけどここまで来るのに結構いろんな葛藤があったんだからね」
「少しずつロープを湿らせて遊ぶためのジョウロまで用意していたのだが」

醜悪な顔の象をかたどったピンクのジョウロを示して、ネウロ。

「また悪趣味なもんを……。で、何の用?事件の依頼が来たとか」
「ふん、そうならどんなによかったか。
貴様がきちんと働かないせいで、我輩の空腹は日増しにひどくなるばかりだ」
「じゃあなんで」
「主人が奴隷を呼び出すのに理由がいるのか?」
「なっ……」

あっさりと言ってのけるネウロに、思わず言葉が詰まる。
何の用事も用件もない。ただの気まぐれ思い付きで、彼は弥子を呼び出した。
彼の理不尽さにはもう慣れきっているとはいえ、今回はそのために犠牲にしたものが大きすぎた。

「私のパフェ……デザート食べ放題……!」
緊張によって忘れていた疲労がどっと溢れだし、弥子はがっくりとうなだれた。
脱力感のままに壁にしなだれかかる。
と、壁と向かい合わせて置いてあったデスクに麦茶の注がれたグラスがそっと差し出された。

「ありがと、あかねちゃん……。生き返るよ」

壁に入った亀裂から平然と“生えて”いる三つ編みに、弥子は苦笑しながらも礼を言った。
あかねちゃんと呼ばれた三つ編み―――桂木弥子魔界探偵事務所が誇る有能秘書あかねは、すっかり疲れ切った顔の弥子をいたわるように、二三度ひょこひょこと毛先を揺らしてみせた。

よく冷えた麦茶を一息に飲み干す。
どこまでも気の利くあかねはその間に濡れタオルと乾いたタオルの両方を用意してくれた。

タオルで顔を拭いて、それでようやく冷房の風を心地よく感じられるまでに落ち着いた。

「(あかねちゃんにトリートメントして、今日はもう帰ろっと……」)
そう思って、弥子はトリートメントと洗面器を取りに向かうことにした。
ネウロは目を閉じて何やら思案にふけっているし、このまま今日は平和に終わってくれれば御の字だ。

しかし、彼女のささやかな望みはわずか三分後にもろくも打ち砕かれることになる。
お湯を張った洗面器とトリートメントを抱えて弥子が戻ってきてみると、先ほどまでちぎれるほど喜んでいたあかねの姿は壁の中に引っ込んでしまっていた。
怪訝に思って壁の中へ呼び掛けようとすると、

「―――来た」

静かだが聞き落とすことの出来ないはっきりとした声はむろんネウロのもので、弥子は思わず振り返っていた。

「来たって、何が?」
「わからぬかウジムシ。この濃厚な香りが」
「それって……」

ネウロは満足げに頷き、優雅な動作で椅子から立ち上がる。
その鼻腔に、普通の人間ならばけして知覚できない極上の悪意の匂いを渦巻かせて。
どろりと深い緑色の目が輝き、唇の端が吊り上がる。

―――事件のはじまりを告げるのは、いつだって魔人の笑いからだった。

「“謎”だ」

事務所のドアが開く。

「あの」

現れたのは三十代のはじめごろと見える、背の高い男だ。
Tシャツにやや色あせたジーパン。背中には楽器のケースらしきものを背負っている。
ギターなら雰囲気にぴったりだったのだが、意外なことに、どうやらそれはバイオリンのようである。

にこにことうさん臭い笑みを浮かべているネウロと、洗面器を持って立ち尽くしている弥子を交互に見比べ、彼は一瞬不思議そうな顔をしたものの、すぐに平坦な口調で切り出した。

「依頼したいことがあるんですけど」
97探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2008/12/19(金) 22:41:04 ID:???O
トリをつけてみました
マジでお久し振りです。
携帯すらまともにいじれないほど忙しいのもあったけど、生来の遅筆も手伝って投下がこんなに遅くなってしまった…
続きを待っていてくれた方々に感謝。
98メロン名無しさん:2008/12/19(金) 22:55:29 ID:???O
おおw半ばあきらめかけてたが保守し続けててよかったぜ!
続きにも期待
99メロン名無しさん:2008/12/20(土) 00:38:36 ID:???O
キターーーーー(゚∀゚)ーーーーー!!!
乙です!
100メロン名無しさん:2008/12/21(日) 12:16:08 ID:???0
おおお!お久しぶり&乙です!
待ち続けて良かった!
101メロン名無しさん:2008/12/22(月) 00:57:26 ID:???0
待ってました!
102メロン名無しさん:2008/12/22(月) 20:59:19 ID:???O
乙!
このスレが面白いので今日ものすごく久しぶりにアニメコナンを見た。
あまりのクサさに赤面しちまったぜバーローwwwwww
103メロン名無しさん:2008/12/23(火) 11:18:12 ID:ua6sdqfr0
保守

新しい血族と黒づくめの組織どっちが強いんだろうな、、、、、、
104メロン名無しさん:2008/12/23(火) 16:21:34 ID:???0
なんという神スレ・・・!
これからはずっとここに張り付いていなければ。
男は氷室修治と名乗った。
バーなどでバイオリンやピアノを弾いて生活費を稼いでいるらしく、やってることはフリーターとそんなに変わりないですね、と笑っていた。
「それで……ご依頼したいこととは?」
態度も言葉も柔らかいが、ネウロの瞳はすでにはちきれんばかりの
期待でぎらついているのに弥子は気付いていた。
のんびりと出されたコーヒーをすすっていた修治は、ジーパンのポケットから
一枚の写真を取り出し、机の上に置く。
古めかしくも豪奢なエントランスを背景に撮影されたその写真には、五人の人物が写っていた。
修治がひとりひとりを指し示して説明してくれる。
「俺の家族です。
母、父……前に並んでるのが左から俺、弟、母親に抱かれてるのが末の弟」
ずいぶん歳の離れた兄弟がいるんだな、というのが弥子の最初の感想だった。
写真の修治はもう成人しているぐらいに見えるが、末の弟はまだ赤ん坊である。
「ご家族はこれだけですか?」
「この下にも妹がいますよ。腹違いの妹、ってやつなんですが俺は妹が生まれてすぐ家を出てこっちに来ましたから、ろくに顔も見たことなくて」
「腹違い……ということは、お母様とはご離婚なさった?」
「十四年前に死にました。殺されたんですよ」

あまりに平然と修治が言ったので、弥子は一瞬言葉の意味がわからず呆然となってしまった。
母親が死んだ。病死でも事故死でもなく、誰かの手に掛かって殺された。
なんの前触れもなしに大切な人が奪われる。
そばにいるのが当たり前だと思っていた人間が、けして手の届かぬ場所に行ってしまう。
弥子にも覚えがあった。
否応なしに頭の中で、もう何度目か分からないあの日の光景がフラッシュバックする。


きれい好きな父とお手伝いの女性のおかげでいつも整頓されていた仕事部屋は、血溜りと化し。
床に散乱したいくつもの工具はすべて父馴染みのもので、そのどれにも
父の血がべっとりとこびりつき、もう使えそうにない。
そしてその道具たちを使う人物も、部屋の中央で変わり果てた姿となっていて―――。
「そうですか、それはお気の毒に」
目尻を下げ、ネウロはもっともらしい表情をしてみせたが、心の中
では露ほどの憐憫も抱いてはいない。
弥子は写真の中で笑う修治たちを見つめて、口を閉ざしたままだった。
「氷室さん。ひょっとしてあなたの依頼というのは、お母様を殺した犯人捜しですか?」
「あ……いや、まぁそうといえばそうなんですけど。
うーん、なんて言えばいいのか」
今まではっきりとした受け答えをしていた修治が急に言葉を
濁したので、弥子は写真から顔をあげて修治を見た。
短い茶髪を指先でいじりながら、彼は困ったように視線をあらぬほうへ向ける。
「犯人自体はもうだいたいわかってるようなもんなんですよ。
ただ、決定的な証拠がなくて」
「あぁ、なるほど。
つまり先生にその証拠を見つけだしてほしいと」
「そういうことですね」
十四年前に起きた事件ならばあと一年で時効を迎えてしまう。
犯人の目星がついていながらも、証拠がないゆえに捕えることが
出来ず事件は永遠に闇の中―――遺族には苦痛以外の何者でもないに違いない。
肉親を奪われる悲しみや悔しさを弥子は身をもって知っている。
その悲しみを、犯人が逮捕されることで少しでも和らげて
あげられるのなら、自分はきっと頑張れるだろう。
「氷室さん」
「はい?」
「その犯人のこと、詳しく私たちに教えてください」
「わぁ先生、なんだかいつになくやる気ですね!拾い食いでもなさったんですか?」
「するかっ!」
「じゃあ生ゴミ漁り」
「いや変わんないから!」
「えっと。犯人はですね」
あくまでマイペースに話を進めようとする修治に、弥子は慌てて
ソファから身を乗り出し彼の言葉を待った。
一拍の間をおいて、
「犯人は、俺です」
「………えっ?」
最初は聞き間違えたのかと思った。
次に冗談を疑った。
きっと自分はからかわれたのだろうと。
修治の表情は今までのものと少しも変わった様子はなく、少し困ったような笑いも、人懐っこい大型犬を思わせる目も、さっきの言葉をたちの悪い冗談だと思わせる原因だった。
「あの氷室さん、冗談は」
「本当なんです」
穏やかな口調なのに、先ほどまでにはない強い響きがあった。
どう反応したらいいものか、ソファから腰を浮かせたまま弥子は必死に頭を巡らせる。
けれども修治はそんな思考の時間すらも与えてはくれない。
かまわず続ける。

「十四年前にお袋を殺したのは恐らく、いや間違いなく俺です。
探偵さんたちにはその決定的な証拠を探してもらいたい」

今度こそ、弥子の思考は停止した。
コナンが帰ってきてみると、事務所には見知らぬ女性がふたり訪れていた。
どちらも若く、一人は二十代前半、もう一人
のほうに至っては蘭と同じぐらいの年頃に見えた。
来客用のソファに腰かけて小五郎と何事かを話し込んでいるところを見るに依頼人のようだ。
コナンに気付くと二人とも軽く会釈をした。

「おかえり、コナン君」
「ただいま蘭姉ちゃん。ねぇ、あのお姉さんたち誰?」
「新しい依頼人さんよ。
お父さんったら久しぶりの依頼で、しかも美人の依頼人が二人も来てるものだから
もう舞い上がっちゃって舞い上がっちゃって」
背中をこちらに向けているので顔は見えないが、小五郎がどんな
表情をしているのかは手にとるようにわかる。
伸び切った鼻の下、にやけた口許に緩み切った頬。
若い娘にデレデレする中年の典型的にして模範的な表情だ。
「あの二人ね、なんでもすごいお金持ちのおうちでお手伝いさんをやってるんだって。
いわゆるメイドさんね」
「メイドさんかぁ。
蘭姉ちゃん、二人の名前とかは聞いた?」
「もちろん。
左に座ってるのが和辻美鈴さん。右にいるのが松田理緒さん」
和辻美鈴は蘭と同年代ぐらいのほうの女性だった。
ショートカットの黒髪に露出の少ないブラウスとロングスカートという格好で、今時の
少女には珍しく化粧もほとんどしていない。
全体的におとなしそうな雰囲気の女性だった。
事実、先ほどから小五郎と喋っているのは隣の松田理緒ばかりで、彼女は出された
コーヒーを飲んだり理緒の話に頷いていたりするだけで、ほとんど自分からは口を開かない。
その松田理緒はといえばこれがまた美鈴とは正反対の人物である。
セミロングの髪をすっきりとポニーテールに結い上げ、ミニスカートからはすらりとした足を惜しげもなく晒している。
はきはきとした喋り方をするが、けしてうるさいわけではなく、
会話の端々に良家に仕えるメイドとしての品位や知性が感じられた。
小五郎の隣に座ったコナンは、買ってきた本を読むふりをしながら上のような具合で二人の様子を観察し続けた。
もちろん、会話の内容に耳を傾けることも忘れない。
「……えぇ。ですから私たち、毛利さまのように著名な探偵さんならきっと何とかしてくださるだろうと思って……。
藁にもすがる想いで来たんです」
「いやぁ、松田さん!貴女たちの判断は全くもって正解でしたよ。
この毛利小五郎に解けない謎など世界の果てにもありません。
特にあなたがたのような美女の依頼とあらば、引き受けないわけにはいかんでしょう!
……あー、それでどちらでしたかな。貴女たちがお仕えしているのは」
「氷室。氷室武夫さまです」
「あぁ、そうでしたそうでした。氷室さん」
氷室武夫。
ここ十年で急成長をとげた製薬会社の社長で、設立者氷室慶一郎の一人息子だ。
何度かテレビや雑誌に出ているのを、コナンも見たことがある。

「旦那様は十四年前に奥様を亡くされて、それからはずっと四人のお子様がたと暮らしております。
依頼というのは、お嬢様……長女の伊織様のことです。
伊織お嬢様は今年で十四歳になられるのですが、お体が弱くてほとんどお屋敷から出られません」
「ははぁ。深窓の令嬢というやつですね」
「伊織お嬢様自体は無邪気で可愛らしい方です。
ですがその……時折ひどく取り乱されて……」

理緒はそこで急に口ごもってしまった。
小五郎が眉をひそめる。

「取り乱す、とは?」
「……突然、見境なしに暴れ出すのです。
“豹変”という言葉がしっくりくるくらい、それはもう別人のようになってしまって……手当たり次第に物を壊したり、物ならばまだしも、最近は止めようとする私たち使用人
にも危害を加えるようになってしまいました」
「精神病の類ですか……。
ですが松田さん、それならそちらの専門家に」
理緒は力なく首を振った。
「もちろんご相談して、診に来ていただきました。
ですがお医者様はどこにも異常は見当たらないと言うんです。
……そうこうしていたら、三度目の診察の際に伊織お嬢様が暴れ出して、お医者様が大怪我をなさってしまい……。
それ以来そのお医者様は診療には来てくださいません。
もっと大きな病院で詳しく診てもらうことも考えましたが、今氷室家は事業拡大の真っ最中。
なるべくならば余計な噂が立つことは避けたいのです。
……ひどい話だと思われるかもしれませんが、氷室家に仕える使用人として最善の判断だと私は思っています」
それに、と理緒は少しだけ声のトーンを低くし、

「伊織お嬢様には暴れている時の記憶がございません。
伊織お嬢様は繊細なお方……ご自分が何をしていたかを知ってしまったら、きっと深く傷ついてしまうでしょう」

言って逸らした目には、悲しげな色が滲んでいる。
彼女自身、家を思うがゆえに自分が下した判断と、仕える主の身を
案じる忠誠心とのあいだで苦悩しているように見えた。
冷徹さも忠誠心も使用人にはなくてはならないもの。だからこそ、彼女はジレンマに陥ってしまう。
心底から真面目な人物なのだろう。

「……お嬢様には」
と、ここしばらく無言を守っていた美鈴がおもむろに口を開く。
ロングスカートの上で握り締めた両手が微かにわなないていた。
震える声で、続ける。
「お嬢様には、きっと悪魔が取り憑いていらっしゃるんです……。
残忍で恐ろしい、地獄の悪魔が……!」
「あ、悪魔ですか。
それなら坊さんとか霊媒師とか、やっぱりそちらの専門家に」
「やめなさい美鈴!
悪魔なんているわけないでしょう!」

現実離れした話にさすがに気圧された様子の小五郎を見て、理緒が美鈴を一喝した。
美鈴はびくんと身を竦ませ、それから我に帰ったのか「ごめんなさい……」と蚊の鳴くような声で詫びた。
軽く息をついた理緒は、落ち着かせるように美鈴の狭い肩に手を置く。

「申し訳ありません、毛利様。
この子、お嬢様の“発作”を何度も間近で見ているものですから」
「い、いやいや。気にしないでください」

それから小五郎は蘭を呼び付けて、美鈴にコーヒーのおかわりを持ってくるように言いつけた。

「……伊織お嬢様があんなふうになってしまったのには、何か大きな理由があると私は考えています。
毛利様にはそれを解明していただきたいのです」
「……私からもどうかお願いします。
お医者様にはもう頼れません。毛利様だけが頼みです」

二人に真摯に頭を下げられてしまい、先ほど大口を叩いてしまった小五郎が断れるはずもなかった。

「まかせなさい。
この毛利小五郎、必ずやお嬢さんに隠された秘密を解き明かし、氷室家に平和な日々をもたらしてみせます!」右手に拳など作って意気込んでいる小五郎を横目に、コナンは
氷室伊織について考えを巡らせていた。
「(氷室伊織、か……)」

話を聞くに、小五郎の言ったとおり二重人格やそれに準ずる
精神分裂病の類であるのはまず間違いないだろう。
発症中の記憶がない、というのもよく見られる症状だ。

見た者が『悪魔が取り憑いているのでは』と考えてしまうほどの変貌とは、果たして如何ほどのものなのだろう。
何より、彼女をそうさせた原因は何なのか。
今までにはなかったタイプの依頼である。
だがコナンは、この一風変わった依頼になにかぼんやりとした“事件”の影を感じていた。
美鈴が口にした“悪魔”という言葉。
それが妙に、心のどこかで引っ掛かっている。
まさか本気で悪魔が云々とは考えていないが、先刻の美鈴の様子を見ているとどうにも
胸がざわつくのだった。
112探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2008/12/24(水) 23:32:33 ID:???O
不定期に忙しくなるのでもう投下できる時に投下することにした。
小出しごめんアーンド改行とか読みづらかったらごめん

あと忘れてた、みんなメリークリスマス。
113メロン名無しさん:2008/12/24(水) 23:45:17 ID:???0
>>112
リアルタイムで乙です!
両パート共にいい展開で先が気になるw

114メロン名無しさん:2008/12/25(木) 08:31:27 ID:???O
クオリティ高すぎ乙です。

そっちのほうが嬉しいw>小出し
115メロン名無しさん:2008/12/27(土) 08:54:25 ID:???O
続き楽しみほしゅ
116メロン名無しさん:2008/12/28(日) 12:38:13 ID:zyvHQKXO0
             / ̄ ̄^ヽ 
             l      l        ____
       _   ,--、l       ノ .     /_ノ  ヽ、_\
   ,--、_ノ:: `ー'::   、ミー---‐,,l     o゚((●)) ((●))゚o    打ち切りプギャアアアアアアアアアアアアアア
  ,/   :::         i ̄ ̄  | .  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   
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l   l .   l     !::    |:::   l   |     | |  |     |    ノ ~.レ-r┐、
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|   l .   }    l:::::,r-----   l.  \      `ー'´     ./ 〈 ̄   `-Lλ_レレ
ヽ  :l::::   ト:;;;;;;;;;/-/__...........  /                   ̄`ー‐---‐‐´
 
                                      / ̄ ̄^ヽ
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                         /_ノ  ヽ、_\     丶      l ,--、  _
打ち切りプギャアアアアアアアアアアアアアア   o゚((●)) ((●))゚o     l,,‐---ー彡,  ::`ー'  ::ゝ_,--、
                      /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    |   ̄ ̄i        :::   ヽ,
               (⌒)     |     |r┬-|     |    ll    :::l   :::l         ^ヽ
           ,┌、-、!.~〈     |     | |  |     |    l    :::|   ::!   l    l   l
            | | | |  __ヽ、   |     | |  |     |   l     ::l  :::|    l   :l   |
           レレ'、ノ‐´   ̄〉. \      `ー'     /   l  -----、_::::::l    }   l   |
            `ー---‐一' ̄                   ヽ  ...........__ノヽ;;;;;;;ノ  ::::l  /

117メロン名無しさん:2008/12/30(火) 09:41:27 ID:???0
続き待ち保守。
118メロン名無しさん:2008/12/30(火) 21:58:43 ID:???0
【週刊少年サンデー歴代打ち切り漫画一覧】

売ったれダイキチ 主人公が商人で猫に商売を教わりながら店を盛り上げるという斬新かつ無理がある漫画。
ロボットボーイズ 映画ロボコンに便乗して売ろうとしたが売れるわけがなかった漫画
楽ガキFighter らくがきが味方となって戦うバトル漫画。すごいスピードで打ち切られそのスピードだけが印象的な漫画
怪奇千万!十五郎 ミステリーハンター十五郎が怪奇現象を解き明かす。と見せかけて何も解明しない漫画
暗号名はBF 子供が大人スパイに変身するショタうけを狙った漫画。のちにクナイ伝とよく間違われる
DANDOHネクストジェネレーション ダンドーの続編。固定ファンが釣れると思ったがそうでもなかった
クロザクロ ARMSと寄生獣を足してうすめたような漫画。一部のファンが喜んだが所詮一部だった
東遊記 怪力の少年が東に向かう漫画。のちに編集者Kが夜な夜なFAXを送りつけて嫌々書かせていたことが発覚
聖結晶アルバトロス ゴミみたいな女を守りながら戦うバトル漫画。のちに作者は壮大な構想を描いていたと語る
地底少年チャッピー うちゅう人田中太郎をつまらなくして絵を不快にした漫画。笑う所がないので当然切られた
ハルノクニ 猫と小泉が出てるなんちゃって風刺漫画。風呂敷を広げっぱなしで何も回収せずに終わった
妖逆門 キャラ原案藤田和日郎。アニメ同時スタート。サンデー史上でも類を見ない盛大なこけ方をした漫画。
武心 柔道やってたら病弱な少年がいつの間にか完治してハッピーだった漫画。作者はこの後YSに異動した。
RANGEMAN 作者がどんな女性が好きかを披露してるうちにストーリーでもギャグでもなんでもない漫画になった
うえきの法則+ うえきの法則の続編。アニメの番宣的に始まったが作者が病弱か欝とかいう噂で消えた
DIVE まさかの飛び込み漫画。主人公が寝取られてからNTR漫画としてだけ読者の記憶に残る
メテオド ナルトが隕石がぶつかった地球にいたら?というもしもシリーズ
マリンハンター ワンピースの某編をぱくって萌えキャラつけ加えたら売れちゃうカイ?売れなかった
MARΩ 作者を変えてのMARの続編。くしくも、あれ?安西ってやっぱすごいんじゃね?と証明してしまった
クナイ伝 今時珍しい忍者漫画。忍者漫画だけに存在がステルス化。知らぬ間に雲隠れした。
LOST+BRAIN 某死のノートの漫画を豪快にぱくった笑撃の迷作。この頃からサンデー(笑)と2chで言われ始める。カッア。
イフリート断罪の炎人 熱い男と寒い女が欝病っぽく復讐バトルする漫画。終盤は作画崩壊した。
呪法解禁ハイド&クローサー マンキンにジョジョを足してリボーン風にしたガッシュ。だがどのファンも釣れなかった
ハイクロ マンキンにジョジョを足して子供向けにして小さいシルバーチャリオッツが出てる漫画←New!!
ゴールデンエイジ サッカー漫画。それ以上でもそれ以下でもない。ただのサッカー漫画←New!!
119メロン名無しさん:2008/12/30(火) 22:09:15 ID:???0
【ジャンプ歴代打ち切り漫画一覧】

大好王  DQNな女に振り回される哀れな男達のハンドボール漫画。だった気がする。
サバイビー  ミツバチとスズメバチの戦争を描いた漫画。普通にお奨めできる。
無頼男  アナコンダと戦ったり、硫酸の上で格闘したりするバンド漫画。最終的に宇宙へ。
ノルマン  何かつまらないけど結構続いてた漫画描きを題材にした漫画。
黒猫  絵柄が綺麗だった空気バトル漫画。それなりに読めるけど面白いかは保障しない。
ガンブレ  俺たちの戦いはこれからだ!パターンで終わった西部漫画。
グラン・バガン  西洋に行ったサムライの漫画。エリザベス女王がロリだったことしか覚えてない。
ソワカ  パソコンを使用したのか絵柄が妙に記憶に残る戦国漫画。
ロケット  なんかよく解んないうちに突き抜けたF1漫画。コマの途中に入るLIVElikeRocket!が空気を読めてなかった。
A.O.N  ビルの屋上でプロレスした漫画。なんだろう。なんだったんだろう。
グラナダ  一話目の完成度だけがすごく高かった科学漫画?主人公が倫理観皆無なのがとても不快だった漫画。
TATTOO HEARTS  「粋じゃねぇにも程がある」のセリフだけが印象に残る能力バトル漫画。
UltraRed  結構残酷な描写が多い格闘漫画。早々に打ち切られて勿体無かった。
NUMBER10  タイトル通り全10話で終わったキユ先生の漫画。たしかサッカーが題材。
ソドブレ 魔城ガッデムでデストローイなファンタジー漫画。最終回は至高。
★SANTA!★  腹から剣を取り出して戦う世界征服漫画。ネズミが勇気を出すシーンしか覚えていない。
闇神コウ  人間の画が下手で水着の画を見てもいや私服でいいよと思ってしまうサービスが裏目に出てる霊退治の漫画。
キックスメガミックス  テコンドー漫画。全員表情がワンパターンな漫画。
神奈川磯南風天組  主人公の二人が悪さする漫画。本当にただ悪さをする。そして終わった。
戦国乱破伝サソリ  主人公に尻尾が生えてる戦国策略漫画。女の隠密が可愛かった。
サラブレッドと呼ばないで  中学生が柔道をする漫画。お母さんと幼馴染が可愛かった。
神撫手  画を泥棒して母を捜す漫画。よくわからなかった。
120メロン名無しさん:2008/12/30(火) 22:11:37 ID:???0
ライブ  悪魔が人間になっちゃう漫画。普通に人に薦めることができる良い漫画。
少年守護神  ボディガード漫画?なんかすべてにおいてがっかりする漫画。
ぷーやん  電波漫画。ひたすら最後までシュールな卓球漫画。
ユート  スケート漫画。最初から回想を何話も続けすぎだった漫画。お父さんがニヒリズムに溢れすぎだった。
切法師  鬼退治の漫画。村を一つ救って終わった。
カイン  一話目で主人公が腹から手が出て攻撃するのが衝撃的だった漫画。…あァ そうだな
みえるひと  霊退治漫画。ただ霊を退治している。
ポルタ  ムヒョとロージーが盗みをする漫画。最後まで魔法律を使わなかった。
タカヤ  学園バトル漫画のはずがいきなりファンタジーになってた問題作。
ツギハギ漂流作家  ツギハギ漫画。ルフィが傘を武器に冒険する。ハンタの王とも戦った。
OVERTIME  野球漫画。ショートケーキ。ポエム。以上。
斬  刀を使ったバトル漫画。一話の研無刀の説明が長かった。それだけ。
HAND’S  ハンドボール漫画?いいえ、ヤクザです。
ラルΩグラド  デスノートの作者が描いてたことだけが売りの漫画。
M&Y  「うな」「ジャスティス!」が口癖のバトル漫画。ヒロインを毎回コスプレさせたのに突き抜けた。
重機人間ユンボル  切れのいいフォークボールのように一瞬で打ち切られた漫画。
瞳のカトブレパス  主人公が見たものを止めるスタンドを持っているバトル漫画。
ベルモンド  ひたすら拷問する漫画。外に出たら打ち切りになった。
KOSEN  タイトルが覚えにくいキックボクシングの漫画。打ち切られてもノーダメージ!
MUDDY  泥を食べる子供が主人公の漫画。立つ鳥跡を濁さず空気だった。
どがしかでん!  I’m?A?Faker以来7年ぶりのバスケ漫画。入部試験して終わり。
ダブルアーツ  男女がダンスで敵と闘う漫画。初回は絶賛されたのに急転直下で嫌われた異端児。(ю:】
チャゲチャ  初回で読者をリリースしたシュールな絵本。8週打ち切りの快挙を成し遂げた。
アスクレピオス ヨーロッパを舞台にした医療漫画。一話でヒロインの内臓が見れた。
黒子のバスケ 主人公が周囲に気づかれない能力を持っているバスケ漫画。作品自体も同じ能力を持っていた。←New!!
121メロン名無しさん:2009/01/01(木) 19:30:06 ID:???O
あけおめほしゅ
保守ってどんくらいの間隔ですればいいんだ
122メロン名無しさん:2009/01/01(木) 20:50:11 ID:???O
見た感じ滅多な事じゃ落ちないみたいだけど
念のためまめに雑談で埋めちゃおうかな
123メロン名無しさん:2009/01/04(日) 08:49:21 ID:???0
保守。
124メロン名無しさん:2009/01/04(日) 12:20:55 ID:???O
コナンとネウロのやりとりに期待
125メロン名無しさん:2009/01/04(日) 15:11:23 ID:???O
神の帰還待ちにSSを投下してみる。
ネウロに怯える灰原が読みたかったので自家発電してみた。

〇以下注意
ネウロ・弥子・灰原しかでない。
《少年探偵団とネウロ弥子が現場で遭遇。事件はネウロがさくっと解き、二人はさっさと現場から去った。
すると何故かあとから灰原が追い掛けてきて、それを見たネウロさんに興味と若干のSスイッチが入っちゃったよ》
という設定を脳内で補完してくれ。

前半は灰原視点。
後半は弥子視点。

7レス消費予定。
126メロン名無しさん:2009/01/04(日) 15:15:58 ID:???O
あ、ちょっとミスがあった。あとで投下するスマン。
127ss(ネウロ弥子灰原):2009/01/04(日) 17:44:29 ID:???0
追い掛けて声をかけるところまでは出来た。でも男が振り向いた瞬間、からだが動かなくなった。

「貴様の脳はどうやら」
男は満足気に目を細めた。哀の頭に乗せた手に少し力を込める。
「高い知性と理性を内包し、なおかつ人間には薄れがちである生存本能を有しているようだな」
――自身より圧倒的に強者である者をかぎ分け、それを畏怖し
恭順などの愚かな行為はとらずそれとの接触を絶対回避しようとする、本能。
しかし――と男は言葉を続ける。
「やはり人間はわからんな。なぜだ?どうして本能の警告を無視し我が輩のもとへきた」
哀の返答に何かを期待しているのか、それともただの戯れなのか。男は愉しげにくちびるを歪めた。
頭がくらくらする。答えろ、と短い命令。息が。息が出来ない。言わなきゃ。
ああ怖い怖い怖い怖い。

「ネウロ!」

強い制止の声。
「む。」
頭を掴む男の手の力が緩んだ。しかし代わりに不快の念が漂い、一層恐怖に身がすくんだ。
「なんだ豆腐。我が輩の邪魔をする気か、奴隷の分際で」
奴隷。
「いいから。とりあえず手、離してあげてよ」
ふん。と男は鼻をならして頭から手を外した。瞬間、どっと汗が吹き出た。
荒い呼吸が戻る。 思い出したように機能し始めた身体。しかし脳の奥はまだせき立てるような警報を鳴らし続けている。

女子高生探偵、桂木弥子がそっと哀に近付き膝を折って哀の頭を柔らかく撫でた。そのまま優しく抱きしめられる。
128ss(ネウロ弥子灰原):2009/01/04(日) 17:45:49 ID:???0
「ネウロはちょっと離れてて」
「ヤコ。我が輩の尋問の最中だ」
「だから、対人間相手の交渉は私の役割なんでしょ。あんたがいたら聞けるものも聞けない」
男は
「ふむ」
と 納得したようにうなずいて3メートルほど距離をとった。
離れる直前「みぎゃ!」と桂木弥子が悲鳴を上げた。 抱きしめられた身体ごしの振動から恐らく背中を男に蹴られたのだろう。
極度の緊張の下での突然の刺激に哀の肩がビクリと反応した。
「あっごめんね」
桂木弥子が慌てて哀の背中をぽんぽんと叩いた。
そのまま抱きしめた身体を少し離して互いの顔を見えるようにする。薄茶色の瞳。
「大丈夫?」
軽く頷く。
「あいつ、もうちょっと離れてもらう?」
小声で問われて首を横にふる。至近距離にいればそれこそ恐怖だが、あと数メートル離れたところでたいした違いはない。

「何か言いたいことがあって追ってきてくれたの?」
優しい態度。彼女を信用していいのか。試すように尋ねてみる。

「あなた」
逡巡。
「奴隷なの?」
桂木弥子は一瞬目を丸くして
「違う違う!あいつが勝手に言ってるだけ!!もう本当に!全人権だってまだ明け渡してないし!」
全力で否定した。そしてポツリと「協力者っていうか…相棒、みたいなもの、のつもり」ともらした。
語尾は消え入りそうに小さかったが、哀の耳にはちゃんと届いた。
「………」
「………」
129ss(ネウロ弥子灰原):2009/01/04(日) 17:46:57 ID:???0
「そんなことより!」と桂木弥子は強引に話を戻す。
「何か言いたいことあるんでしょ?私に答えられる質問なら答えるし。遠慮しないでいいんだよ」

言ってもいいだろうか。彼女に。
いや自分は言うべきだ。そうわかってるから追ってきたのだ。
なんのために?
守るために。危ういバランスでなりたつ愛しい日常を。

桂木弥子の瞳を見つめればゆっくり頷かれた。
待ってくれている。
静かに目を閉じて思い出す。脳裏に浮かぶのは、ギラギラ燃える深緑の双眸。
再び競り上がってきた恐怖を押し殺しゆっくりと口を開く。
「くど…江戸川君に何もしないで」
意味がわからないのか桂木弥子は首を捻る。
「出来れば私にも、何もしないで。今の日常を壊さないで」
お願い。
縋るような言葉だった。
桂木弥子のくちびるが声を出さずに「日常」と呟いた。どうやら哀の言葉を真摯に受け止めてくれたようだ。
しかし桂木弥子の瞳は説明を求めている。
言わなきゃ。
「その…」
なんと呼ぶべきか。視線を男に向ける。3メートルの距離を守ったままこちらに背を向けている。青い背中。
「あの助手の彼の…」
助手などではないことはもはや明白である。
「ネウロの…?」
「目が、」


130ss(ネウロ弥子灰原):2009/01/04(日) 17:47:56 ID:???0


「目が、」
と少女が声を絞り出して、弥子はやっと合点がいった。
捜査の最中にネウロが言っていた。この謎は小粒だが思わぬ収穫があった、と。聞けば、
現場にいた子供たちの中に大きな謎の気配がするものがいたらしい。確かこの少女と眼鏡の少年だった。
気配がすると言う割にいっこうに行動しないので理由を尋ねると
謎の気配は大きいが不安定で恐らく謎はまだまだ熟すはずだという話だった。
あの者たちというよりもっと背後に謎の核があるのやもしれん、そう言いながら魔人は嬉しそうに溢れ出るよだれをぬぐったのだ。
…吾代さんの会社に調べさせるとか言ってたっけ。

弥子は、言葉が続かずに吐息を震わせる少女を見た。
先程のネウロの言葉を信じるなら、この少女ははじめから本能的にネウロに恐怖していたのだろう。
あの助手面での振る舞いをみながら、生存本能が男が危険であることを告げてくる。
そんな得体の知れない恐怖の中、気付いたのだ。
あのドS腹ペコ魔人が、食欲をたぎらせたあの目で自分と友人を見ていることに。

そら怖いよ。

弥子は苦笑混じりの溜息をついて、大人しく待っている魔人を見つめた。
131ss(ネウロ弥子灰原):2009/01/04(日) 17:48:54 ID:???0
「言いたいことはわかったよ」
と少女に言う。
「でも心配しないで。うまく言えないけど、ネウロは無意味に人を殺したりする奴じゃないの」
傷つけない、とは言えない。日頃のDV的に。
「……」
まだ少女の瞳には不安の影が揺れている。
どこまで言っていいだろう。彼女は幼い。しかし何故だかそれにそぐわぬほどの強さを感じる。
弥子はごくりと唾を飲んだ。
「多分あなたたちの身に何かが降りかかることは間違いないんだと、思う。危険なことかもしれない」
弥子は少女の目を真っ直ぐに見つめた。不思議にもその言葉で少女の目が定まったように思えた。

「でもそれを引き起こすのは私たちじゃない」

「ヤコ」
待つのに痺れをきらしてかそれ以上言うなという牽制かネウロが弥子を呼んだ。
ネウロが帰る気になったらこの少女との会話はそれまでだ。弥子は自然と早口になる。

「だからっ…」
「わかったわ」
慌てた弥子の言葉は少女の驚くほど冷静な声に遮られた。

「え?」
「わかった、って言ったの。探偵さん」
あなたを信用する。
少女に手を差し出されて、弥子はほとんど条件反射でその手を握った。少女の手に力が込められてはじめて、これが握手だと認識する。

「私の名前は灰原哀」
「えっあっ桂木弥子です」

そっと手が離れてその手を少女―哀はぎゅっと握った。
「あの彼と、話をしてもいいかしら」
哀の身体は少し震えていた。しかし他人の決意を曲げる権利など弥子にはない。哀に頷いてみせ
「ネウロ」
と呼ぶ。
132ss(ネウロ弥子灰原):2009/01/04(日) 17:49:45 ID:???0
「お呼びですか。先生!」
ネウロは今更たちの悪い冗談のように助手の言葉を吐きながら、しかし魔人の顔で悠然とこちらに歩いてきた。
哀の身体が強張る。
「なんでしょうか」
「話、したいって」
「ほう」
ネウロがゆっくりと哀に向き直る。
そして王のように絶対的な権力者のように
「なんだ」
と問うた。
俯く顔をなんとかあげ哀がネウロと視線を合わせた。
強い瞳。屈しない輝きは弥子のそれに近かった。
「あなたが何者かは知らない」
「あなたが今すぐ私たちに害をなす存在じゃないというのは探偵さんの言葉を信じるわ」
「あなたが言う通り私はあなたが怖い」

それでも

「あなたが私の日常を壊そうとするなら、私はあなたを許さない。私の全てをかけてでも、あなたに抵抗する。私は私の日常を守るわ」

ネウロがにんまりと笑った。
「…ほう。それは忠告か」
「いいえ警告よ」
尊大な魔人はひどく愉し気だ。
「ククッいいだろう。我が輩が貴様の謎を喰うまで覚えておいてやる」
謎を喰う、という言葉に哀は一瞬眉を寄せたが深く追及する気はないらしく
「そうして頂戴」
と言った。
そして弥子にむかって、もう行くわ、と告げると一度だけ魔人をちらと見て、そのまま走り去った。

133ss(ネウロ弥子灰原):2009/01/04(日) 17:50:49 ID:???0
弥子は、なんだか呆気に取られてしまった。

「帰るぞウジムシ」
ネウロの声で我にかえる。いつものように頭を掴まれて歩き出す。
「ねえネウロ」
「なんだ」
「なんか、不思議な子だったね」
フンとネウロは鼻をならす。
「あの娘からすれば、貴様のほうがよっぽど不思議だろう。生物として愚鈍な、本能を忘れた豆腐め」
何よそれ、と弥子は口をとがらす。
「ねえネウロ」
「なんだ」
「なんか機嫌いいね」
ネウロはにやりとした。
「あの娘は、最初我が輩と対峙したときは怯えて呼吸もままならなかったのだ。それが面と向かって警告を発するまでになった。これは進化だ」
「あ…確かに」
「何をほうけた顔をしている。そしてその進化を促したのは、」

ヤコ、貴様だ。
そう言って魔人は子供のように笑った。

「だから貴様も早く進化しろ」

うん。するよ。頑張るから。
心の中でだけ返事をして、弥子は哀の言葉を思い出していた。

――私は私の日常を守るわ。

父が殺されて壊れた日常。
魔人が現れて始まった異常な日常。

いつか自分もまた進化した先で、きっとあの少女に会いに行くのだろう。
魔人が謎を喰うために。
そのときあの子の日常は壊れないだろうか。自分に少しでもそれを守ってやれるだけの力はあるだろうか。

わからないけれど。

「私は私の日常を守るわ」

誰に向けるでもない警告を、そっと呟いてみた。
134ss(ネウロ弥子灰原):2009/01/04(日) 18:00:30 ID:???0
おわり。
探し屋S ◆hL8yvMjNJs氏(神)がかえるまでの暇つぶしになれば嬉しい。
保守ばかり続くので、みんなのコラボ妄想もおしえてくれw
135メロン名無しさん:2009/01/04(日) 21:05:02 ID:???O
おおおGJ!!
強い人間達が大好きだ!
136コナンパート【悪魔の子】 探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/01/05(月) 00:11:47 ID:IT606AatO
その後、話は小五郎に一度氷室邸に来てもらうという方向で進んでいった。
実際に伊織お嬢様や氷室家の様子を見たほうが毛利さまも推理しやすいでしょうから、というのが理緒の弁である。

「伊織お嬢様のご病気は旦那様もたいそう気に病んでおります。
毛利さま、どうか伊織お嬢様を……いえ、氷室家を救ってください」
熱っぽく訴えかける理緒に、すっかり気をよくした小五郎は二つ返事で氷室邸への訪問を了承したのだった。


「では一週間後、お迎えにあがります」
折り目正しく一礼し、理緒と美鈴は連れ立って事務所を後にした。
二人が事務所の階段を下り切ったのを確認してから、小五郎はコナンと蘭のほうへ振り返って、
「……まぁそういうわけだ。
蘭、コナン、一週間後ならもう夏休み始まってるだろ。準備しとけよ」
「わかったわ。コナン君、一緒に荷物の準備しちゃおっか」
「うんっ」

氷室邸は都内から離れた離島にあるという。
島と言っても連絡船が週に一度来る程度の小さな島で、とてもじゃないがバカンス気分を
楽しめそうな雰囲気ではないようだ。
もっとも、屋敷までの道は早朝迎えに来る理緒の車で港まで行き、
そこからは氷室家所有の小型クルーザーに乗っての快適な旅だ。
よって旅費も全くかからないので、島での娯楽の少なさに文句などつけられるはずもない。

「(……って、遊びに行くわけじゃねぇんだぞ)」

ボストンバッグに着替えを詰め込みながら、コナンはふと頭をよぎったのんきすぎる考えを振り払った。
最近事件が少ないせいかどうにも頭が平和ボケを起こしているらしい。
普通の小学生ならいざ知らず、今の自分は外見こそ子供でも、中身は立派な高校生探偵なのだ。

「(まぁ、平和ボケも多少は仕方ねーのかもな……。
最近おっちゃんのとこに依頼が来ることじたい少なかったし)」
そういうことを考えていると、やはりコナンの思考はいつもと同じ場所にたどり着く。
すなわち、桂木弥子に。
彼女は今何をしているのだろう。
華麗に事件を解決しているのか、それとも新たな謎に直面し、推理を一から組立て直しているのか。
どちらにしろ平和ボケなどという探偵としてあるまじき状態ではないはずだ―――。

珍しく、コナンの顔には自嘲ぎみの表情が浮かんでいた。
弥子は馬鹿みたいに口を開けたまま固まっていた。
それもこれも、目の前で悠長にコーヒーを飲んでいる依頼人の爆弾発言のおかげである。
母親を殺した犯人の確たる証拠を掴んでほしい。
そこまではいい。
だがその犯人とやらが依頼人自身とは、いったいぜんたいどういうことなのだ。

「そうですか。あなたが犯人なのですね、氷室さん」
「そうみたいです。
っていうかそうなんです」
「そうなんですかぁ」脳内がパンク寸前の弥子をよそに、ネウロと修治は茶飲み話のノリで会話を続けていた。

「ですが解せませんねぇ。
そうなら早く自首してしまえばよろしいのでは?」
「言ったじゃないですか、決定的な証拠がないって。
困ったことにお袋の死は悲しい事故ってことで一回片がついちゃってるんです。
俺もよくその時のことは覚えてないし、家族や使用人全員が口を揃えて『あれは事故だ』って言って譲りませんから」

含みのある言い方だった。
ネウロは長い足を優雅に組み直し、似合わない苦笑などしてみせる。
「警察は一度解決した事件には腰が重いものですからね。
本来は殺人だったものを事故として片付けてしまったのなら尚更です。
だからあなたがお母様を殺した真犯人だということを証明する、決定的証拠を見つけ出せばよいと」
「はい。俺が逮捕されれば全部終わりに」
「ちょ……ちょっと待ってください氷室さんっ!」
ようやく思考力が回復した弥子は、すかさず修治の言葉を遮るようにして会話に割って入った。

「そんないきなり……。
お母さんを殺したのが自分で、しかもその証拠を探して欲しいだなんて……!」
「すいません探偵さん。
でも全部本当のことで、冗談なんかじゃないんです」
「事故じゃない、って言い切れるんですか?
もし……もし本当に氷室さんがお母さんを殺してしまったなら、その瞬間のこと、はっきり覚えてますか?」
覚えているのか、というフレーズに修治は答えるのを少しためらうような仕草を見せた。
ややあって小さく首を振る。
弥子はわずかに安堵して、

「だったら―――」
「まぁ仕方ないんです」
今度は弥子が言葉を遮られる番だった。

「俺、人殺しなんて初体験だったから頭がパニックになっちゃって。
だから殺した瞬間は覚えてないんですよ。
ほんと申し訳ないんですが」
「いや氷室さんそうじゃなくてですね!」
「でも状況は、俺しか犯人はいないってことを告げている。
それに……俺ひとつだけ覚えてるんですよ。
空を見ているお袋の背中に伸びて行く、俺の左腕。
あの腕は間違いなく、お袋を突き落とそうとして伸ばした腕だ――」
自らの罪の告白の時ですら微笑を絶やさない修治は、もはや異様な雰囲気を纏いはじめている。
しかし弥子は同時にあることに気がついていた。
彼が笑っているのは口許だけなのだ。
目はまったく笑っていない。
よく見れば、黒い瞳はどんな光も通さぬほどに濁り切って虚ろだった。
そこにたたえられているのは静かな絶望の片鱗だ。
あふれんばかりの絶望を押し込めて、それでもふとした瞬間に漏れ出すほどに大きな感情のひとかけら。

―――この人は壊れている。本能的に、そう感じた。

「氷室さん、私やっぱりそんな依頼は受けられま―――」
「お任せくださいっ!」
依頼を断ろうとする弥子を、ネウロの肘鉄が全力で阻止した。
見事弥子の頬にクリーンヒットしたネウロの肘は、しばらく彼女を喋れない状態にするには十分すぎる威力であった。

「ご安心ください氷室さん。
先生は事件解決のためには罪もない子供を人質にとることさえ辞さない冷血なお方。
今は照れ隠しでこんなことをおっしゃっていますが、ご覧ください、謎を前にした先生のこの瞳の輝きはごまかしようもありません!」

誰がどう見ても悶絶して白目を剥いているようにしか見えないのだが、修治は「心強いですね」と頷いた。

「先生にかかればあなたの監獄行きは約束されたも同然。
心配する必要など何一つありません」
「安心しましたよ。やっぱりここに依頼して正解だったみたいです」
「そうですとも、そうですとも」
繰り広げられるずれまくった会話を弥子は朦朧とする意識の中で聞いていた。
自分は人殺しだと自分から言い出した修治に、迷いやためらいなどは一切見当たらなかった。
殺人を犯した瞬間の記憶があやふやであるにも関わらず、彼は自分がやったのだと断言してみせる。
まるで、母親を殺してしまうことが、ずっと前から決まっていた予定のひとつだったとでも言うように。
氷室修治という人間が殺人を犯して当然の人間だと暗に弥子たちに示すかのように―――。


「あ、こんな時間か……。すいません、俺この後仕事があるんで。
ほんとは昔のこととかもうちょっと話したかったんですけど」

気がつけば窓の外は夕暮れの茜色から宵の縹(はなだ)色に染まりつつあった。
修治が働いているような店はそろそろ開店の時間だろう。

「いえ。また後日ゆっくりと」
「……そうだ。探偵さんたちさえよかったら、一度俺の家に来てくれませんか。
あ、家って言っても実家のほうですけど。
現場とか、やっぱり生で見た方がいいですよね」

修治はあたかもたった今思い付いたかのように提案してみせたが、
前々から用意されていたせりふであることはよどみない口調から簡単に予測できる。
もちろんあえてそのことには触れず、ネウロはただにこやかに、
「それは願ってもないご提案です!
もしお誘いいただかなくても、図々しい先生のことですから押しかけてしまったでしょうけど。
ね、先生?」
「……うん」

珍しく素直な弥子に、ネウロは本当に一瞬だけおやっと思った。
弥子の横顔は何事かを思い詰めた表情で、時折修治のほうをちらちらと見やっては、
哀しんでいるような訝しんでいるような、不可解な顔をする。
ネウロにはその原因がよくわからない。
わからない、というのは彼にとって空腹と同じくらい不愉快な感情だ。
奴隷のくせに我輩を苛々させるとは生意気な奴め、と胸中で毒づいた。

「じゃあお待ちしてます。
っつても、俺も十四年前にこっちに来たきりで一度も帰ってないから、招待できるような身分でもないんですけどね。
ろくに見たことない妹の顔も見てみたいし、ちょうどいいや」
「どちらのほうにお住まいで?」
「一応都内だけど、都内じゃない……ま、離島ってやつですね。
はっきりいって娯楽とかないに等しいから、なんか持って来るのをおすすめします。
トランプとか人生ゲームとかプレステとか」
言って、修治はすっかり冷めたコーヒーの残りを喉に流し込んだ。
バイオリンケースを掴んで立ち上がる。

「島にはフェリーでしか行けませんから、一週間後にフェリー乗り場のほうで落ち合いましょう。
場所と時間は追って俺から連絡します」
「わかりました。ではそのように」
「必ず、俺を逮捕してくださいね。
そうじゃないと俺、救われませんから」
悪い冗談にしか聞こえない言葉だが、彼が本気でそう望んでいるのはもう疑いようもない事実だった。
事務所のドアを開けようとして、修治はふとこちらを振り返る。

「コーヒー、うまかったです。よかったらあとでどこのメーカーか教えてください」

最後まで掴み所のない発言をして、飄々と事務所を出て行くのだった。


ドアが閉まった次の瞬間、弥子はがっちりと頭を鷲掴みにされた。
「ヤコ、先ほど何を考えていた。
ミジンコの分際で我輩に理解できない表情をするなど無礼にもほどがある」
「……氷室さん。
あの人、何か大切なものが抜け落ちちゃってるみたいな感じがして」
「貴様は脳味噌が抜け落ちているようだな」
「はいはい……。
私が言いたいのは感情の問題だよ。
氷室さん、ずっと笑ってた。
でも笑ってない。笑ってたけど、笑ってなかった。
むしろ絶望して、哀しんでるみたいに見えたの。
……自分の力じゃ、どうにもならないことを」
笑顔の奥底に隠れた絶望の色。
あれが修治の心を埋める感情ならば、彼を犯人だと証明しても修治
は救われない。そんな気がした。
ネウロは露骨に不機嫌な顔をする。
「わからん。
あの男が絶望していたからなんだ?笑っていなかったからなんだ?
わからん。不愉快だ」
「……そうだね。
あんたにはわからないかも」
よくある皮肉ではなく、純粋にそう思ったからこその言葉だった。
万能の魔人であるネウロにも理解しがたいものがある。
その最たるものが人間の感情だ。
ネウロが求めるのは常に謎とそれに伴う悪意だけ。
謎を生み出す一端にしかならない繊細な人間の感情になど、まるで興味がないのだ。

「しかしあの男の『謎』は気に入ったぞ。
どうやらひとつではないらしいしな……。
久々に我輩の空腹を満たしてくれる謎やもしれぬ」
「ちょっと待ってよネウロ。
ひとつじゃないってどういうこと?」
「言葉どおりの意味だ。行けば分かる」
不機嫌な表情から一転、口を半月型に広げにたにたと笑うネウロ。
機嫌が直ったのは結構だが、それよりも頭から手を放して欲しい弥子である。

「あのさネウロ、そろそろ手を」
「時にヤコよ、我輩は空腹と腹と理解できないことの次に退屈が嫌いだ。
我輩は先ほど言っていた『人生ゲーム』とやらに興味があるぞ。
恐らく下僕の人生をめちゃくちゃにもてあそんで楽しむゲームなのだろうが、我輩はあれがやりたい」
「やだよあんなかさばるもの。せめてトランプとかならいいけど」
「ふむ……。ならばもう一人、荷物持ちを用意するか。
ちょうどいい人材がいる」

嫌な予感がして、弥子はとっさにネウロの手から逃げだそうと身体をよじった。
しかし叶うはずもなく、更に強い力で押さえ付けられただけだった。

「携帯を出せ、ヤコ。
誰に連絡するかは、ゾウリムシ並みの頭でももうわかっているだろう?」

ネウロの言う通りにするにはあまりに良心が痛む。
だが逆らえば、自分の身体が数倍痛むことになるのは目に見えていた。
良心と保身を天秤にかけた結果―――多くの人間がそうであるように、弥子の天秤は僅かに保身に傾いてしまった。
頭の中で何度も何度も電話の相手に謝りつつ、弥子は携帯のアドレス帳を呼び出した。
なんの前触れもなく、吾代の背中を凄まじい悪寒が走った。
思わずコントローラーを取り落とした彼を見て、望月が子供のように唇を尖らせる。

「どうしたの吾代くん。ダメじゃないか、ゲームの途中で集中力を乱しちゃあ」
「ちっと寒気がしたんだよ。この部屋エアコン効き過ぎなんじゃねぇのか」

言うと望月はもともと膨れた頬を更に膨らませ、
「これがいいんじゃないか!暑い夏に部屋をガンガンに冷やして、アイス片手にゲームする。
贅沢の極みだよ」

とても年収何億の数字を叩き出す情報会社の社長とは思えないけちくさい贅沢に、吾代は
深々とため息をついた。
第一ゲームをしているのは吾代であり、当の望月はファミリーサイズのバニラアイスを
ぱくつきながら見ているだけである。

「にしても寒気ねぇ。
吾代くん、ひょっとして夏風邪かい?ん?」
なぜかにやにやしながら望月が問うて来る。
コントローラーを持ち直した吾代は、「そんなんじゃねぇよ」と吐き捨てるように言い放った。

「俺は手洗いうがい徹底してんだよ。夏風邪なんてひくか」
大まじめに答えた吾代に、望月はまずぽかんとした顔をし、一拍置
いてから実に神妙な表情で何度も頷いた。

「そうか、怒る前に意味がわからないのか……。
吾代君、ここまでの子とは……」
「意味わかんねーのはこっちだオッサン」
「いや、いいんだよ。
さぁゲームを続けてくれ。あ、セーブはしちゃダメだよ。
きみのプレイを見て私が自力でやり直すんだからね」

いちいち面倒な男である。
それでも以前に勤めていた、というか使われていた事務所の主よりは断然マシかと彼は思い直した。
かたや暴君を通り越して魔王の域に達していた化け物。
かたやバニラアイスにチョコレートソースをたっぷりかけて満足している平和な中年。

誰だって部下になるなら後者を選ぶに違いない。
なんだかんだで吾代は今の職場を気に入っているし、もちろん副社長の座に文句があるわけでもない。
気に入らない点といえば仕事の最中だろうがお構いなしにゲームの
攻略法を聞いて来る社長の存在ぐらいだ。
それを除けば、吾代の生活は充実しているといってもいい。
それでも何故だろう、時折ひどくあの色々な意味で常識外れな探偵事務所が懐かしくなる。
昼間、久しぶりに会った探偵の少女はまったく変わっていなかった。
食べ物にすぐ釣られて、あの化け物には散々いじられて、そのくせへこたれない。
ネウロに引きずり回されては事件に巻き込まれていた日々。
死ぬかと思うような経験も何度かしたが、それでも吾代は事務所からなかなか離れられなかった。
ネウロが解放してくれそうになかったから―――それもある。
敬愛していた早乙女の事件を解決してくれた恩があるから―――もちろんそれもだ。
しかし何より、吾代はいつの間にかあの事務所に妙な居心地のよさを感じはじめていたのだ。
ネウロには雑用としてこきつかわれ、いい思い出なんて皆無と言っていい。
それでもあの事務所を思い出すと、嫌悪よりもまず懐かしさが先立つ。
机でふんぞりかえっているネウロと、大量のおやつに囲まれて幸せそうな弥子。
ここが自分の場所だったのだと、不思議と納得させられる風景が浮かぶのだ。

『吾代さんも、たまには遊びに来てね』

去りぎわ、弥子が言っていたことを思い出す。

「……へっ。ま、気が向いたら差し入れぐらいしてやりに行くか」

忌ましいながらも懐かしく、目茶苦茶ながらも落ち着ける。
そんなちぐはぐな気分をたまに味わいにいくのも、悪くない。

「おーい、吾代くん。
さっきから手が動いてないよー」
「るせーな。集中力を高めてんだよ」
「そう?なんかすごくおセンチな顔してたよ」
「はぁ!?ざっけんな、誰があんな化け物どものことなんか」
「あ、思い出してたんだ。前の職場。
やっぱり恋しいのかい?」
「うるせーっ!」

怒鳴った瞬間、吾代の携帯がけたたましく鳴り始めた。
まだにやにやしている望月を睨み付けてから、吾代は胸ポケットにしまってある携帯に手を伸ばす。
電話の相手は分からないが、誰であるにせよこの会話が中断できる
なら感謝しよう。
携帯に触れた瞬間、また微かに背筋が寒くなったが、吾代はもう気にしないことにした。
144探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/01/05(月) 00:44:54 ID:???O
名前欄長すぎと怒られたので書けなかったけど、吾代話は一応インターバル扱い。
ネウロ好きの友人にキャラの口調でおかしいところはないか見てもらったところ、今回の修治の目の描写について
「これこんなに書かなくてもレイプ目って書けば一言で済むんじゃ」
と言われて一瞬でも納得した俺はやはりまだ未熟なのだと痛感した。

そして>>134氏超GJ。
やはり灰原も魔人には叶わないか…!
一生懸命ネウロに自分の決意を語る灰原がかわいすぎるかっこよすぎる。
優しい弥子もいい味出してます。弥子に抱き締められた灰原がちとうらやましい。

次回はインターバルその2としてキーキャラ伊織の話とコナンパートを投下予定。
気長にお待ちください。
145メロン名無しさん:2009/01/05(月) 08:36:47 ID:???O
GJGJGJ!
吾代参戦にwktk
たしかにアニメではあまり留守番してなかったなww
しかしこんな神スレになるとは>>1も予想だにしなかっただろう。
146メロン名無しさん:2009/01/05(月) 09:14:41 ID:???0
探し屋S氏、134氏共にGJです!!
続きが気になる次回も楽しみに待ってます!
147メロン名無しさん:2009/01/06(火) 19:50:35 ID:???O
お二方にGJ!!続きも楽しみ!

たまにはスレタイにならって対決させてみる。↓
148メロン名無しさん:2009/01/06(火) 19:52:44 ID:???O
コナンVSネウロ(キャラ)
【推理力】…コナン<ネウロ
【戦闘力】…コナン<<<<(越えられない壁)<<<ネウロ
【演技力】…コナン>>ネウロ
(正体を偽り幼なじみと同居/助手設定を無視して先生へDV)
【経済力】…コナン<<<<<ネウロ
(所詮学生/堅実に蓄財中)
【境遇】…コナン>>>>>>>ネウロ
(ガキにはなったが好きな子と同居・たまに戻る/食糧難で弱体化必至の異界へ。しかし常時空腹。食生活が命懸け)
【傀儡】…コナン<<<ネウロ
(意識のないおっさん/女子高生・欠点をカバー・成長中)
149メロン名無しさん:2009/01/06(火) 19:56:15 ID:???O
コナンVSネウロ(作品全体)
【推理】…コナン>>>ネウロ
(純粋に推理もの/ミステリーの皮を被った単純娯楽作品・バトルものに移行)
【ギャグ】…コナン<<ネウロ
【恋愛】…コナン>>>>ネウロ
(幼なじみ×2・刑事・毛利夫妻など多数/ハルが孤軍奮闘。ただしドラマCDは少しデレる)
【展開】…コナン<<<<ネウロ
(終わる気ねえだろ/ラストスパート!)
【画力】…コナン>>>ネウロ
【アニメ】…コナン>>ネウロ
(何年目?展開ない原作相手に頑張ってる/オリジナルがひどい)

異論は認める。
150探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/01/06(火) 22:29:28 ID:???O
>>148-149
おー、なんかこうやって見てると同じ少年漫画の探偵ものでもいかに毛色の違う作品かがわかるな
てかネウロのドラマCDなんかあったのか。
始めて知った

見てみたい組み合わせ
・ネウロ&赤井(なんかすごい腹の探り合いが展開されそう)
・吾代&少年探偵団
・弥子&蘭&和葉(当然だけど弥子は蘭和葉とはタイプが全然違う娘なのできっと面白い)
・笹塚&阿笠
151メロン名無しさん:2009/01/08(木) 18:33:45 ID:???O
ネウロ&赤井見たい
ドラマCDは1だけ聞いたけどかなり面白かった。
あのツンデレというかSデレにはスタッフの作為的なものを感じたけど、もしや2でもデレてんのかw
152メロン名無しさん:2009/01/09(金) 21:42:01 ID:???0
探偵、傀儡以外のキャラは比較どう?
単に有能とかでなくても
153メロン名無しさん:2009/01/09(金) 22:48:52 ID:???0
両作品の警察(刑事)キャラ比較とか面白そうだ

154メロン名無しさん:2009/01/09(金) 23:08:01 ID:???0
怪盗キャラ比較は…見たいような怖いようなw
155メロン名無しさん:2009/01/10(土) 00:28:53 ID:???O
サイとキッドか…
キャラとしてはキッドのほうが好きかな

目暮はそういや警部だから笹塚や石垣より偉いんだよね
156メロン名無しさん:2009/01/10(土) 01:13:36 ID:???0
>>150
ネウロ&赤井いいなw
どっちも好きなキャラだから見てみたい

>>151
CDだとデレてるのか…
ネウロと弥子に恋愛がない所とかも自分がネウロ好きな要素の一つなんだけど(恋愛要素少し苦手なので(HAL編が嫌いなわけじゃない))、
そういう奴は聴かない方が堅実?
157メロン名無しさん:2009/01/10(土) 03:06:32 ID:???O
>>156
151だが全然大丈夫だと思う。というかすごく笑ったし面白かったのでオススメしたい。
一場面だけデレかと思ったシーンがあったけど、恋愛とはまた違うし、全編通してそのノリではないし。
2は聞いてないからわからん。出来が2≧1なら購入を考えたいんだが教えてネウロい人。
158メロン名無しさん:2009/01/10(土) 19:37:28 ID:???O
ネウロと弥子はあの行き過ぎた右京と亀山みたいな関係がいい
要は相棒って事だけど
コナンとネウロのコンビはどうなるのかなー
159メロン名無しさん:2009/01/10(土) 19:53:50 ID:???O
>>158
ネウロとヤコが最高の相棒たりえるのは、常にお互い(の種族)を理解しようとする姿勢と素直な敬意あってこそだからなー
コナンとの間にそれが構築出来るかがカギかな
160メロン名無しさん:2009/01/10(土) 19:58:35 ID:???O
コナン(小学生)じゃあ傀儡にできないからなあ。奴隷に推理スキルは必要ないし。
自分としては佐藤刑事と等々力がいいコンビになると思う。
161メロン名無しさん:2009/01/10(土) 21:00:26 ID:???0
傀儡には出来ないが、弥子のようにどんな形でも「人の進化と可能性」をコナンが見せれば
ネウロは必ず一目置いて接するから、コンビは組めると思う。
どっちかと言えば、コナンがネウロの存在を認めるかどうかが問題
162メロン名無しさん:2009/01/10(土) 22:25:36 ID:???0
ネウロはこれから殺人が起こるってわかってても絶対とめようとしないから、
コナン的にそれはNGかもしれんね。コナンはとめるだろうし。
ネウロは謎(食事)優先、コナンは人命優先、みたいな。
そこらへんで色々ともめそうだ
163メロン名無しさん:2009/01/10(土) 23:27:23 ID:???O
〜カラオケにて〜
コナン「ぼえ〜♪ぼえ〜♪」
園子「ぐうう…相変わらずの殺人的オンチ」
弥子「ネ、ネウロ…あんたなんで平気なの…?」
ネウロ「ふむ、イビルストリングスの音色によく似た歌声だからな。
我輩には心地よいぐらいだ」
コナン「お、なかなかわかってるじゃねぇかネウロ」
→意気投合
164メロン名無しさん:2009/01/10(土) 23:36:36 ID:???O
さりげに弥子も失礼すぎワロタww
165メロン名無しさん:2009/01/11(日) 00:37:21 ID:???0
>>157
156です
そうなのか、良かった
考えてみれば、ちょっとした設定変更ならまだしも
原作者その他公認の作品が原作のキャラ設定を大きくブチ壊す内容になるわけないよね
教えてくれてサンクスでした
166メロン名無しさん:2009/01/11(日) 01:00:04 ID:???O
>>165には絶対ネウロアニメを見せたくないな。
あまりにも悲しい現実がそこに。
167165:2009/01/11(日) 02:35:28 ID:???0
>>166
実はアニメ見た事あるんだ
アニメの評判良くないの聞いた後だったし、
シナリオはともかく激しいキャラ設定崩壊はなかったから(全話見てないからはっきりとは言えないけど)
あんまりショック受けなかったぜw
168メロン名無しさん:2009/01/11(日) 11:02:44 ID:???O
ネウロは原作鬱すぎてちょっと苦手
アニメの方が好き
169メロン名無しさん:2009/01/11(日) 14:41:32 ID:???O
アニメも好きだけどサイの出生の設定だけが残念だったな。

ちょっと思ったんだけどネウロはサイが弥子に化けたとき殺気で判ったけど、キッドが化けたら見破れるのかな。
蘭に化けてコナンに見破られたことはあった気がするけど。
170メロン名無しさん:2009/01/11(日) 17:02:47 ID:???O
>>169
たぶん食事時にバレるw
回転寿司を一レーン食い尽くして回らなくした娘だぞ、ヤコはw
171メロン名無しさん:2009/01/11(日) 17:37:59 ID:???O
いや、キッドなら食べたふりして手品で消せるはず。
弥子の大食いは世間でも有名だからそこはちゃんとごまかしてきそうだw
172メロン名無しさん:2009/01/13(火) 00:48:51 ID:???O
亀レス失礼

>157他
ドラマCD2はラストにSデレが発動したようなしないようなってくらいだから心配しなくていいと思うよ。
寧ろオマケトラックも充実しててオススメ。

アニメネウロは南米編が残念だった。
小説キャラまでいじるなよorz
173メロン名無しさん:2009/01/14(水) 22:10:36 ID:???O
ドラマCD気になってきた。
今更だけどコナンは毎年映画化されててすごいな。
最近のは全然見てないけど「時計仕掛けの摩天楼」と「瞳の中の暗殺者」と「世紀末の魔術師」は結構覚えてる。
もしネウロが映画化されるとしたら、冒頭からネウロがなぜか魔界道具を出せなくなるとかいう
無理矢理なハプニングが起きる気がするwじゃなきゃ尺がもたないww
174メロン名無しさん:2009/01/14(水) 22:18:31 ID:???O
それなんてドラえもん
175メロン名無しさん:2009/01/18(日) 22:07:57 ID:???0
保守。
176メロン名無しさん:2009/01/18(日) 22:23:00 ID:???0
映画といえば、コナンの「ベイカー街の亡霊」の話なんだけども
それにでてくる体感型のゲームみたいなの、コクーンだっけ?
プレステとか普通のゲームでネウロがイビルスクリプト使うと
あんな感じになるのかなーと思った。なんか楽しそうで非常にうらやましい
177メロン名無しさん:2009/01/19(月) 18:57:37 ID:???0
>>176
あれマジほしい
178メロン名無しさん:2009/01/20(火) 08:49:40 ID:???0
あそこまで本格的じゃないだろうけどゲーセンでコクーンみたいなのが並んでいる
のを見たときにはびっくりした。そのうちコクーンもできるんかね?
179メロン名無しさん:2009/01/21(水) 08:40:53 ID:???O
ベイカーストリート懐かしい。
あれは神だったなぁ、コナンの映画で一番好きだ
コナン→弥子
優作→ネウロ
蘭→叶絵
灰原→笹塚
に当てはめてみると意外と違和感なくて笑った。
180メロン名無しさん:2009/01/21(水) 23:31:53 ID:???O
>179
有希子→アヤ
なるほど納得
181メロン名無しさん:2009/01/22(木) 07:48:12 ID:???0
>>179
小五郎→吾代
とかも意外といけそう
182メロン名無しさん:2009/01/24(土) 21:19:20 ID:???O
博士→あかねちゃん
ちょっと無理矢理かな…
183メロン名無しさん:2009/01/24(土) 22:04:20 ID:???0
じゃあ
ひろき=春川
ノアズアーク=HAL
184メロン名無しさん:2009/01/27(火) 10:40:19 ID:???O
石垣はゲームをする側か見守る側か…
185メロン名無しさん:2009/01/27(火) 20:55:11 ID:???O
>>182
それなら、
阿笠博士→本城博士

石垣はゲームをやる側だと思うw
げんたか光彦→石垣
あゆみ→等々力

‥てな感じで
186メロン名無しさん:2009/01/27(火) 21:49:30 ID:???O
バーで殴られ早々にゲームオーバーか…
確かに石垣がやってもそんな違和感ないなwww

ところで
コナン(新一)→Cool guyだかGolden Appleだか
蘭→Angel
と黒の組織のおねーちゃんから言われてたが、あれにネウロたちが入ったらなんて呼ばれるんだろう。
微妙に気になる。
187メロン名無しさん:2009/01/27(火) 23:00:36 ID:???0
>>186
そういえばHALはネウロの事を「ニューロンの申し子」って呼んでたな。
英訳はわからないけど。
蘭がAngel(天使)ならヤコはhope(希望)とか合いそうな気がするかな、個人的には
188メロン名無しさん:2009/01/28(水) 01:56:38 ID:???O
>186
DOS(どえす)とかでいいと思う
某シェフを思い出させる気がするがきっと気のせい
189メロン名無しさん:2009/01/29(木) 07:56:19 ID:???O
ネウロ:Tyrant(暴君)
弥子:?
笹塚:Knight(騎士)
吾代:Puppy(子犬)

弥子難しいなぁ
ぶっちゃけ弥子もAngelであってると思うんだけど…
190メロン名無しさん:2009/01/29(木) 20:11:58 ID:???0
弥子は相手によって全然評価が変わるからなー
歩く負けフラグみたいな存在だよな。犯人にとっては。
弥子をバカにしたヤツはネウロじゃなくて結局弥子に負ける。
191メロン名無しさん:2009/02/02(月) 06:09:10 ID:???O
うらぎり君に刺されるコナンがみたい
192メロン名無しさん:2009/02/02(月) 11:15:28 ID:???O
>191
思わず想像して笑ったwww
193メロン名無しさん:2009/02/06(金) 12:37:15 ID:???O
北極旅行か。コナンなら100%事件フラグだけどネウロはなあ。
女子高生を裸にとか呟いてる時点である意味事件フラグだが。
194メロン名無しさん:2009/02/06(金) 18:31:39 ID:???O
ネウロ「我輩旅行に行こうと思う」
コナン「そういや旅好きだっていってたな。
どこに行くんだ?」
ネウロ「華厳の滝と富士の樹海と…」
コナン「いや、もう何も言うな」
195探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/07(土) 21:53:39 ID:R2iIEk8jO
前回予告していたインターバル投下。
ほんとはコナンパートも投下したかったけど、これがなかなか難しくてうまく進まない。
そんなわけでインターバルのみ投下。
登場人物は氷室の人々ほんの少し、本当に幕間みたいなもの。
その上ネウロやコナンのキャラが出てこないので、「オリジナルのキャラだけじゃなぁ」
という人は次のコナンパート投下の際に一気に通して読むのも手だと思います。
あと今回から、名前欄長すぎ対策として話の最初にサブタイを入れてる。
196探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/07(土) 21:58:27 ID:R2iIEk8jO
【予兆〜十ヵ月前〜】:インターバルU



氷室家のうら若きメイドが二人、しずしずとベルベットの廊下を行く。
理緒が押している銀のワゴンには、純白のティーセットと焼きたてのアップルパイがひときれ。
彼女たちが仕える主たちの一人、氷室伊織のティータイムのためだけに用意された物である。

「伊織様、きっと喜びますね。
篠崎さんの作るアップルパイは大好物のひとつだってあんなに言ってらしたから」
まるで自分のことのように嬉しそうな美鈴に、理緒はにこやかな笑みで「そうね」と答えた。
彼女も伊織の喜ぶ様子を思い描いているようで、頬がすっかり緩みきっている。

この屋敷の中で伊織を疎む者は、家族はもちろん使用人を含めてもただの一人としていないだろう。
幼いころから父・武夫の掌中の珠として愛され、また、腹違いの妹であるにも関わらず
二人の兄からもたくさんの愛情を一心に受け育てられた伊織は、言うなれば無垢の化身だった。
まず人を疑うことを知らない。
それから人を恨んだり、憎んだりすることも知らない。
それ以前に、人間に悪意や憎悪といった醜い感情があることすら、彼女の知るところではない。
それだけ氷室伊織という少女は愛されて育った。
もうすぐ十四歳を迎える彼女は、無邪気で明るく、それでいてどこか儚げな雰囲気を
併せ持つ可憐な少女に成長した。
その純粋さゆえに多少世間知らずなところはあったものの、それすらも周りの人間の庇護欲を掻き立てる。
特にまだ若いながらも氷室家に仕えて十年にもなる理緒や、この家で伊織と
一緒に育ったような身の上である美鈴には、彼女の成長への感慨は人一倍深いのだった。


二階の一番奥、三男海斗の部屋の隣に伊織の自室はある。
いつもどおり、理緒が控え目なノックを二回。一呼吸おいてから
、声をかける。
「伊織お嬢様、おやつをお持ちしましたよ。
………お嬢様?伊織お嬢様?」
普段ならすぐ帰ってくるはずの明るい返答が、なぜか今日に限ってはない。
生まれつき身体が弱くなかなか屋敷から出られない伊織にとって、おいしいおやつを
食べながら理緒たちと話をする時間は毎日の楽しみのひとつであった。
理緒の声を聞けば返事をする前に自分からドアを開けて
しまうことすらあるのというのに―――理緒も美鈴も、不安げな顔で互いに顔を見合わせる。
197探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/07(土) 22:02:27 ID:???O
「お休みになっていらっしゃるのでしょうか……」
「どこかお身体の具合が悪いのかもしれないわ」
「そんな……」
もともと小さい声を美鈴は更にか細くさせた。
「伊織お嬢様、入ります」
理緒の行動は早かった。躊躇なくドアを開けて部屋に入る。
広い部屋の真ん中で、伊織は理緒たちに背を向けぺたりと座り込んでいた。

「伊織お嬢様、どうかなさったのですか?
何をなさっているのです?」
理緒が問うても伊織は答えない。
だが代わりに、後ろを向いた彼女の懐あたりから、
かきん、かきり、かきん、かきり、と何やら固い音が規則的に聞こえてくる。
よく見ると、伊織の右腕もその音に合わせてかすかに上下しているのがわかった。
ただならぬものを感じたのか、理緒は眉を顰め足早に彼女へ近付く。
華奢な肩に手を置き、
「お嬢様、どこか具合でも―――」
はっ、と理緒が息を飲む音が部屋の入口に立っていた美鈴の耳にもはっきりと届いた。
そしてそのまま時が止まったかのごとく、理緒は身動きをするどころか
言葉さえも発さなくなってしまった。
「理緒さん……?お嬢様……?」
いつも冷静沈着な理緒のあまりに不自然な様子に、自然と美鈴の足も動いていた。
「お嬢様、いったい何が―――あ」
理緒と同じく伊織を後ろから覗きこんだ美鈴は、瞬間、絶句した。
伊織は左手に、二人も見覚えがある人形を抱えていた。
伊織の九歳の誕生日に、武夫が贈ったビスクドールである。
その愛らしさと精巧さに贈られた伊織は大喜びし、ガラスケースの中にしまって大切に保管していた。
フランスの有名メーカーのものらしく、金色の巻き髪と
繊細なレースがたっぷりたくしこまれたドレス、何より透き通るような硝子玉の青い目が印象的な人形だった。
198探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/07(土) 22:04:37 ID:???O
その愛らしい顔が、今はない。
人形の首から上はまるで最初からなかったもののように消え失せていた。
いや、消えたという表現は不適切だろう。
刈り取られたのだ。
伊織が右手に携え、今まさに人形の腹に何度も何度も突き立てている銀の果物ナイフによって。
細い腕が振り下ろされる度に、ナイフの切っ先が人形の真っ白な腹にずぶりと沈む。
更にねじこむように刃を深く刺し入れて、ぐいと引き抜き、また突き刺す。
刺す、ねじ込む、引き抜く、刺す。
刺す、ねじ込む、引き抜く、刺す。
その一連の動作だけを、伊織はわき目も降らずひたすらに繰り返している。

「ふ……ふふ……」
薄紅色の唇から、吐息のようにかすかな笑い声を零して。
伊織の肩にかけられたままの理緒の手が小刻みに震えている。
美鈴の頭の中は目の前の光景を信じられない一心で真っ白になっていた。
ただ本能のまま、ゆっくりと後ずさる。
―――と。そのかかとが何かに触れた。

おそるおそる足下を見やる。
床に広がる金の巻き毛。
いまや首だけとなった『彼女』が、その青い瞳でもって美鈴のほうをじっと見つめている。
まるで自らの無残な最期を恨むかのように。

美鈴が悲鳴をあげるのと同時、伊織はひときわ深く、ナイフを人形の腹に突き立てた。
199探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/07(土) 22:05:16 ID:???O
以上。
調べてはみたんだけど、もともと人形には詳しくないので変なとこがあったら訂正頼む。脳内でも可。
人形グサグサよりメイド二人のメイド服をどうするかで悩んでいたのだが、決まらず今回は描写なし。
200メロン名無しさん:2009/02/07(土) 22:20:55 ID:???O
おおお待ってました!乙です。
コナンパートも楽しみ。
メイド服もどうなるのか期待してるww
201メロン名無しさん:2009/02/07(土) 22:39:10 ID:???0
久しぶりの乙です!!
そしてコナンパートの展開にも期待してます!
202メロン名無しさん:2009/02/10(火) 19:13:39 ID:???0
保守。
203メロン名無しさん:2009/02/10(火) 22:16:13 ID:HBSTn085O
このスレの影響かどうなのか
最近コナンのOP見てるとネウロキャラが勝手に乱入してくる
コナンと背中合わせになって「フッ」って感じで笑うネウロとか、FBIの皆さんと一緒に銃を構える笹塚とか
204メロン名無しさん:2009/02/10(火) 23:04:39 ID:???O
>203
あれ?俺がいる

>195
乙です!!ドキドキだなこういうの!

今週のアニメコナンに出てきた被害者キャラがネウロの犯人キャラとダブった。
放送局の関係とかでみんな同じやつ見てるわけじゃないのかな?
205探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/11(水) 23:17:27 ID:3Jf/hbu1O
【氷室の系譜T】:コナンパート


一週間後の早朝、理緒が探偵事務所までコナン達を迎えにやって来た。
彼女の運転するバンに小五郎、蘭、コナン、そしてにこにこ顔の(一名除く)少年探偵団の面々が乗り込んだのだった。

「すいませんねぇ、松田さん。
こいつらどこで聞き付けたのやら付いていくって聞かなくてですね……
遊びじゃないんだと何回も説明したんですが」
助手席の小五郎が振り返った先には、三列目の座席ですやすや寝息をたてている元太と歩美と光彦の姿があった。
さすがに朝五時の集合は小学生にはきつかっらしい。車に乗ってから十分も経たないうちに、三人は
寄り添いあって仲良く夢の中だ。
終業式の帰り道、コナンと蘭が旅行の準備に関しての話をしているのを聞いていた三人は、
「夏休みに離島へ」「大きなお屋敷」「メイドさん」といういかにも優雅なフレーズ群に心奪われたらしく、三人がかりで小五郎に行きたいとせがんだのである。
最初こそ小五郎も断固拒否の姿勢を見せたが、子供たちのあまりに執拗な「連れてけ」コールに結局は根負けする形となった。
申し訳なさそうな小五郎に対し、理緒はまったく気にしていない様子で朗らかに笑う。
「構いません。
遊び相手は多い方が、伊織お嬢様もお喜びになるでしょうから」

本心からの言葉なのだろうが、それを聞いていたコナンはますますもって複雑な心境になる。
「(失敗したな……。こいつらがいる時に話するんじゃなかった)」
今更ながら、コナンは自分のうかつさにあきれた。
元太たちが夏休みの予定を埋めるのに悩んでいたのは知っていたのに、みすみす彼らの前においしい餌を垂らすような真似をしてしまった。
普段ならこんなことには絶対ならない。
蘭が旅行について話しかけてこようが、その内容は周囲に知られぬようにうまく立ち回れるはずなのに。
やはりこれも平和ボケのひとつの弊害なのだろうか。
このままではコナンにとって捜査どころではなく、本当にのんきなリゾートになりかねない。
206探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/11(水) 23:20:50 ID:???O
「ずいぶん不機嫌な顔ね」
コナンの隣に座った哀が、ささやき声で話しかけて来た。
「不機嫌っつーか、複雑な心境だ。
バレリーナは三日踊らねぇだけで身体がなまって動かなくなるって言うが、探偵も常に謎を追って頭を働かせてないと妙なところで間抜けになっちまうらしい」

コナンも左に座っている蘭をはばかって、小声で囁き返した。
「いいんじゃない?
離島の屋敷に、本物のメイド、それからいわくありげな大富豪の四兄妹。
しかもその美しい妹が突然、悪魔が取り憑いたかのような謎の暴走―――。
シチュエーションも登場人物も完璧ね。
あと必要なのは探偵だけ。心踊るでしょう?
探偵としてのカンを取り戻すには絶好の舞台だと思うけど」
「楽しそうだな、お前」
「別に。あなたが最近探偵として
ちょっと気が緩んでることに悩んでるのを見て楽しんでるわけじゃないわよ」
「……ほんっとにいい性格してるよ」


市街地を抜け車は高速道路に入った。
蘭がかけてやった毛布にくるまった探偵団三人組は、いまだ起き出す気配がない。
「屋敷につく前に、氷室家のことをお話しておきますね」
唐突に理緒が切り出したものだから、うつらうつらとなりはじめていた小五郎は慌てて背筋を伸ばした。
手持ちぶさたにしていたコナンも、注意深く聞き耳を立てる。

「氷室家に現在いらっしゃるのは四人。
現当主の武夫様、次男の政隆様、三男の海斗様、そして長女で末娘にあたられる伊織お嬢様」
「ご長男はどうなさったんです」
「長男の修治様は十四年前に屋敷を出て、本土の方へ行ってしまわれたと聞いております」
「そういえば、武夫氏の奥様がお亡くなりになったのも……」
「えぇ。やはり十四年前です。
不幸な事故だったそうですが、修治様はそのショックで家を出たというお話も聞いたことがあります。
何度も武夫様が帰ってくるようにと連絡なさっているんですが、この十四年間、一度もお屋敷に帰られていません」
207探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/11(水) 23:23:49 ID:???O
「……?ちょっと待ってください松田さん。
確か伊織さんは十四歳でしたよね。
つまり奥様は、伊織さんを産んですぐ亡くなってしまったということですか」
「あっ、いえ、そうではないんです。
実は……」
そこで一旦言葉を切った理緒が、フロントミラーをちらりと見やる。
二列めに座った三人、特にコナンと哀の様子が気になるようだ。
あまり子供には聞かせたくない内容の話なのだろう。
そんなわけでコナンは鼻歌など歌い、まったく二人の話など聞いていない風を装ってみせた。
ちなみに哀は高速に入ってからずっと窓の外を見ているため、最初から話を聞いていない。
「……実は伊織お嬢様は、武夫様と愛人の女性との間にできたお子様なのです」
「はぁ、なるほど」
「奥様が亡くなって、しばらく武夫様は悲しみの中で自暴自棄になっていたようです。
そんな時、一時期武夫様と愛人関係を結んでいた女性がよりを戻したいと見計らったように近付いてきて……。
武夫様は、その、そちらの女性に誘われるがまま一夜を共になさってしまったんです。
そしてその時に出来たのが、伊織お嬢様だと」
「その女性は今どこに?」
小五郎の問いに理緒はかぶりを振る。
「わかりません。
彼女は妊娠を理由に武夫様に結婚を迫ったそうで、武夫様も責任を取ろうとそれを受け入れました。
ですが正式にご結婚なさる前に伊織お嬢様が産まれて、それからすぐにその女性は
屋敷の金品を持ち出して失踪なさったと聞きました。
まだ赤ん坊の伊織お嬢様を残して……」
でも、とそれまで沈痛な面持ちだった理緒の表情が一気に明るくなる。
「伊織お嬢様は愛人の子だからといって誰にも疎まれたりしていません。
武夫様や政隆様、海斗様はもちろん、私たち使用人も伊織お嬢様を愛しています。
年配の使用人の中には、伊織お嬢様をきっと奥様の生まれ変わりだって言う人までいるんですよ。
私は写真でしか奥様を拝見したことがないんですが、伊織お嬢様の性格やしぐさは奥様によく似ているそうですから」
208探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/11(水) 23:28:15 ID:???O
「幸せ者ですな、伊織さんは」
「普通なら愛人の子など忌むべき対象にしかなりませんものね……。
でも伊織お嬢様はそんな不純なことを考えさせられなくなるぐらい、純粋で優しいお方ですから」
どうやら伊織は家の人間たちから例外なく寵愛されているようだ。
だからこそ、なんとしても彼女を突然襲った心の病気から救ってやりたい気持ちも大きいのだろう。
しかしコナンには伊織のこととは別に気になっている点があった。
十四年前に家を出たという長男、修治のことである。
何一つ不自由のない生活を捨てるほど母親を愛していたのなら、父がどこの誰ともわからない愛人の女と結婚するのを聞いて普通は反対するだろう。
定期的に修治と連絡を取ろうとしていた彼武夫が、再婚のことを話さなかった可能性もいささか考えづらい。
語られた言葉に、コナンはまだ裏があるような気がしてならなかった。


港に着く頃には元太たちもすっかり目を覚ましていた。
今は屋敷についての想像を出し合ってはあれやこれやと盛り上がっている。
島まで行く小型船の運転は驚くべきことに理緒がするらしい。
それを聞いた小五郎が目を丸くしていると、
「だって私、氷室家のメイドですから」
といたずらっぽく笑んだ。
他にもヘリの操縦や体術、さらには拳銃の扱いまで心得ているという。
氷室家のメイドにはシークレットサービス並みのパーフェクトさが必要らしかった。
船のリビングルームで、蘭が早起きして作った弁当を食べる。
「あー!元太くん、ボクのエビフライ取らないでくださいよ!」
「へへへ、早いもん勝ちだぜ光彦!」
「元太くんずるーい!」
「ほらほら、ケンカしないの!まだたくさんあるから」
「くぉらっ!静かにしてやがれガキども……っておい、そのハンバーグは俺のだぞ!」
賑やかなおかず争奪戦の火蓋が切って落とされるのと時同じくして、船がゆっくりと動き出した。
とりあえず朝食を食べ損ねてはならないと、コナンはまだ争奪戦の対象になっていない厚焼き卵に箸を伸ばすのだった。
209探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/02/11(水) 23:29:37 ID:???O
コナンパートまだもう少し続く。
元太が食事の場を牛耳っていられるのも今のうちです。
ますます光彦涙目になりそうだけど。
小型船の説明がまったくないのは俺の船経験が修学旅行のフェリーでストップしているから。
コナン側のメンバーは一応出揃ったので、あとはネウロメンバーが揃うのを待つのみ。
あといつも激励してくれる人、本当にありがとう。かなり励みになってます。
210メロン名無しさん:2009/02/12(木) 00:09:02 ID:???0
コナンパート乙です。
少年探偵団キターー!うはっうれしいwww
ネウロとコナンのご対面が近付いてきてwktk
次回投下もたのしみ。
211メロン名無しさん:2009/02/12(木) 09:07:57 ID:???0
乙です!
ネウロ側の吾代に続きコナン側の少年探偵団も参戦とは賑やかでイイw
続きも楽しみに待ってます!
212メロン名無しさん:2009/02/14(土) 21:00:55 ID:OMtie+dZO
日テレにはルパンVSコナンよりコナンVSネウロをやってほしい
213メロン名無しさん:2009/02/17(火) 22:30:53 ID:???O
小説すごく面白いよ。続きが気になってしょうがない。
投下速度はどんなにマターリでも待ってるから完結まで頑張ってくれ!
214メロン名無しさん:2009/02/18(水) 00:41:09 ID:???0
糞スレかと思ってたら神スレだった
自分も応援してるよ!
215メロン名無しさん:2009/02/19(木) 21:24:33 ID:???O
ネウロとコナンの身長差がありすぎて、並べてみたらかなり面白い事にwww
216メロン名無しさん:2009/02/20(金) 18:27:28 ID:???0
コナンと同じくらいの背のネウロキャラは睦月くらいだな
あと、飛行機少女バージョンのXIとか
217メロン名無しさん:2009/02/21(土) 22:10:49 ID:???O
コナン:112
新一:174
蘭:160
小五郎:183

ネウロ:188-220
弥子:159
笹塚:181
吾代192

調べてみたらこんな感じだった
蘭はすらっとしてて背が高いイメージがあったのに小柄な弥子と1cmしか違わないのがとても意外
218メロン名無しさん:2009/02/25(水) 20:14:22 ID:???0
保守。
219メロン名無しさん:2009/03/01(日) 00:15:24 ID:???O
まだあったのかこのスレww
と、軽い気持ちで覗いてみたら神がいた…
続き待ってます!
220メロン名無しさん:2009/03/01(日) 13:32:42 ID:???0
世間では金田一vsコナン、ルパンvsコナンが広まる中、
コナンvsネウロは、まさしく神のみぞ知る世界だなw

…いやほんと貴方しか書けません神。続き楽しみにしてます。
221メロン名無しさん:2009/03/05(木) 11:33:25 ID:???O
こっちの小説より先にネウロが終わりそうだ。
222メロン名無しさん:2009/03/05(木) 15:51:30 ID:???O
コナンは当分心配ないなww
223メロン名無しさん:2009/03/05(木) 17:12:55 ID:???0
YAIBAからずっと継続で読んでる身としては、
青山世界はたぶん一生続くんじゃないかとすら思ってしまうw
224メロン名無しさん:2009/03/06(金) 21:26:09 ID:???O
こっちのネウロはアニメネウロの方か…
225メロン名無しさん:2009/03/12(木) 23:39:38 ID:a8WITQgI0
保守―
226探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/03/14(土) 20:57:38 ID:lPuRrtm7O
【氷室の系譜U】:コナンパート


島への航海は至って平和に穏やかに幕を閉じた。
港からまたしても車に乗り替え、一行は島の中心部から外れた場所にあるという屋敷を目指す。
「先代当主の慶一郎様があまり人との交流を好まない方でしたから、当然屋敷の場所も辺鄙になってしまって……。
いろいろ不便でしょうけど、お許しくださいね」
人どころか猫の子一匹いない森の中を軽快なハンドル捌きで突き進みつつ、理緒が言う。
かわりに私たち使用人が誠心誠意お仕えしますからと、使用人の
鑑のようなせりふも付け加えた。

時間にしておよそ三十分あまり。朝霧にけぶる森を抜けたコナンたちを迎えたのは、思わず息を飲むほどに重厚で美しい洋風の邸宅だった。
森の景色と調和するように上品な佇まいであるが、長い年月に裏打ちされた確固たる威容をそこかしこから感じられる。
ハワイあたりの別荘のようなにもっとちゃらちゃらした建物を想像していたコナンは、心中少し面食らっていた。

「皆様、長旅お疲れ様でした。
ようこそ氷室邸へ」
理緒の言葉に、元太たちの歓声が重なった。
森の空気は朝ということもあってすばらしく澄んでいる。
爽やかな森風は驚くほどすんなりと肺から
全身に馴染んで、身体に染み付いた都会の熱気を追い出して行った。

「すごいお屋敷だね、コナン君。空気もおいしいし、すっごくいいところ」
くっ、と蘭がしなやかな身体を目一杯に伸ばす。
形のいいバストの輪郭がホルターネックのキャミソールに存外くっきりと浮かんでいるのが見えてしまい、コナンはそそくさと目を逸らした。
227探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/03/14(土) 21:01:49 ID:???O
さて、滞在先の氷室邸だが大きく分けて二つの建物が存在する。
一つはもちろん、コナンたちが今まさに足を踏み入れようとしている本館、そしてもうひとつが旧別館と呼ばれる客人用の建物である。
しかし本館からはだいぶ離れているうえに、ある事情で今はもう使われていないらしい。
小五郎が理緒にわけを尋ねたが、「いずれ武夫様が教えてくださるでしょうから」と手短な答えだけが返ってきたのみであった。
あまり話したくない―――そんな無言の主張が、彼女の様子から伝わってきた。


屋敷に一歩足を踏み入れるなり、二人のメイドがコナンたちを出迎えてくれた。
一人は先日、理緒とともに事務所にやってきた和辻美鈴。
今日はきちんと―――と言うのも妙な話だが―――メイド服を着ている。
黒いロングドレスに白いエプロン、そしてカチューシャ。
余分な装飾を排除した上品な雰囲気は、ちょうどこの屋敷の外観に似ている。
シャーロック・ホームズの登場人物を思わせる、古き良き英国風メイドスタイルといった所だ。
「(……いやいや、なんでメイド服考察なんかしてんだ、俺)」
そんな趣味はなかったはずなのだが。
「わぁ、あれが本物のメイド服なんだね!
でも歩美はピンクのヒラヒラしたのが着てみたいな」
「ぼく、もっとスカートが短いのかと思ってましたよ」
「あれ言わねーのかな!『お帰りなさいませ、ご主人様!』ってやつ」
「あなたたち、マスコミに毒されすぎよ」
コナンの横で盛り上がっている探偵団に、哀が冷静なツッコミをいれていた。

「お待ちしておりました、毛利様」
すっ、と一歩踏み出て深々と礼をしたのは美鈴ではなく長身で色白なもう一人のメイドだった。
年の頃は三十代後半、少なくとも理緒や美鈴よりはだいぶ上だろう。
「メイド長の風間千佳です。以後お見知りおきを」
「やっ、これはご丁寧にどうも」
228探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/03/14(土) 21:06:46 ID:???O
「長旅のところお疲れと存じますが、武夫様がリビングでお待ちです。お荷物は私どものほうで部屋まで運んでおきますので、どうぞこちらに。
理緒、野添君を呼んでらっしゃい。荷物を運ぶわよ。
美鈴は毛利様たちをリビングにご案内して」
きびきびと指示を出す姿は、さすが理緒たちメイドをまとめるだけあってよどみなく、そして手慣れていた。
そんなわけで理緒と別れたコナンたちは、今度は美鈴のあとについてリビングへと向かう。
屋敷の内装も暖色系の落ち着いた色合いで統一してあり、華美な装飾品の類はあまり見当たらない。
代わりにさりげなく、高価な外国の調度品が置かれていたりするのだが。


通されたリビングにはすでに四人の人物が揃っていた。
小五郎を見るなり、ソファに座っていた中年の男性が真っ先に立ち上がった。
彼こそが氷室家当主にして今回の依頼人、氷室武夫である。
「毛利さん!お会いできて光栄です。遠路はるばる、よくいらっしゃいました」
五十六歳という経営者として熟成しきった年齢の武夫だが、今もなお身体中から精力的なエネルギーを発散させている。
犬のように人懐っこい笑顔も手伝って、実年齢より十歳は若く見えた。
「はじめまして氷室さん。お招きいただき感謝いたします」
「いえいえ、見てのとおり娯楽も何もあったもんじゃない所ですから。
毛利さんの数々の武勇伝を聞くのが楽しみで楽しみで。
滞在中はどうぞごゆっくり羽を伸ばしていってください」
何も知らない伊織のために、小五郎はこれまでの探偵憚を語るため武夫に招待されたゲストという扱いということになっている。
あくまで伊織の前でだけという話なので、
伊織を除いた氷室家の人間はもちろん小五郎がやって来た本当の理由を承知しているが。
「政隆、こっちに」
武夫に呼ばれ、四人の中でも飛び抜けて背の高い男性がつかつかとこちらにやって来る。
229探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/03/14(土) 21:08:44 ID:???O
気楽な服装の武夫に対してかっちりとスーツなど着込んでいるが、ヘアワックスで好き勝手な方向に跳ねている明るい茶髪のせいでどうにもそれは締まらない。
おまけに目付きはやたらと鋭くて、歩美などは彼が動き出した瞬間に哀の後ろに隠れてしまった。
オフィスでてきぱきと書類を片付ける姿より、夜の歌舞伎町あたりで客引きをしていたほうがしっくり来る。
つまるところ、氷室政隆はそういう雰囲気の男だった。
「ありがちね。兄と比べられてばかりいることや資産家の家庭特有のあれやこれやに嫌気が差して、道を踏み外す弟」
「おめーは昼メロに毒され過ぎだよ、灰原」
とはいえ、彼女のイメージにかなり近いことをコナンも抱いてしまったのは否めなかった。
さて、彼の第一声は―――。

「ようこそ、毛利さん」
丁重に頭を下げ、至極落ち着いた声音で政隆は告げた。
悪い大人の見本みたいな風貌の男から「うぃっす」でも「けっ!」でもない、あまりに常識的かつ模範的な挨拶が飛び出したことに、コナンはもちろん小五郎まで目を丸くした。
「次男の氷室政隆です。
毛利さんのような素晴らしいお方をお迎えできて、私も光栄に思っています。
後学のためにもぜひ色々とお聞かせください」
すらすらと、外見からは想像もつかないほど丁寧な歓迎を述べる政隆に、小五郎はすっかり呆気に取られていた。
武夫は愉快そうに笑いながら、自分よりも頭ひとつぶんは背の高い息子の肩に手を置く。
「自慢の息子ですよ。
驚いたでしょう?人は見かけによらないという、いい例です」
「まったくですなぁ」
言ってから失言に気付いたのか、小五郎はしまったと言わんばかりに両手で口を押さえた。
しかし政隆は気にする風もなく、鷹揚に笑ってみせる。
「構いませんよ。ご覧のとおり誤解されやすい外見ですから。
顔は怖いし、地毛はこんな色だし、おまけにひどい癖毛のせいでいつもこんなヘアワックスで固めたみたいな髪型になってしまって」
230探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/03/14(土) 21:09:55 ID:???O
世の中、違う意味で恵まれた人間もいるらしい。
次に武夫は三男の海斗を紹介した。
兄とは正反対の漆黒の髪を持つ彼は、華奢で中性的な顔立ちの少年である。
清々しいまでに無表情なのがまるで人形を思わせるが、握手をしようとしゃがんだ小五郎を一瞬、品定めするよな目付きで眺めたのをコナンは見逃さなかった。
そしてとうとう、彼女の番がやってきた。

「氷室伊織です」
透き通った声で、彼女は兄たちがそうしてきたように自らの名前を告げる。
一礼してから上げられたその顔には―――あまりに無邪気な笑みが浮かんでいた。
231探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/03/14(土) 21:12:38 ID:???O
【氷上に咲く花】:コナンパート


一言で言えば、氷室伊織は「美少女」だった。
それも相当の。
大きな目と長い睫毛、そして少しふっくらした桜色の唇が、作り物めいて白く滑らかな肌に完璧なバランスで配置されている。
浮き世離れした美しさとでも言うのか、彼女の美しさは絵の中に表現されているかのように現実味のない美しさだった。
彼女が少し身動きする度に、濡れたように艶やかな黒い髪がさらさらと揺れる。
折れそうなほどに頼りなく細い身体と、紺色のロングスカートから覗くすらりと伸びた足。
容姿はもちろん、何より彼女を一線を画した美少女たらしめているのは、その雰囲気だった。
純真無垢を体現したようなお方ですよ、と理緒が道中で小五郎に漏らしていたが、いざ伊織を目の前にすると、それがけして言い過ぎだったわけではないとわかる。
初対面のコナンでさえ、目の前の少女は疑うことも警戒することも知らないのだということがありありと伝わって来た。

「はじめまして、毛利さん。
毛利さんが来てくださるのを、ずっと楽しみにしてました」ちょこんとスカートの端をつまみ、実に可愛らしく小首を傾げてみせた。
「まったくだ。昨日も興奮して寝付けなかったらしいじゃないか?
美鈴が困ってたぞ」
横から政隆が楽しそうに口を挟む。途端に伊織は頬を赤らめた。
「もうっ、政隆兄さまったら!それは話しちゃだめって約束じゃない!」
スーツの裾をくいくいと引っ張って反抗する彼女の頭を政隆は優しく撫でてやり、海斗はさりげなく伊織をなだめてやっている。
そしてそんな子供たちの様子を、武夫は目を細めて見ていた。
反対に小五郎は目を丸くしている。当然だ、目の前の家族はあまりに幸せそうで、深刻な問題など何一つ抱えていないように見える。
だが、今かわいく兄にじゃれている可憐な少女は、一度発作を起こすと見境もなく暴れて家族の心を痛ませているという。
これはあくまで偽りの平和。
少なくとも、伊織の暴走の原因をつき止めるまでは。
無邪気に笑顔をふりまく伊織を、コナンは黙って見つめていた。
232探し屋S ◆hL8yvMjNJs :2009/03/14(土) 21:13:09 ID:???O
投下終了。
キリよく11日(前回投下日から満一か月)に投下しようとしたら季節はずれのインフルエンザにかかって断念。
最近気付いたけど、伊織って普通男の名前なんだな…
知り合いに産まれた女の子の名前の候補にあったらしいのを思い出して、「なんか伊織ってかわいいなー」ぐらいの気持ちで使ってた。第二候補の菜々子にしときゃよかったと今更後悔してるwww


なんとなく作業用BGMとして流してたもの
The Silver case
Mysterious(コナン前オープニングテーマ)
Someone to watch over me(FSRオリジナルサウンドトラックより:伊織登場シーンにて)

次回はネウロパート。たぶん。
233メロン名無しさん:2009/03/20(金) 13:12:28 ID:???O
乙!!
自分で登場人物表をつくってしまったぞw
234メロン名無しさん:2009/03/23(月) 22:35:57 ID:???O
>>233
手書きか?だとしたらすごいな。
オリキャラ達をコナン・ネウロどちらの絵柄で再生するか迷う
こればっかりはどっちに傾いてるかによるんだろうが
235メロン名無しさん
ルパンコナンおもろかった