確か、今日が納品予定のはず。
放送の二日前。
問題があってもどうにもなりません。
というか問題だらけじゃなかろーか。
実数は把握してないんだけど、たぶん、330カットくらいのうち、作監に原画が入ったのは60から70だったとおもう。
レイアウトもみてないカットがいっぱいあるし。3D絡みはかなりね・・。
ヘルプの作監さんにも入ってもらったけど、たぶん実働2週間無かったんじゃないだろうか・・。
結局仕事をしない(できない)演出を切って、副監督が引き継いだわけだが、動きが遅いよー・・・。
作画も仕上げも撮影も間に合わなくなってからなんて・・。レイアウトの(原画の)発注もかけていないカットがかなり残っており、
最後までヘルプの方と手分けして1原(ラフ原)をおこす作業をしてました・・・。
結局そこでタイムアップ。
オンエアを観てあわてたらしいクライアントから、最低これだけは作監に見てもらってくれとリストアップされたカットも
果たしてどれだけ目を通せたのやら・・。(とはいえあの状況で80カットものリストを出す方もどうかしている。
絶対無理な数を出されれば、努力目標に意識がシフトするのは自明の理。)
しかし、どんどん国内原画の能力レベルが落ちているのには毎回驚かされる。
下には下があるというか、底が知れない・・。
今回に限っていえば、完全に海外に負けていました。完敗。もはやかつての技術的な優劣の意識付けは逆転しました。
生産量過多のため、国内では原画能力のある人間は軒並み作監を持たされている有様。
対して海外にはまだ作監で手がふさがっていない原画さんがまだ結構いる。
簡単に言うとこういうこと。
もちろん、人材が不足しているのは作画だけでなく、ほとんどの現場がそうであり、特に制作はオーバーフローと不良人材の即時投入で各所で事故が多発している模様。
ほんとうに末期的な状態。
アニメの制作体制は総体として破綻してしまいました。
新作が150本以上進行しているとの噂ですが、これがどんなにばかげたことか、ちょっと考えればわかりそうなもの。
150人の監督、700人の作画監督。話半分にしてもこれだけの人材がいったいどこにいるというのか。
まともな物作りができる条件がそろわないのだから、まともでないものができあがるのは当然で、それを容認できないのであれば、
作るものを減らすか人を増やすか二つに一つ。
後者はまず無理。なぜなら人数だけをいたずらに増やした結果、一部のチェック業務のところで使えないものを作り直さなければ
ならない数が膨大になり、結局かえって少人数で描き直すことになってしまっているのが今の状況だから。
つまり今回の事態はイレギュラーではなく、当然の結果でありこれから数多く想定される事態の端緒にすぎないのです。
とはいえ今回のはひどすぎだけど・・・。