歴代鬼太郎が兄弟だったら3

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615リレー長編
空気読まずに投稿してごめんなさい;
自分は堅いのしか書いたことないけど、ギャグもカップリングも好きです。
皆の楽しい作品読みたいです。



戸田「ううっ」
目覚めると、そこは真っ白で何もない世界だった。
戸田「どうしたんだろう、俺」

「手荒なことしちゃってごめんね」
戸田「! お前はっ」
後ろを振り向くと、いつの間にか先程の少年が立っていた。
幾重「僕の名前は幾重、ってことはもう知ってたんだね。 ・・・ほ、ほんとにごめん。こうでもしないと君と話すことが出来なかったから・・・」
戸田「あ、いや、待って。それはいいんだ。えっと、その前に状況を説明してくれよ」
戸田は混乱していたが、何故か少年を責める気にならなかった。
敵意が感じられないということもあったが、それ以上に何か事情がある気がしたのだ。
戸田「お前の話も聞くよ。でも、ここはどこで、お前は何者なんだ?」
幾重は少し驚いた顔をしたが、八の字に曲げられた眉をゆるめて「ありがとう」と言った。


幾重「まず、ここは君の魂の中。 僕・・・いや、僕たちは、ここで使われていた実験体が集まって出来た者なんだ」
戸田「実験体?」
幾重「うん。 普段、僕たちはさっきみたいに別々の体で、刷り込まれた動作しかできない。弱ると、今君の目に見えている“僕”を“中心”として一つになり、回復体制に入るんだ」
  「そのときは中心である“僕”の理性もちゃんとあるけど、喋ったり複雑な動きはできない」
だから、会話するためにこんな方法を取ったんだけど・・・。と、またまた申し訳なさそうにする少年を、戸田は「もういいってば!」と牽制した。
戸田「さっきの手刀は魂と魂をを触れあわせるためだったんだな。かなり強引だけどさ」
幾重「あはは・・・;」
戸田「あの男が『妖力の消耗が激しい』って言ってたけど。俺と早く話すためにわざとやってたのか?」
少年は頷いた。
幾重「『増援』って聞いたときは焦ったけど、間に合ってよかったよ」
フフ、と微笑みを浮かべているが、彼がここまでして伝えたいこととは何なのだろう。