ここはSOS団と仮面ライダーを共演させるスレです。
昭和、平成のどちらでもOK!
小ネタ、SS大歓迎!
自分もSSを制作している最中です。
ルールみたいなの
1.アンチ、荒らしはスルー
2.18禁など年齢制限のある作品は書かない
3.作品に対してのコメントはなるべく10分くらい経ってからで
4.自分の好きなキャラの出番が少なかったり、活躍が少ないとしても文句は言わない
作者には作者なりの考えがあるかもしれません
5.中傷は禁止
(例「もう書くな」、「うぜえ」、「いい加減止めろ」)
前スレ
もしも天道総司が涼宮ハルヒの通う高校にいたら
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1163514446/
ノノ)))、ヽ
/⌒ ⌒\
/ (●) (●)\
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::ヽ 今日休みっすかww?
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
_\ (∩ヽ>―くヽ /フ―、
 ̄((つ⌒:::::::::::ヽ、 /:::::::::::: / ̄ ̄\
ヽ \_ヽ:::::::::::l=l:/ _ノ \
\_ノ:::::::::l::: ̄:| ( ●)(●)
|::::::::::::::::::::::. | (__人__)
|ヽ。フ|ニニ□ニ | ` ⌒´ノ \ 休みだから来たんだろ
|______i| L| | } \ 常識的に考えて・・・
| ∧ ヽ } \
| | | ヽ ノ \
| / ̄〜ー、
( ̄ ̄() ヽ
| ̄ ̄| | \
3 :
メロン名無しさん:2007/05/03(木) 14:07:59 ID:2LiIbRTv0
下手すりゃ落ちるぞ
( ´Д`)y──┛~
こ ん な ス レ を 立 て る こ と が あ な た の 楽 し み で す か ?
こ ん な 人 間 に す る た め に カ ー チ ャ ン は あ な た を 生 ん だ の で す か ?
こ ん な あ な た を 見 た カ ー チ ャ ン は 何 て 言 う と 思 い ま す か ?
J( '-`)し
( )\(∀` ).
│| (_ _)ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
5月13日は母の日です。今まで親孝行できなかった人も、
ずっとしていた人も、母の日には親孝行しましょう。
あなたの「ありがとう」の一言がカーチャンには一番の贈り物です。
とりあえず、まずは前スレ埋めようよ。
まだ
>>908が向こうに投下を続けてるが埋めていいのか?
そろそろまとめサイトが欲しいな
キモ声杉田死ね
11 :
908:2007/05/07(月) 18:54:10 ID:???0
>>8 どうせたいしてレスも無いから目一杯使おう思うて
埋めるんだったら次からはこちにするよ
前スレが落ちたのでアゲ
13 :
908:2007/05/10(木) 00:12:55 ID:???0
埋める必要も無かったな〜
14 :
908:2007/05/10(木) 00:33:10 ID:???0
下校途中皆と別れた朝比奈みくるは思案に暮れていた。理由がなんにしろただならぬ事が今起こっているのは間違いなかったが、今の彼女の権限ではそれを知ることは出来なかった。
普段ならば泣き出したりするのが彼女のキャラだったが、今はそんな事をしている暇なんてなかった。その時突如後ろから誰かが声を掛けてきた。
「朝比奈みくるさん。」
振り返るとそこに立っていたのは20代だろう会ったことはないが、よく知っている女性今の朝比奈みくるより少し大人の朝比奈みくるだった。
「はじめましてよね? 」
数年後の彼女は言った。自分と対面してはじめましてと言うのもおかしいが、この二人は直接会うことは初めてだった。
「はじめまして。」
彼女は何といっていいか解らずオロオロしながら挨拶を返した。
「あなたに話したい事が有るの。」
そう言って彼女を近くの公園まで連れて行った。
15 :
908:2007/05/10(木) 00:34:05 ID:???0
もう日も暮れて寒くなった公園には当然人影は無かった。数年後の彼女は不安そうに見つめる彼女をベンチに座らせて話し始めた。
「どんな事を聞いても驚かないで…と言うのは無理でしょうね。」
数年後の彼女は思いつめた顔で彼女を見て大きくフウッと息を吸った。
「単刀直入に言って…あなたの帰るべき未来は消滅するわ…」
数年後の彼女は驚かせないように落ち着いて教えるが、自分でも驚かないはずないと思うことだ、彼女が驚かないはずはもっとなかった。
「えっ!? どーゆー事ですか!? 」
16 :
908:2007/05/10(木) 00:35:25 ID:???0
彼女は悲しみや驚き色々な感情がごちゃ混ぜになって目に涙を溜めながら数年後の彼女の腕を掴んだ。
「それを今から説明するわ… あの日の文化祭、原因不明の時間振動が起こって時間断層が発生した。
その影響で昨日の文化祭のライブ終了以前への時間遡航が不可能になった、それは既定外の事態だったの。つまり私が過ごしてきた過去は今の世界じゃないのよ。
そう、過去が消えれば当然未来もきえる。」
「あなたは未来の私じゃないんですか…?」
「正確に言うと未来のあなたとは別人よ、記憶が違うの私の記憶では文化祭の日に失踪事件なんて起きなかったし、この時期にあなたと会うことも無かった。」
「でも、時間に連続性が無いのでしたら何で時間を遡れるんですか…?あなたもまだ存在しているのに。」
「そうね、それはまだ時間断層のズレが少ないからなのそしてもうすぐこの時間と、私たちの居た未来はズレの拡大によって完全に隔絶される。そうなれば私の存在も消滅する可能性があるわ。」
「それって、3年前の七夕の事や天道さんに関係あるんですか…? 」
彼女は話を聞くうちにフと頭に浮かんだ疑問を口に出した。
「天道さんって誰なの? 」
「キョンくんが七夕の日に私の知らない人に会ったって言うんです…」
彼女は懸命に1時間ほど前スミスから聞いたことや、緊急会議で聞いた話を伝えた。
「初めて聞く名前だわ、天道総司…断層のズレを直すヒントに…調べてみる価値は有りそうね。」
今まで淡々と話しているだけだった数年後の彼女は考え込んだ。
「それって、もとの未来に帰れる可能性もあるって事ですか? 」
「安易な約束は出来ません。私がこの時間に滞在できる時間はあと少しだけどその間に、時間のズレを直してあなたがもと居た未来に帰すのは簡単なことじゃないの、あなたになら解るわよね。」
「わかります…でも…」
彼女の目に溜まった涙はすでに溢れ出していた。
「私も頑張るから。一緒に頑張りましょう。」
彼女の肩に手を置いて元気づける為微笑んで小さくガッツポーズをして見せた。
「あ、その為にも情報が多いほうがいいわ。明日涼宮さんを除いた団員にいつもの喫茶店に集まるように伝えておいてくれるかしら? 」
「はい、わかりました。」
彼女の返事を聞いた数年後の彼女は別れの挨拶とともに立ち去り、彼女は一人公園で呆然としていた。
17 :
908:2007/05/10(木) 00:39:04 ID:???0
言い訳
前スレにも書いたがSF難しい
正直…説明不足、不明瞭なことが多いかも知れん
おかしなとこ、訳わかんないこと
が有れば言ってくれ直すから
S F
説明不足 不明瞭
なるほど
俺の大好きな仮面ライダーをハルヒとかいう糞作品と一緒にするのはやめてくれ
お前より俺のほうが好きだから問題なし
>>20 それはないし、もしそうだったとしてもハルヒはやめれ
この世界を閉鎖空間の侵蝕から守る為には空間発生の原因である
涼宮ハルヒをミラーワールドに封じ込めるしか無い。頼むぞ龍騎!
26 :
908:2007/05/10(木) 23:43:53 ID:???0
ところでこの作品では時間の流れはアニメーションみたいになってて
たとえタイムトラベラーが時間を変えようとしても時間の流れは変わらない
そんな感じの見解だったと思うんだが
仮にタイムマシンの製作者とかを殺しても何も無かった事になるのか
殺そうとしても殺せないのかどっちなんだろう?
作者が明示してない以上俺理論が必要になってくるかな?
GOD SPEED LOVEでの天道はタイムパラドクスで消えたよな
カブト関係なく突っ走る908
ハルヒ関係なく突っ走るロスメモ
って感じだよな
たしかに割合が違うな。
どっちも比率は1:9ぐらいだけどw
29 :
908:2007/05/11(金) 18:16:57 ID:???0
翌日の放課後彼女の呼びかけでSOS団―ハルヒ除く―緊急会議が始まった。
「今日皆に集まってもらったのは他でもなく文化祭の失踪事件の事です。」
数年後の朝比奈みくるは最年長者らしくその場を仕切り、昨日と同じ話をその場に居る全員に伝えた。
「おい…嘘だろ…」
「信じられませんね。」
「…」
すでに話しを聞いた朝比奈みくると、いつも無表情な長門有希以外の2人は驚きの言葉を口にした。
しかし、この中でその事態に一番驚いていたのは長門有希だった彼女は文化祭の日に校庭に居た数人が消えた事実以外の事象を何も知らなかったからだ。
しかし、それに気が付く人間は誰も居なかった。
「ちょっと待ってくれよ。朝比奈さんは前にこの時間はパラパラ漫画みたいなもんだからいくら時間を変えようとしても変わらないって言っていたじゃないですか。」
頭を抱えたスミスに数年後の朝比奈は説明した。
「確かに時間平面の1コマに落書きをしたぐらいでは未来はかわらない。でも、今回はそれとは全く違うんです。1コマに落書きをしたというレベルの話では無くて…何と言えばいいんでしょう。」
数年後の朝比奈もしばらく頭を抱え考えている事の整理をつけた。
「そう、コマ自体がズレたんです。」
ピッタリあわせた手のひらをずらすジェスチャーをして見せた。
「そして、その未来が無いはずのズレた先で私達の全く知らない未来が描かれ始めた。」
「解らん…第一ハルヒの起こした時間断層とか言うのとは何が違うんだ? 」
さっきまで頭にあった手は目頭をギュッと押さえてた。
「涼宮さんの起こした時間断層の正体は正確には解りませんが、以前お話したとおりで時間平面同士が離れたんです。」
それに答えた高校生の朝比奈は合わせた手のひらを離して見せた。
「今回の時間断層は先ほどのお話のとおりズレなんです。」
「時間断層という同じ表現が適切かは解らないけど、それ以外に解かり易い呼称は無いんです。なにしろ初めての事態ですので。
むしろ今回のケースのほうが時間断層と呼ぶにはふさわしいかもしれません。」
数年後の朝比奈は高校生の朝比奈の話を継いだ。
「解った…理解は出来んが、理解できんことが解った。で、それにあの天道総司って奴が関係有るんだな? 」
30 :
908:2007/05/11(金) 18:19:11 ID:???0
スミスは開き直って話を進めた。
「まだ予想の段階ですが可能性は高いと思います。」
数年後の朝比奈は真剣に答えた。
「さすがハルヒのモト彼だったって事はあるな。普通じゃないぞまったく。」
呆れて手を頭の後ろにやってのけ反ってつぶやいた。
「それは初耳ですね。ボクの方でも色々調べましたが、なにせ時間が無かったものですからあまり有意義な情報は有りませんでした。」
スミスの独り言に反応したのは古泉一樹だった。
「コレなんですけどね。」
手に持っていた茶封筒から何枚かの資料をその場のメンバーに見せながら説明した。
「天道総司16歳6年次に東小に転校その時に涼宮さんと出会ったんでしょうね。
東小を卒業後、東中に入学しかし2年次からは不登校になっています、その後は高校にも行かず言わばNEETですね。
それで、関係有るとは思えませんが、彼は1999年の渋谷隕石で被災して両親を亡くして天道家に引き取られましたその時に東小に転校したようです。
旧姓は日下部。今は天道家で同じく渋谷隕石の被災者でもある義理の妹の樹花さん14歳と二人暮らしをされているみたいですね。それと…」
古泉がいつもの調子で淡々と資料を指しながら説明している最中高校生の朝比奈が話に割り込んできた。
「
31 :
908:2007/05/11(金) 18:19:58 ID:???0
あのすみません、渋谷隕石って何ですか? 」
「朝比奈さんはご存知無いんですか? 」
驚いた様子で古泉とスミスは顔を見合わせた。
「確かに朝比奈さんはこの時代の人じゃないから知らないかもしれませんけどね。一時期は大ニュースだったんですよ。
落ちた年が1999年ってのもあって、恐怖の大王光臨か!?とか色々言われて。」
スミスは彼女に対して説明を続けた。
「被害も落ちた場所が渋谷って事もあって、相当ひどかったんですよ。それに隕石から有害な放射線が出るとか出ないとかで長い時間渋谷は閉鎖状態だったんです。
復興が始まってから1年経ってなんですから。」
真剣に聞いていた朝比奈両名は顔を見合わせた。
「私達の未来では1999年に隕石なんて落ちてません! 」
驚いた彼女たちは同じ言葉を同じタイミングで発した。驚いたのは彼女たちだけではなかった。
「渋谷隕石…天道総司…この二つには100%の確立で因果関係がある。」
今の今まで沈黙を守っていた長門だった。
「おい、長門、何でそこまでハッキリ言い切れるんだ? 」
「渋谷隕石の存在は情報統合思念体にも観測出来なかった。天道総司も同じ…」
「もう少し解りやすく説明してくれ。」
「情報統合思念体は地表に落下するまで隕石の存在を知らなかった。落下後初めてそれに対する人間のリアクションを観測して初めて渋谷に隕石が落下したことを知った。
しかも、隕石自体及びその周辺の観測は不可能だった。」
「で、それと天道総司とどんな関係が有るんだよ? 」
訝しげな表情を浮かべた。
「天道総司についても同じ。彼とその周辺の環境についての観測は不可能だった。」
「もっと解りやすくはならないのか? 」
「透明人間…」
その喩えを理解したのかしてないのかスミスは頷いて話を促した。
「で、長門はその天道総司を調べることは出来ないのか? 」
「可能性はある。しかし、天道総司が渋谷隕石と同じ場合調査用のインターフェイスが何の痕跡も情報も残さず突然消失する可能性がある。」
「いよいよもって話が複雑になってきましたね。」
古泉からはいつもの笑顔は消えていた。それならほかの全員も同じで誰も笑っていられる状況ではなかった。
「……………」
5人の沈黙
32 :
908:2007/05/11(金) 18:20:55 ID:???0
「先ほどの話の続きですが。天道総司さんと義妹の樹花さんを引き取ったのは老婦人なんですが、現在の行方は[機関]でも調べることは出来ませんでした。
それと、彼の素行を調べるため何人か尾行付けたのですが、ことごとく全員巻かれてしまいまして。コレがボクの調べた内容全てです。」
この説明を聞いた全員が天道総司は普通の人間ではないと再確認した。
「他に何かある人は居ませんか? 」
数年後の朝比奈はみんなの顔を見て聞いが、これ以上何の情報も出てこなかった。
「では、今回の話を時系列順に整理してみましょう。初めは1999年渋谷に隕石が落下した。
コレは起こりえないはずの過去、この時から少しずつ時間平面のズレが発生し始めたと考えるべきですね。しかし、3年前以前であったため未来での観測は不可能だった。」
一つ一つの事柄を丁寧に伝えていった。
「それからの事は俺のほうが詳しいだろうから俺が話しますよ。」
彼女は説明役をスミスに代わった。
「で、その隕石で被災した天道総司は両親を亡くして天道家に引き取られて東小に転校。その時にハルヒと出会う。卒業後は普通に東中に入学。
中1の時の七夕の日に俺やハルヒと一緒に校庭落書き事件を起こす。コレも朝比奈さんの言ってたズレなんですよね? 」
「そうよ、そのズレも観測は出来ませんでした。原因は涼宮さんの起こした時間断層が大きすぎてそれに隠れてしまった可能性が高いです。」
確認を取って話を進めていった。
「その後、2年の時から不登校になって今はNEETって事か。あと、時期は知らないが1年の間にハルヒと付き合っていた時期が1週間程あるらしい。」
混乱しそうな頭を整理するためなるべく冷静に説明していった。
「それから、文化祭の日の失踪事件ですか。それを境に未来でも観測できる程の時間平面のズレが発生してまったく違う世界が始まろうとしていると。」
古泉が最後にこの話をしめると、全員は苦悩の表情を浮かべていた。
「古泉も長門も無理ならやっぱ、天道総司に直接話を聞くぐらいしか手がかりなんて見つかんねえぞ。」
「危険が伴う可能性がある。」
ふて腐れるスミスに長門は言った。
「人類一個人が時間振動を発生させられるとは考えられない以上、天道総司も涼宮ハルヒと同じまたはそれに類する力を持っている可能性がある。」
「しかし、渋谷隕石や七夕、失踪事件が単なる偶然で天道総司さんが関っていない可能性もあります。文化祭の日の時間振動の中心は解りませんでしたから。」
「それは有り得ない。」
数年後の朝比奈は発言を長門にバッサリ切り捨てられてイラついたがそれを押し殺すように黙った。
「ちくしょう。調べることも直接聞くことも出来ないのかよ、完全に手詰まりじゃねえか。」
スミスはまた頭を抱え込んだ。その後もろくな案は出ず、昨日の会議と同じく『天道総司は怪しい! 』という曖昧な結論で会議は終了した。
うわぁ説明クド
続き頑張って下さい、期待します。
とりあえず、自分のSSではキョンを除くハルヒキャラの出番が少なくなりそうなので
その分、カブトキャラの出番を増やすつもりです。
>>25 現在8話の推敲や9話を作っている最中ですので、まだ当分かかると思います。
時間がかかってすみません・・
どうでもいいかもしれませんが、読んでいない人のためにちょっと一言
このSSでのキョンと加賀美は同一人物で、記憶を失ったキョンに加賀美の名が付けられたという設定です。
あと、キョンがガタックの正体と知っているのは基本的にはカブトキャラだけで
ハルヒキャラでは朝倉以外誰も知りません。
現時点で正体をキョンの正体を知っているキャラ
天道、大介、剣(理由 たまたま協力して戦っていたから)
矢車、影山、岬、田所、立川、大和、修羅(理由 ZECTに関係しているから)
ゴン、じいや(理由 キョンが変身解除したとき、たまたまそこにいたから)
ちなみに朝倉が知っている理由はキョンと戦って負けたからです。
今回の朝倉はマコトくんみたいにタランテスワーム パーブラとして登場しました。
次回登場するときは天道と戦わせます。
まあキョンですらも勝てる寸前だったから天道の圧勝は間違いないですが。
長文失礼しました。
さらにもう一言。
今回は劇場版ライダーとかも登場します。
矢車と影山はぐれるのか考えている最中です。
あと名前書いてありませんでしたが、一応同一人物です。
何となく俺(908)もタイトルを名前にしてみました。
あいつが現れてから俺たちは散々な目に遭った。
ワームとか言う謎の宇宙生物に襲われたり
みんなで閉鎖空間に閉じ込められたり
でも、あいつはそれ以上のモノをみんなに残しいった。
「自立進化の可能性。それは自分の可能性を信じること。」
「たとえ未来が無くなっても今の私が無くなる訳じゃないですから、私の未来は私で見つけます。」
「この世界に唯一絶対の神なんてものは初めから居なかったのかもしれませんね。
一人一人の意識が、コレは人間以外もですが世界を変えていくんですね。」
とうのハルヒは
「私の世界は私が守る。」
とかいって正義のヒーローに目覚めたらしい
それは俺も一緒なんだがな・・・
「俺たちの世界だ俺たちが守ろうぜ。
同じ道を行くのは、ただの仲間に過ぎない。別々の道を共にたって行けるのが友達だろ?
なぁ、天道・・・」
ご愛読ありがとうございました。
908先生の次回作にご期待ください!
超打ち切りエンド
何があったか無茶苦茶気になるぞ
荒らしだろ。気にすんな。
40 :
908:2007/05/18(金) 01:50:12 ID:???0
スミスと古泉は帰る方角が同じだったので途中まで一緒に帰ることになっていた
「なぁ、古泉さっきの話は役に立ちそうか? 」
先ほどの話があまり理解できていなかったので古泉に聞いた。
「ボクにとって有意義な情報はあなたの言った天道総司と涼宮さんが付き合っていたかもしれないって事ですね。昨日の閉鎖空間が発生したといったじゃないですか。」
「それと何の関係が有るんだ? 」
「解りませんか? 昨日の閉鎖空間はあなたが天道総司の名前を出した後発生した。それはすなわち、昔涼宮さんと天道総司さんの間に何か軋轢を生じさせる事があったということです。」
少し小ばかにした様な態度で答えた。
「あぁ、それなら谷口が詳しいんじゃないか? 俺はさっき話して事以外知らんが、あいつならその二人とは同じ中学で、天道総司とも友達だったらしい。」
「それならあなたのほうから聞いてもらえますか? ボクは谷口さんとはあまり親しくありませんし。」
「考えとくよ。」
スミスのぶっきら棒な返事に苦笑いした。
「それにしてもハルヒのやつと何があったのかね? 」
「それは予想も出来ませんが、偶然にも彼が現れたという事は涼宮さんが彼との再会を望んだとは考えられませんか? 」
「それでも、ハルヒのあの態度普通じゃなかったぞ…」
「彼女も悩んでいるのでしょう。」
「悩む? あのハルヒがか? 」
「普通の女子高生ですから。」
白い歯を見せて笑いかける古泉にスミスは引きつった笑いで返した。
41 :
908:2007/05/18(金) 01:53:00 ID:???0
ちなみに上の荒らしもどきも俺
何となくエピローグ的な何かを書きたくなって勢いで書いた。
次回からはやっと天道動き出します。加賀美や蓮華も動きます
例の如く変身はだいぶ後になりそうだけど
42 :
39:2007/05/18(金) 19:27:58 ID:???0
本人だったのか。
ちょっとすみませんでした。
ageないと落ちるぞ
44 :
908:2007/05/21(月) 20:33:49 ID:uzo+Cs1R0
ところでまとめ作ろうと思うんだけど
WIKIとか無理だからブログ形式でも問題ないよな?
いいんじゃない?
46 :
908:2007/05/22(火) 16:00:56 ID:???0
問題はタイトルを何にするかって話なんだが
「仮面ライダーとSOS団を共演させるスレまとめ」とストレートにやるか
俺はハルヒとかカブトって単語入れたほうがいいと思う
あぁ〜悩む・・・
ハルヒ…お前との思い出は、数え切れないほどあるし…
お前を思い出させるものも、数え切れないほどある…
そして何より…何よりお前の笑顔が忘れられない…
遅いよな…今頃になって言うのは…
俺は…
俺は…
俺はお前が好きだった!
お前のことを大切に思っていた!
『DROP』『FIRE』『GEMINI』
『BURNING DIVIDE』
「…ハルヒィィィィィ!」
48 :
908:2007/05/23(水) 23:38:06 ID:???0
49 :
908:2007/05/23(水) 23:40:13 ID:???0
言い忘れた
タイトルとサブタイ勝手につけるから要望があれば変えるよ
50 :
908:2007/05/24(木) 23:42:45 ID:???0
ロスメモ
仮面ライダーケタック
ゴルゴムの仕業かッ!!(勝手に命名)
のUP終わりました
ブラック、ケタック続き読みてぇな〜
51 :
メロン名無しさん:2007/05/26(土) 22:29:51 ID:KF26u9Tl0
最近ロストメモリーズの続きが更新されてないな……。
大変でしょうけど楽しみにしてるのでお待ちしています。
52 :
908:2007/05/27(日) 01:02:40 ID:GigiXzKq0
「ねぇ、キョン聞いたまた謎の転校生が来るんですって! 」
朝、ハルヒは目を輝かせて前の席のスミスに話しかけた。
「謎ってまた大げさな。」
「そうなのよね。謎の転校生分は古泉君で足りてるし。」
まったくかみ合わない会話に呆れたスミスは適当な生返事を返すだけだった。
「でも、あの事件の後だし。転校生が実は犯人でコレから学校で怪事件が多発したりしないかしら? 」
「おいおい、物騒なこと言うなよ、まだ何の手がかりも無いんだろ!?」
ハルヒのちょっとした冗談でも彼は必要以上に過剰な反応していた。
「冗談よ。」
いつもと違う態度にふて腐れて窓の外を見た。
そんな事をしている間に担任の岡部が教室に入ってきた。
「もう知ってる人も多いと思うが、今日はHRの前に転、転校生の紹介をする。」
彼を転校生と言うべきか岡部は悩んだが理解しやすいよう転校生と呼ぶことにした。
「じゃあ、入ってきて。」
その転校生がガラガラとドアを開けて入っていくと教室に居る少なくは無い人数が驚いた。特にハルヒとスミスの驚きようは普通ではなく、ほぼ無意識に席を立っていた。
53 :
908:2007/05/27(日) 01:04:22 ID:GigiXzKq0
「じゃあ、入ってきて。」
今日から俺の担任となる岡部の言葉を聞いて教室のドアを開けた。さすがに中学生とは違って罠を仕掛けられてはいなかった。
教室に入り辺りを見るとたった二人で立ち上がっているハルヒとスミスの姿があった。
「そこの二人席に着け。」
そう言れ渋々に席に着いていた。
「転校生の天道総司くんだ。自己紹介を」
促されて天を指差し言った。
「この世で覚えておかなければいけない名前はただ1つ。天の道を往き、総てを司る男。」
窓から覗く太陽を指差し
「俺の名は天道、総司。」
教室の大半は騒然とした。
「自己紹介それでいいのか? 趣味とか? 」
岡部はうっとうしい顔で俺を見た。
「俺の席はどこだ? 」
答えを聞かない間に教室でたった一つの空いている席に着いた。
その後の休み時間は「どこから来たの? 」とか「趣味は? 」とか転校生特有の質問攻めはうっとうしかったが敵を作るわけにはいかず適当な返事でその場を乗り切った。
谷口も「今まで何してたんだよ? 」と質問してきたが、それは無視することにした。授業中はさすがにそれは無かったので今回の事で思案を巡らせた。
その間時々ハルヒから突き刺さるような視線が送られてきたが気にも止めなかった。
(SOS団といったか世の中の不思議を探すとか谷口は言っていたな…それであいつか…)
昼休みになって谷口が飯に誘ってきた。
「どうせ、お前一人だろそれなら一緒に食おうぜ。」
「俺は忙しいんだ。」
そういうと席を立ちSalle へと向かった。
54 :
908:2007/05/27(日) 01:10:08 ID:GigiXzKq0
Salleは学校から徒歩約15分の位置にあり拠点にするには場所は最適だった。
「天道か…どうしたんだ? その服」
「俺も今日から高校生だ。ひより、さば味噌だ。それと加賀美は居るか? 」
「わかった。お前が高校生…」
短く簡潔に答えるとひよりは首をかしげながら厨房に入っていった。
「久しぶりだな、天道。取り敢えず座れよ。それにしても制服似合わないな。」
奥の席の片付けをしていた加賀美が出てきた。
「それなら向こうに座るぞ。」
ワームを知っているとはいえ、ひよりには聞かせたくない話だからと座った外のテラス席はさすがに寒かった。
「お久しぶりですね。師匠。師匠は何でも似合いますね。」
満面の笑みでお冷を持ってきた蓮華はそのまま席に着いた。
「おい、お前は関係ないだろ! 」
と加賀美はツッコミを入れるが、蓮華はまったく気にする様子もなく俺に話を促してきた。こいつの事は気にせず話を進めることにした。
「で、何か手がかりが有ったのか? 」
「確実なのはたった1つだけだな。」
「1つってそれは…」
加賀美が言いかけたときひよりがさば味噌を運んできた。
「それで、いったいお前らは何の話をしてるんだ? 」
「それはだな…天道が学校に馴染めるかって話だ。」
適当な言い訳をするが無理があった。
「無理だな。」
言い残すとひよりは気を利かせたのか店の仕事に戻っていった。
55 :
908:2007/05/27(日) 01:11:47 ID:GigiXzKq0
飯を食いながら話を元に戻した。
「さっきの続きなんだが手がかりってなんだ? 」
「ジョン・スミスという男が居て確かあだ名はキョン。」
「ジョン・スミス? 外人か? 」
加賀美は訝った。
「いや、偽名だろう。日本人だ本名はわからん。本名で呼ばれたところを見なかった。」
名簿を見ればすぐ解るだろうが残念ながらその機会は無かった。
「そいつが? 」
「俺はそいつと3年程前に会ったことがあるんだが、その時から容姿がまったく変わっていない。」
「そいつがワームか!? 」
興奮した加賀美の言葉を聞いて蓮華も驚いた。
「ワームですか!?」
「声がでかいぞ。」
驚く加賀美と蓮華をたしなめ一息ついて言う。
「ああ、間違いないだろう。」
「じゃあ、早くそいつ倒さないとダメですよ。」
「落ち着け。まだ狙いも解っていないのに下手に倒すと刺激するだけだ。」
刺激して動き出した奴を片っ端から潰していく強攻策も考えたが、それをやるには学校という場所と俺の1人では不安があった。それを成功させるには必ず加賀美の協力が必要だった。
「でも、どうするつもりだ? 」
「しばらく泳がせて様子を見る。」
今はまだ派手に動く時期ではないからだ。
「さすが師匠ですね。」
蓮華は賞賛の言葉を述べたが、しかし昨日、一昨日とそれは失敗に終わっていた。
「それと確実な手がかりではないが2日ほど前から俺に尾行がついている。ココに来る前も3人ほどまいた。」
失敗はそのせいだった。
「蓮華。お前はそいつに逆監視を付けられるか?」
「当然ですよ。もとゼクトルーパー訓練生ですから。先輩には無理でしょうけどね。」
自信満々に胸を叩いて見せた。
「蓮華お前。」
加賀美は蓮華を睨みつけたが、蓮華のほうは何とも思ってないようだ。
「加賀美。事実だ。」
「なら俺は何をすればいいんだ? 」
心外そうに質問してきた。
「学校外でのジョン・スミスの監視だ。お前はまだ面が割れていない。それに、たとえ襲われても自分の身ぐらい守れるだろう? 」
リスクは高いがこれ以外に状況を劇的に変えられる案は無かった。たとえ失敗して襲われたとしても被害が出る前に俺が手を打って強攻策に移すだけだった。
「解った。学校の方は任せるぞ。天道」
「ああ。」
続き頑張ってください。
とりあえず、自分もSSの続きを投下します。
クロックアップによる高速移動の中、俺はワームと戦っている。
俺達はビルの中や外を縦横無尽に駆け巡る。戦いの衝撃で部屋の壁が崩れ落ち、巨大なホールのようになっている。
奴はパンチ中心の単調な打撃を繰り出してくるが、そんな物ひょいと避けて、そこから双剣を使ってワームの胴体を斬りまくる。
そいつはそれでふらついていく、俺は続けるように胴体を滅多斬りにする。
しかし、向こうも負けじと右手についてある触手のような鞭で俺を攻撃してくる。
それをまともに浴びてしまうが、別に痛くない。
だが、いくら何でもうざったいのでそろそろ片付けよう。
俺は、ワームの腹にキックを食らわす。すると、軽く吹き飛び、壁に激突していった。
必殺技のライダーカッティングを使うため、双剣をハサミのような形にする。
『Rider Cutting』
電子音が鳴ると同時に、あのワームが跳びかかってきた。刀を使ってそいつの胴体を挟む。
挟むのと同時に、俺は両腕に力を込める。すると、ハサミとなった双剣から電流が流れた。
挟まれたワームはもがいている。俺は更に力を込めた。
そうしている内に、そいつは爆発して跡形も泣く消滅し、緑色の炎と消えていった。
『Clock Over』
ワームが爆発すると同時に、クロックアップの状態が終わった。
俺は刀を元の位置に戻す。
気がついたら俺はビルの外に立っていた。
周囲の様子を見ると、壁に穴がたくさんできていた。無我夢中で戦っていたから、回りの様子まで気にしていられなかった。
我ながら少しやりすぎてしまったかもしれない。まあでもここは使われていないらしいし、もし修理するとしてもZECTが修理費を負担するはずだ。
それはそうと、矢車さんはどうなったのだろうか。まだあのヘラクスとかいう奴と戦っているのか。
俺は様子を確かめるために、ビルの中へと戻った。
矢車の視点
「キャストオフ」
『Cast Off』
俺はキャストオフのために、バインドリングを倒し、ザビーゼクターを反対側に回す。
マスクドアーマーが吹き飛び、ライダーフォームに変化する。
『Change Wasp』
マスクドフォームのままでは、最初からライダーフォームのヘラクスにスピードで負けてしまう。
それにクロックアップを使われてしまう可能性も十分にある。
こいつはここで絶対に始末する。ZECTを裏切っただけでなく、ここにいる俺の仲間を傷つけた。
動けるのは四,五人くらいしかいない、そいつらは柱や壁の陰からヘラクスに向けてマシンガンを構えている。
そのヘラクスは右手に持ったアックスモードのゼクトクナイガンを怒涛の勢いで振り回しているが、そんな物は軽く避けられる。
奴の胴体にパンチを喰らわせる。
続けるように右フックを繰り出すが、避けられてしまい、そこからヘラクスのキックを喰らってしまう。
俺は軽く吹き飛ばされ、汚いコンクリートの床に叩き付けられへたり込んでしまう。
だがここで負けるわけにはいかない、この裏切り者をここで片付ける。
俺はすぐに起き上がってパンチを繰り出す、奴は俺に抵抗しているのかゼクトクナイガンで俺のアーマーを斬る。
ヘラクスの胴体を標的に、強烈な蹴りで吹き飛ばす。
それを喰らったヘラクスは、コンクリートの床に倒れた。
ここで仕留めてみせる!
「ライダースティング」
『Rider Sting』
ザビーゼクターのフルスロットルを押す。左腕に電流が流れ、体中に力がみなぎっていく。
「ライダービート!」
『Rider Beat』
倒れたヘラクスは右手首のカブティックゼクターを反対側に倒すと、俺と同じように右腕に電流が集まっていく。
対抗するために奴も必殺技を使う気か、だがそうはさせん。
俺は地面を強く蹴って駆け出す、先手必勝だ。
同じように奴も地面を強く蹴って駆け出した。
ヘラクスはストレートを繰り出してくるが、俺は軽く避ける。
よし、隙ができた。
俺は渾身の力を込めて、左ストレートをヘラクスの右肩部分のボディースーツに突き刺した。
その衝撃で、ヘラクスは軽く吹き飛び、その体は地面に叩き付けられる。
急所は外れているだろうが、今の一撃でかなりのダメージを与えたかもしれない。
まだ変身解除はされていないが。
勝った……!
「ぐ……!」
ヘラクスは右肩を押さえて唸っている。
俺は奴に近づく。
「勝負あったな、俺の勝ちだ」
「ただでやられてたまるか……!」
「何?」
その途端、ヘラクスは勢いをつけて俺の右肩に、ゼクトクナイガンを乗せてきた。
「しまっ……!」
気づいたときには遅かった。
ヘラクスは勢いよく、俺の胴体部分のアーマーを斬ったのだ。
それを喰らい、俺は膝をついてしまう。
迂闊だった……
「矢車隊長!」
「隊長!」
壁や柱の陰に隠れていたシャドウの隊員は俺の元に駆け寄る。
そして、ヘラクスが近づいてくる。
シャドウの奴らはマシンガンを構える。
「よせ……お前達に勝てる相手じゃない」
隊員たちは俺のほうに顔を向ける。
まずい、このままでは全滅してしまう。こいつらだけでも逃がさなければ。
いや、たとえ逃がしたとしてもヘラクスがいては、無事でいられる可能性が無い。
「念仏でも唱えているんだな」
ふざけるな、こんな所で死ぬつもりは無い。
どうする…どうすれば……
しかし、ヘラクスは突然外に顔を向ける。
そして、再び俺達のほうに顔を向けてきた。
「今日のところは見逃してやる、命拾いしたな」
信じられないことを口に出してきた。
「どういうつもりだ」
「お前らには関係ないことだ」
そして、ヘラクスは俺達に背を向けると、突如姿を消した。
クロックアップを使ったのだろう。
一体どういう事なんだ、奴は俺達を殺すのではなかったのか。
なんてザマだ、裏切り者を始末するつもりが、返り討ちになった上に逃げられてしまう。
……だが、何にせよ全滅という最悪の事態は免れたか。
加賀美(キョン)の視点
ビルの外から戻り、目にした光景は、それはもう酷かった。
壁は無茶苦茶に破壊され、床に穴が開き、シャドウの連中がバタバタと倒れていたのだった。
高い震度の地震、または大型ハリケーンの直撃でもあったのかと疑う。
原因は予想できるが、ライダー同士の戦いというのは、こうも被害が出るのか。
これじゃ、ワームに好き勝手に暴れてもらうほうが、まだマシな気がするぜ。
俺は少し恐ろしくなってきた、ライダーの力というのはこんな大災害的な被害を与えることができてしまう。
まあ、何事も使いようだ。俺が使い方を誤らないようにすれば、それでいい。
原因である人物はそこにいた。
矢車さんの体にはアーマーが無く、口から血痕を流している。
傷は深いようだが、命に別状は無いかもしれない。
そんな矢車さんに、数人のシャドウの奴らは肩を貸している。
しかし、あのヘラクレスオオカブトを連想させる銀色のライダー、ヘラクスはいない。
おいおい、まさかあいつ一人で矢車さんやシャドウの連中を倒したってのか。
シャドウはZECTのエリート部隊のはずだ、それをたった一人で蹴散らしたってのか。
辛うじて、足の踏み場は残っているので、俺は矢車さんの元へ駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
矢車さんは俺に顔を向ける。
「一体あいつは何者なんですか」
「奴は…織田秀成」
俺には聞き覚えの無い名前を矢車さんは口に出す。
「元はZECTの一員だったが、一ヶ月前に組織から姿を消した」
俺が記憶を失ってから、この町に戻った時期だ。
「この組織の情報網さえあれば、簡単に捕まえられるんじゃないですか」
「今のZECTはそこまで手が回らない」
そりゃまた、何故。
「残念だがそれは言えない、しかしこれだけは言う」
口から血を流したまま、矢車さんは言う。
「我々が裏切り者の始末よりも優先してやるべきこと……それは、マスクドライダー計画の要となり、ZECT勝利の鍵を握る……」
駅前でスピーチをやる政治家のような顔で、矢車さんは言う。
「言えるのはそれだけだ」
話は終わった。
マスクドライダー計画の要? ZECT勝利の鍵? まったく理解できん。
とりあえず、大企業の極秘プロジェクト並みに重要というのは確かだろう、それだけ分かれば十分だ。
「これから俺達は仕事の報告に向かう、それじゃあな」
矢車さんはシャドウの連中に肩を貸したまま、俺に背を向ける。
っておい、ちょっと待て、何か忘れていないか。
それは、矢車さんに肩を貸している奴らとは別に、床にバタバタと倒れているシャドウの連中だ。
「矢車さん、倒れているこの人達はどうするつもりですか」
「医療部隊に連絡を入れた、そろそろ来るはずだ」
向こうは即答する。
「君も、そろそろ帰ったらどうだ? あの店のバイトがあるんじゃなかったのか」
そうだ、そういえばビストロサルで掃除があるんだった、危うく忘れるところだったぜ。
俺は適当に矢車さん達に別れの挨拶をし、あの人たちの通る道とは別のほうだが、ビルの外へと出た。
そして、俺のベルトからガタックゼクターが外れる。それと同時に、体を包んでいたアーマーは分解消滅した。
しかし、ZECTほどの組織が裏切り者の始末をお粗末にそるほど重要な仕事とは何だ?
ワームとの戦いに勝利するための鍵になるというが、それをワーム側にキャッチされたらどうするつもりだ。
まあ、俺みたいにZECTの正メンバーでない奴には関係ないことか。
さて、ビストロサルに戻るとするか……
店の掃除が終わったので、俺は家への帰路についている。
あれから、ビストロサルに戻ると、ひよりがしかめっ面をしていた。
「サボってたのか」、「やる気あるのか」などとストレートに言われた。後々から蛇のようにしつこく言われなければいいが。
一時はホントにクビになるかと思ったが、バイト代を減らされるだけで済んだ。別に減っても困るわけではないが。
ここのバイト代は、俺みたいな一般高校生が持つには十分な金額だ。
そういう面から見ると、クビになるのは惜しい気がする。
ちなみに、あの天道さん対矢車さんの豆腐を巡っての料理対決は、ひよりが言うには引き分けらしい。
俺と矢車さんがワーム退治へと向かったすぐ後に、判定人が来たのだという。天道さんの言う『人類の宝』だ。
何でも天道さんは、その人に目一杯のおもてなしをし、更には敬語までも使っていたという。
俺はその話を信じることができなかったが、ひよりが言うから本当のはずだ。嘘をつく奴とは思えないからな。
一体どんな人なんだか、いろんな意味で見てみたい気がするよ。天道さんに敬語を使わせるなんて、どんな魔法を使ったんだか。
ちなみに、ひよりが言うには礼儀正しく、外見は老紳士風な男性で、『いい人』を絵に描いたような人らしい。
まあ、そんなの別にどうだっていいか。
08 終わり
今回から本編とは別に、エンディングのショートストーリーみたいなのも入れるつもりです。
仮面ライダーGATACK −LOST MEMORIES−
ショートストーリー
ビストロサルにて
天道「天の道を往き、総てを司る男……それがこの俺、天道総司だ」
加賀美(キョン)「はいはい、すごいですね〜」
天道「お前にも名を付けてやろうか?」
加賀美(キョン)「結構です」
天道「ところで気になってたんだが、お前の本名は何なんだ? 加賀美というのは偽名のはずだ」
加賀美(キョン)「俺の名前ですか? そんなの……って、そういえばなんだっけ?」
天道「おいおい……」
加賀美(キョン)「落ち着け、俺の名前は……そうだ! 確か俺の名前は……!」
天道「次回もお楽しみに〜」
加賀美(キョン)「って、ちょっと〜!」
またみてね!
ここで、投下を止めます。
エンディングのショートストーリーはスーパーヒーロータイムのエンディングコントを意識しました。
>>51 こちらも更新したいのですが、家のパソコンでは
現在アクセス規制に巻き込まれてこの板に書き込めない状態になっているので
続きが遅れるかもしれません。
今回のは、書く分だけ印刷してネットカフェのパソコンを使って投下しました。
当分、まとめサイトのお世話になるかもしれません……
・・・記憶喪失の人間が過去の重要な手がかりを前にして、
思い出す片鱗も見せないってのはどういうわけだろね。
凄まじく嫌な記憶があって、強く封じ込められてるのか?
>>1 SSってどういう意味ですか?
マジレスお願いします
>>65 乙でした 今回も楽しく読ませてもらいました
だけど、もうちょいハルヒたちの方の出番が欲しい
せっかく天道達も北高転入で役者も揃ったんだし
日常パートでいいからハルヒはじめ他のSOS団とライダーの登場人物みたいに
作品の違うキャラ同士の掛け合いが見てみたい
69 :
908:2007/05/28(月) 01:34:58 ID:???0
アンカミス?
天道が転校したのはロスメモの方じゃなくて
俺のほう
ちなみにキャラ同士の絡みとかはもうすぐだします
70 :
68:2007/05/28(月) 01:46:17 ID:???0
昨日このスレとまとめサイト見っけてがーっといっぺんによんだから頭の中で微妙に混ざってました、申し訳ない
ロスメモの天道は屋上の焼きそばパン屋さんだった
でも作品枠超えた掛け合いに期待してるのは本当です
908さんの方でのそういう展開も期待してます
71 :
1/5:2007/05/28(月) 22:05:12 ID:???0
触発されてこんなのを書いてみた
とある事がきっかけでZECTのライダーとなったキョン
任務と戦いの日々に、SOS団に参加する時間が見る見るうちに減っていき
ついには市内の不思議探索までサボってしまう。
そんなキョンのおかげでハルヒのイライラは加速度的に増大。
ひよりと話していたのを誤解されたことがトリガーとなり、大爆発を起こしてしまった。
ハルヒ「アンタなんかもうクビよッ,二度と顔を見せないで!!」
キョンを殴り倒し、泣きながら立ち去るハルヒ
ハルヒ「ひっく…ひっく…キョンのばかぁ…」
矢車 「涼宮、お前は良いよなぁ」
影山 「俺達なんて涙も涸れ果てたよ」
ハルヒ「だ・・・誰?」
矢車 (この女、瞳の奥に闇が見える。俺と同じ地獄を見たか)
影山 「アニキ!?まさかコイツに惚れたんじゃないよね!?」
みくる「な…なんなんですかぁ、あの黒い人たち 会話の内容もなんか危ないです(ガクブル」
長門 「…ユニーク(ボソ」
72 :
2/5:2007/05/28(月) 22:06:46 ID:???0
古泉たちの機関は、この件で発生した最大規模の閉鎖空間と最強レベルの神人の前になす術もなく敗れ去る。
機関発足以来、初めての「敗退」であった。
もう一度、閉鎖空間に突入し再戦を挑むべきか、それとも現実世界でまずは事態の収拾するべきか。
どちらにしても残り時間は少ない。
決断を迫られる古泉。
だが、そんな彼の背後には、SOS団潜入を狙うワーム達の影が迫っていた!
古泉 「ぼ、僕だけこんなシリアスですか…というか死亡フラグ立ちまくってるんじゃ」
73 :
3/5:2007/05/28(月) 22:07:54 ID:???0
一方、怒りに任せた勢いとはいえ、己の発言に後悔していたハルヒ
それを見かねた鶴屋さんはメイクアップアーティスト、風間大介を呼び寄せる
鶴屋「ちょろ〜っと来て一仕事してくんないかなぁ、お代はあたしが出すからさっ」
風間「お安い御用です。どこにだって参上いたしますよ。」
鶴屋「だいじょうぶっ、これで謝ればちゃんと仲直りできるはずっ!」
だが、肝心のハルヒは鶴屋の予想に反して意固地になってメイクを拒否。
さらに、ハルヒの元に向かう風間の前には、岡部率いるハンドボール部が立ちふさがる。
岡部 「今のボールは警告にすぎん。貴様のような不審者は学区内に存在することもおこがましい!、早々に立ち去れい!」
風間 「メイクとは何の関係もないが、かつてハンドボール部でインターハイまで行ったこの腕を再び見せる時が来たようですね」
岡部 「我々とハンドボールで勝負しようというのか?いい度胸だ!」
国木田「馬鹿だね・・・5体1で勝つつもりかい?」
谷口 「WAWAWA」
74 :
4/5:2007/05/28(月) 22:08:48 ID:???0
天道 「いや、5対2だ。まぁ、この男は戦力外といっても良いから、俺一人でも構わんが」
岡部 「お前は屋上の焼きそばパン屋!?貴様、どういうつもりだ!!」
天道 「どうもこうも、お前に付き合ってハンドボールをしてやると言ってるだけだろう」
田所 「私が入ろう、これで5対3だ」
岡部 「あ、あなたは私の大学で先輩だった田所さん!?」
岬 「5対4よ、キョン君にはさっさとZECTの任務に集中してもらわないと困るの」
神代 「じいや、俺は我が友マッガーレのnoblesse obligeに応えるため
このハンドボールでキ・ヨーオンとハルハールの仲を取り持ってやろうと思うのだが」
じいや「坊ちゃま…良くぞそこまで成長なされました・・爺は爺はうれしゅう思いますっ!」
神代 「任せておけ、俺はハンドボールにおいても頂点に立つ男だ!」
75 :
5/5:2007/05/28(月) 22:10:30 ID:???0
ハルヒ「アンタ達!アイツらをさっさと追い返すわよ!(ハンドボールで)」
矢車 「任せなさい、君の邪魔は誰にもさせない」
影山 「なぁ、これに勝ったら俺達を本当にSOS団に入れてくれるんだな?」
みくる「な、何でこの人たちがここにいるんですかぁ!?SOS団に入るってなんですかぁ!?(ガクブル)
キョン君、早く帰ってきてぇ!」
キョン「え〜と…何をやってるんだあいつらは…」
加賀美「あの〜ワームが沸いてるんだけど…」
岬 「こっちは忙しいの、そっちで片付けといて」
加賀美「…」
キョン「…」
ワーム「…」
こうして世界の命運を微妙にかけてるっぽいハンドボールが始まろうとしていた!
古泉「すいません、死にそうです、早く助けてくださ…ッアー!マッガーレ!?」
終わり 多分続かない
以上です
書いたのもさらしたのも勢いでやった 後悔はしていない
微妙だったらすまんです
漏れの単発ネタは蟲ですかそうですか。いいよいいよどうせ漏れなんか…
78 :
メロン名無しさん:2007/05/30(水) 21:41:30 ID:Bg/NNRF/0
>>67 SS=サイドストーリーってことね。ショートストーリーでも可。
要するに2次創作作品って解釈でいいと思う。
>>77 なんでいじけてるかイマイチ分からんが、やさぐれるのはもっと色々チャレンジしてみてからでも遅くないと思うぞ
>>47とかはスルーしたわけじゃないんだろうけど小ネタ過ぎたんではないかとw
矢車さん!矢車さんの書いたハガキなら劇場版カブトのDVDはきっと当たります だからこれ以上やさぐれないでください!
「見たか!俺の新しい必殺技!」モモタロス
「今までのとどこが違うんだよ」キョン
「脳ミソまで筋肉のモモの考えなんて(笑)」ウラタロス「テメッ!」
「そういうお前は脳味噌皮肉で出来てるのかね」キョン
「人の事言えないと思うよ〜?」ウラタロス
>>82 あれ?な〜んかスレ違いじゃね?
確かに似てるよ。このスレとあっちのスレは。
いいんじゃない? カブト以下旧シリーズ限定ってわけでもないし
>>82-84 あっはっは・・・書いたの作者本人ですよ・・・
確かに載せ分けた方がいいですね。次から思いついたやつは向こうに上げときます
まとめサイトに仮面ライダーカブトの憂鬱だけが無いけどいつになったらUPされるの?
前スレにあったあれも読んでみたい。
87 :
908:2007/06/13(水) 22:32:22 ID:???0
88 :
メロン名無しさん:2007/06/14(木) 12:11:33 ID:5JrYgGNT0
谷口「もうWAWAWAも忘れ物も無いんだよ」
※細かい設定とかキョンの性格とかそういうのには目をつぶっていてくれ、そこまで考えられるほど余裕無いから。
「キョン!海に連れて行きなさい!!」
高校を卒業し、BOARDの一員として戦う傍ら、気ままに大学生活を送っていたある日のハルヒの言葉である。コイツは昔から
そうだが、どうしてこう、言う事が突飛なんだよ。まぁ、そこがコイツのいい所でもあるんだが。人生というのは誠に不思議
なものである。今の状況を見ると、時々そう思う。昔はあんなに嫌っていたハルヒが、今ではどこの女よりも可愛く見える。
ラブ・イズ・ブラインド、恋は盲目とはこういうことを言うのだろうか?…いや、今はそんなことはどうでも良い。今、考え
るべき問題は、「何故、ハルヒは海に行きたいのか?」という事だ。まさかとは思うが、一応、聞いてみよう。
「なぁ、ハルヒ。まだ海水浴のシーズンでもないのに、どうして海に行きたいんだ?」
「理由なんか必要ないわよ!」
言うと思った。僅かな可能性を信じた俺が馬鹿だった。しかし、次の瞬間、俺の思考は変わった。
「それとも何?アタシとデートするのが嫌なの?」
「なんだよ、デートならデートって最初から言えよ。ほら、さっさと行くぞ」
一応言っとくが、これでも昔と比べると随分素直になったんだぞ、コイツも俺も。昔だったら最終的にハルヒの怒りを
買い、俺は必要以上の重労働&出費をさせられたのだが、今となってはご覧の通りさ。
そして、俺とハルヒの通う城北大学の駐車場。俺は愛車のレッドランバスに寄りかかりながら、支度をしているハルヒを待っていた。
鍵をくるくる回しながら、持ち歌の「rebirth」を口ずさみながら暫く待っていると、遠くから上機嫌なハルヒの声が聞こえてきた。
「待たせたわね!それじゃ、レッツ・ゴー!」
「ライダーキック!!ってか?」
ハルヒの言葉にふざけて答えつつ、俺はレッドランバスのエンジンを吹かし、目的地の海へと向かった。
>>63の続きを少し投下します
09
どこにでもありそうな一日、誰でも一度は体験しているかもしれない何気ない一日。
そんなよくある一日を、俺はこれからビストロサルのバイトで過ごす。
ごく普通のバイトだが、別に嫌いな方ではない、むしろのんびりできて好きだ。
あそこで適当に仕事をして、のんびりとした雰囲気を過ごす……
文芸部を占領して、世界の不思議を探すと言われる、SOS団とか言うトンチキな団体よりはよっぽどまとものように思える。
第一、学校はそんな訳のわからん団体を認めているのか? そんな団体が学校に存在出来ていることの方がよっぽど不思議だと思うが。
俺はその団体が探しているような世界の不思議に、ほぼ毎回直面している。
でもあいつらにそれを言う気は全く無いし、言える訳がない。
もしも言ったら、俺の知っている超巨大組織から何をされるかわかったものじゃない。
とりあえず、生きて日の光を拝めることはまず無さそうだ。
それはそれとして、バイトの途中でその巨大組織ZECTから連絡が入らないことを祈ろう。
連絡の意味はワームとの戦いだろうからな、でもそんなのはごく希のはずだ。
そうこうしている内に、ビストロサルの前に着いていた。
「こんにちは〜」
俺は扉を開けて挨拶をし、中に入る。
入った途端、ひよりが現れた。
しかし、どういう訳か腕を組んで口を歪め、顔をしかめている。
「加賀美、これは何だ」
ひよりが指を指した先には、横に長いトロ箱が五つ、テーブルに積んであった。
「な、何だよこれ」
「僕が聞きたいよ」
ひよりは即答する。
「弓子さん、凄い金額払ってた」
そうなのか、いつこんなに買ったんだ。
「頼んだ覚えはない」
何だそりゃ、新手の悪戯か。
気になるので一番上の箱を担いで、宛先を確認する。
差出人は書いていないが、受取人の名前を確認したとき、俺は目を疑った。
「お届け先、ビストロ・ラ・サル、加賀美新……って、何だこりゃ!?」
そこにはビストロサルの名と、俺の名前が書いてあった。まあ偽名みたいな物だけど。
何でこの名前が書いてあるんだ、この名前を知っている人間はごく少数のはずだ。
「加賀美のバイト代から天引きするって」
何故だ、俺はこんな物頼んだ覚え全くないぞ。
これは俺への悪質な悪戯か、それともワームが俺の財布を空にしようという陰謀か。許せん。
「こんにちは〜」
俺の頭の中に様々な説が飛び合っている中、ドアが開いて聞き覚えのある声が聞こえる。
「加賀美さん、ひよりさん、こんにちは!」
振り向くと、そこにはえらく元気な挨拶をする少女がいた。俺はその子に見覚えがある。だが、名前はすぐに出てこない。
「君は確か……」
「天道樹花で〜す!」
少女が自分の名前を名乗ったので、俺は思い出した。
そう、『天の道を往き、樹と花を慈しむ少女』と自称し、俺が知る天道さんの家族、天道樹花ちゃんである。
この子は、あんな電波を具現化させたような人の妹とは思えないぐらいに常識があり、活動的だ。
それ以前に本当に同じ血が通っているのかどうか、疑わしいぞ。
「うわ〜届いてる!」
この子はこの店にいきなり届いたトロ箱を見て、灼熱の笑顔で目を輝かせている。
「君は一体ここに何しに……」
「『松輪のサバを取って来い』ってお兄ちゃんに言われたの!」
俺の問いかけに対して、樹花ちゃんは異常なまでのテンションで答える。
サバを取って来い……?
箱の中身を確認する。
蓋を開けると中から出てきたのは、こりゃまたビックリ、氷に包まれていて、水晶のように透き通った目のしたサバが、鱗を輝かせていた。死んでるけど。
「おばあちゃんが言ってたの」
無邪気な笑顔のまま、樹花ちゃんは言う。
「どうせ食べるなら、最初で最高の物を食べなさい……って」
出た、天道さんお得意の『おばあちゃんが言ってた』
この台詞が来ると、決まって尊い教えのような物が出てくるんだよな。
これは兄妹共通なのか。
しかし、一つの疑問が生じる。
箱の重量はわからんが、恐らく一箱五〇〇グラムはするかもしれない。それが五つもある。
……これ、誰が運ぶんだ。
俺は西洋の貴族でも住んでいそうな豪邸をイメージさせる、天道さんの家で体の疲れを癒している。
あれから、樹花ちゃんが「『お兄ちゃんが加賀美に手伝わせろ』って言ってたの」と、訳のわからん事を言ってきた。
天道さんは俺を何だと思ってるんだ。
財布? それとも使いパシリ?
まあ、もし断ると後々から何されるか分かったものじゃない。
あの人は、この世のあらゆる電波を吸収し、具現化させたような人間だからな。
そういや、涼宮もSOS団とやらの活動では、無茶苦茶なことを言っていた気がするな。何だったか忘れたけど。
まあそれはそれとして、俺はトロ箱に入ったサバを天道さんの家に運んだのだ。店の開店までまだ時間があるから、時間潰しみたいな物と考えよう。
主に俺が運んだのだが、ひよりも一箱だけ運んでくれた。
樹花ちゃんは、両手の塞がった俺とひよりが通るのに障害になる、門や扉を開けてくれただけだ。俺やひよりの労働に比べると明らかにレベルが低すぎる。
まあ、あんな子に多くを求めてもどうにもならない。
ちなみにひよりがここに来た理由は、天道さんに用事があるかららしい。
そういう訳で、俺はリビングに備え付けられた高級そうなソファーに体を寄せてくつろいでいる。
俺の手伝いをしてくれたひよりはキッチンで、ハートやひまわりのアップリケが付いたやたらに派手なエプロンを巻いた樹花ちゃんと料理をしている。
樹花ちゃんは天の川の輝きをそのまま閉じこめたかのような瞳をしながら、ひよりのフライパン捌きを見ている。
その光景はまるで仲の良い姉妹のようだった。ひよりが真面目で優等生な姉で、樹花ちゃんはそれに対応する元気溢れる妹と言ったところだろうか。
そんな微笑ましい光景を眺めながら、俺はソファーでくつろいでいる。
ふと、備え付けられているテーブルに目が向かった。
そこには真っ白の印画紙が一つあるだけだった、何となくそれを手に取る。
それは写真だった。そこに写っているのは麦わら帽を被り、清々しい笑顔を浮かべる幼い少年と、間を挟むように三十代に見える男女が写っていた。
恐らくこれは少年時代の天道さんとその両親だろう、あの人にもこんな純真無垢な時期があったんだな。
一体いつ、どこで、何がどうなってあんな二四時間フリータイム人間になってしまったのだろう。面影が全然無い。
まあ、それは一見だけで裏では社会のために人間に害を及ぼす害虫の駆除に貢献しているのだけど。
「加賀美さん、どうしたの?」
俺が写真を見ながら、考え事をしていると、横から樹花ちゃんが眩しい笑顔で、俺の顔を覗き込んでくる。
「いや、こんなのを見つけて」
俺は写真を見せる。
「この子供って、昔の天道さん?」
真ん中の少年を指す。
すると、樹花ちゃんはぽかんと口を開ける。
「この人達……誰?」
へ?
「真ん中のはお兄ちゃんであってる、でもこの人達は知らない」
何を言ってるんだ、この人達は君や天道さんの両親じゃないのか。
「これは……!」
俺達の視点が写真に吸い込まれそうなとき、横からひよりの声が聞こえる。
「ちょっと、見せてくれ」
ひよりが言うので、俺は写真を渡す。
「どういう事なんだ……?」
ひよりは目を見開きながらそう呟くと、ポケットから真っ白な印画紙を出した。
手に持ったそれと、幼少時代の天道さんが写っている写真を見比べている。
ふと、俺は横から覗いてみる。そこには信じられない物が写っていた。
ひよりが出してきたのは写真だった。七歳くらいに見える少女と、その両親と思われる男女が間を挟むように写っていた。
この少女はずっと昔のひよりだろう。ひよりの両親はずっと前に亡くなったとのことだ、唯一の思い出として持っているのか。
しかし、目を疑うことが一つだけある。
それは、天道さんの間を挟んでいる男女と、ひよりの両親と思われる人物の顔が、あまりにも似すぎていることだ。
世の中には自分と似たような人間が何人か存在すると言われている。しかし、これは同一人物がそっくりそのまま写っているとしか思えない。
もしやどっちかがワーム……いや、ワームが現れたのは七年前だ。この写真はそれより前に撮られているはず。
「これって、どうなってるの…?」
樹花ちゃんはひよりみたいに目を見開きながら、呟いている。
俺の脳内に謎が広がっていくと、リビングのドアが開き、そこから買い物袋を持った天道さんが現れた。
「お帰り、お兄ちゃん!」
樹花ちゃんが笑顔で天道さんを迎える。
そんな中、ひよりが写真を持って天道さんに駆け寄る。
「これ、何なんだ」
ひよりは二枚の写真を天道さんに見せつける。
「これはお前の両親か?」
ひよりの持つ写真を指しながら言う。
「そうだ、お前は僕の両親と関係があるのか」
険しい声で、問いかけている。
さて、天道さんの写真に写っている男女とひよりの両親はどんな関係があるんだか。
「ただの他人のそら似だ、自分とよく似た人間がどこかにいても不思議ではない」
そう言うと、天道さんはキッチンに向かっていった。
呆然と立ちすくんでいるひよりの元に駆け寄り、俺は声をかける。
「ひよりよ、今の答えで納得したか」
「全然……」
数秒後には記憶から消えてしまいそうな声で言う。
キッチンでは樹花ちゃんが天道さんが料理を作る様子を見ている。
「お兄ちゃん、写真に写ってたあの人達って誰なの?」
「昔世話になった近所のおじさんとおばさんだ、まだ樹花が生まれる前の話だ」
「へ〜その人達は今何してるの」
「外国で暮らしている」
「ふ〜ん」
天道さんと樹花ちゃんのやりとりを俺はふと眺めてみた。
それはまさに、どこの家庭にでもありそうな平穏な日常を現しているかのようだった。
って、そんなことよりも天道さんに言うべき事があるんだった。
俺は天道さんの元へと向かう。
あの人は人の名前を使って宅配便を使うなんて何を考えているんだ。
おかげでバイト代が減らされるハメになったんだ、減らされた分弁償してもらうぞ。
あの人は一口分の料理が盛られている皿をテーブルに備えている。
「もしもし天道さん」
天道さんは俺の方に顔を向ける。
「あなたのおかげで俺のバイト代が減らされたんです、どうしてくれるんですか」
別に減らされて困るわけではないが、働いて貰えるはずの物が通常より減らされるのには納得がいかない。
すると、天道さんは突如料理が盛られている皿を差し出した。
「食うか?」
はい?
「松輪のサバから作ったサバ味噌だ」
天道さんは俺の顔を凝視してくる。あの、近いんですけど。
「歯応えがあり、味も上等……」
意味ありげにサバ味噌が盛られている皿を俺の顔に近づける。そんなに見つめても何も出ませんが。
「お前が今回の事を水に流すのなら、食わせてやろう……」
催眠術でもかけるような声で呟く。
「さあ、どうする……?」
いや、どうするってそんなのいらないんですけど。それよりもバイト代を弁償して下さい。
「最高級の松輪のサバだ……」
今度は耳元で囁いてくる。
「美味いぞ……」
この一言を聞いた途端、俺は息を呑んでしまう。
もう一度サバ味噌を俺の視線に入れる。
天道さんの言葉のせいで、見れば見るほど美味そうに見えてしまう。
結局、サバ味噌を頂いた俺。
俺達は食事をするためのテーブルに座っている。
俺の隣の席にひよりが座り、向かい合うように天道さん、その隣に樹花ちゃんが座っている。
とりあえず、天道さんは俺に感謝して欲しい物だ。あの人は勝手に俺のバイト代を減らしやがった、サバ味噌を食べさせるだけでそれをチャラにして貰えるのだからな。
箸を使ってサバの形を崩し、一口一口ずつ口に入れる。
その味はまさに絶品だ、そんじょそこらの高級レストランなんか、目ではないかもしれん。
「お兄ちゃん、美味しいね!」
樹花ちゃんが元気よく言う、君のその意見には同意するよ。
俺は箸を動かすスピードを上げる。ああ、至福の時とはこういう時間のことを言うかもしれない。
「おい、加賀美」
サバ味噌を食していると、隣からひよりの声が聞こえる。
「そろそろ時間なんだけど……」
時間? ああ、そうだった、今日はビストロサルでバイトがあるんだった。
あまりにサバ味噌が美味かったから忘れていた。
俺は箸を動かすスピードを上げ、サバ味噌を完食した。
天道さんと樹花ちゃんに適当に別れの挨拶を交わし、俺とひよりは玄関から外へと向かった。
「加賀美さん、ひよりさん、また来てね!」
樹花ちゃんはわざわざ見送りに来てくれている。
俺は適当に手を振って、ひよりと共にビストロサルへと急いだ。
バイトが終わり、俺は自宅に向かっている。
あれから店の開店時間直前にビストロサルへ戻ることが出来た。
戻った途端、俺は店長の竹宮さんに軽く叱られた。
何故なのかは言うまでも無い、頼んでもいないのにいきなり届いたあのサバについてだ。
あれは俺が勝手に届けていたという事になっているので、ひよりの言うように俺のバイト代は減らされた。
俺は必死に真相を伝えた、しかし俺のバイト代が減るという理不尽な結果が変わると言うことは無かった。
そのような結果を抱えたままバイトをする事になったのだが、この結果に悲観することは無かった。
ビストロサルではバイトの時間に対し、労働の質は大したことはない。
元々そんなに客が来る店ではなく、天道さんが昼飯を食うのに使うか、暇なオバちゃん方の世間話の場に使われるくらいしか無い。
そう言った点から考えると、バイト代を貰うのが悪いような気もするが、義務の仕事を果たしているのに、権利のバイト代が貰えないのは納得いかない。
だが、もはやどうにもならない。
そんなことを考えながら、俺は家へと帰った。
ここで一旦投下を止めます。
続きはまだかかると思います。
>>68 元々キョン以外はそんなに登場させるつもりではありませんでしたが
さすがにそろそろ登場させないと何かまずい気がするので
次に投稿するとき登場させるつもりです。
でも、カブトキャラと比べるとどうしても出番が少なくなるかもしれません。
ついでですが、このSSでの矢車は初期のようにザビーですが
ぐれてキックホッパーにすべきかどうか考えています。
>>89、
>>90 ともに乙
俺は変態ホッパーズが大好きなんだぜ
でも、あえて最後までザビーが現役になる展開というのも面白いかもしれないな
後デートの続きはどうなるんだぜ
>>101 ホッパーズって変態なんですか?
自分はギャグコンビとして見てましたが。
まあ、矢車はザビーの時代が続くかもしれません。
ホッパーにさせるのも良いかもしれませんが。
ついでに蓮華の登場はまだちょっと先になります。
登場するなら矢車や大和と絡ませる予定です。
俺的にはひよりの事が気になったりする
104 :
908:2007/06/21(木) 01:00:52 ID:???0
>>55 俺の席は廊下側から3列目の一番後ろだ。監視対象であるスミスの後方にあたり場所としてはまずまずだった。
距離こそ離れてはいるが俺の視力からすれば約3mたいしたギャップにはならず、かえって視線に気づかれにくく逆に好都合だった。
その日の授業が全て終わった。当然の事ながら何の動きも見せることは無かった。
(そうそう簡単に尻尾は掴めんか…放課後はSOS団とかいう部活だったな)
俺は先回りして部室棟-通称旧館-へ向かうことにした。そこへ向かう最中で声を掛けられた。
「あれ? 天道さん? 」
手に巻いた包帯、バンドの中西だった。
「中西か。」
「ところで、何されてるんですか? うちの制服なんか着て。ココの学生じゃないって言ってましたよね? 」
俺を見回すと不思議に首をかしげた。
「今日からココの学生になった。」
「マジ!? 」
中西は大げさに驚いた。
「マジだ。」
「でも…いったい何年生ですか? 私てっきり大学生が母校の文化祭に来たもんだと。」
「1年だ」
「えっ!? 嘘! 」
何が気に入らないのか、またオーバーリアクション
「じゃあ、16歳って事ですか? 」
「ああ」
どうやら俺が相当老け込んで見えていたらしい
「わたし18だから敬語使わなくてもいいよね。総司。」
「好きにすればいい。」
「でも、そっちは敬語じゃないんだ。」
「当然だ。」
(何、言ってんだコイツ)的な目で見られる。しかし、説明する時間も惜しかったので早く部室棟に向かおうとその場を去ろうとしたとき
「待った! まだ慣れてないだろうからお姉さんが案内してあげよっか? 」
めいっぱい腕を掴まれた。しかし、既に編入試験の時に校内は散々見ていて今更案内など必要ではなかった。
「大丈夫だ。」
歩き出したが中西はそのままで俺に付いて来た。
「他に何か有るのか? 」
振り向くと中西は掴んでいた手を離し歯切れ悪く笑いながら言った。
「ハハハハァ…いや、この前のお礼でもと思って。」
「本当は?」
コイツの事だからそれだけじゃないと思い聞いた。
「バンドの勧誘…」
思ったとおりの答えが返ってきた。
「無理だ。」
「少しでいいから、ね?」
(何が少しなんだか…それにコレは質の悪いキャッチか何かか?)
確かに今は監視を続ける必要も有るが、しばらくは動く気配は感じられない。ならば他の生徒に話を聞くことも有効だと思い中西に付き合ってやる事にした。
「少しだぞ。」
「決まりだ! 行こ。」
105 :
908:2007/06/21(木) 01:03:18 ID:???0
その後はダラダラと教室で聞いたような質問のやり取りをしながら、校内を案内してもらったが特に不審に思える点は存在しなかった。
そして、最後に連れてこられたのは「やはり。」と言うべきだろう軽音楽部の部室だった。
「ミンナお疲れ! 」
勢いよく部室のドアを開けた。
「どうしたんですか先輩、受験勉強はいいんですか? 」
「まぁ…それはいいんだけど。今日は転校生の案内でね。」
「誰ですか? こんな時期に転校生って。」
「見たら驚くよ。入って来て。」
外で待っていた俺は手招きされて部室に入っていった。
「天道さんじゃないですか。何でこんなとこに?」
「えっ!?」
財前と岡島はこっちを見るが、付いていけない女が一人いた。
「誰? 」
「ほら、前に話した文化祭の…」
紹介する中西を遮った。
「天の道を往き、総てを司る男。天道総司。」
いつもの様に名乗りをあげたが、いつものように微妙な表情を返された。
「榎本、もう喉の調子はいいのか? 」
「えっ? ああ、まだ本調子じゃなくて本格的に練習の再開はまだ先ですけど、だいぶよくなりました。」
突然名前を呼ばれて少し戸惑ったようだった。
「って言うか、美夕紀ちゃんの名前よく知ってるね。」
中西は驚いたが、俺からすれば当然の事だった。
「説明していただろバンドの名前はメンバーの頭文字から取ったと。」
「ああ、それで。」
納得して手を叩いた。
「それはそうと…コレ」
中西は大量に積んであるスコアの中から何枚かを渡してきた。
「この前のコピー、記念に渡しとこうと思って。」
それにはオリジナルのほかにも俺が演奏したキーボード版の他にもバリエーションが有った。
「コレ全部お前がか? 」
「そう、手もこんなだしあの短時間に仕上げるの大変だったんだよ。」
一通り目を通すとこいつの凄さに改めて感心した。その後はメンバーも練習を止めてしばらく談笑したが、俺の入る余地は無かったし入るつもりも無かった。
「ところで、最近この学校で変わったことってないか?」
106 :
908:2007/06/21(木) 01:06:34 ID:???0
話が途切れたところでそれとなく質問をいれる。
「それなら文化祭の失踪事件だよね。突然人が消えたっていう。」
と岡島はメンバーの顔を見ながら言った。それは俺がワームを倒したせいだった。
「そうそう、私も聞いてビックリしちゃった。」
と榎本。それも当然だな本当の事を知るとさらに驚くだろう。
「そういえば、涼宮さんがその事で話を聞きに来た。」
中西は俺を指差した。
「あいつが? 何て?」
ハルヒがこの事を調べるだろう事は大方の予想はついていたが、どこまで調べているかの検討はつかなかった。
「何か心当たりは無いかって。それで私総司が一番最後に入ってきたから話を聞けば解るんじゃないかって…」
確かに俺に聞けばその失踪事件のあらましは大体わかるだろうが、逆に考えれば俺に話を聞く以外答えに行き着く可能性は無かった。
しかも、それは一高校生が知る必要もないうえ俺は教えるつもりも無い。
「ところで、総司は事件が起こったとき何か見なかった? 」
好機の目が俺に一斉に向けられる。
「何も変わったものは見なかったな…」
無理やりにでも誤魔化すと、内容に詰まったか皆黙り込んだ。
「そっか…」
そう言う中西だけは怪訝な目で俺を見ていた。
(頭が回りすぎるのも考え物だな。)
「他には何か変わった事とか? 」
無理やりにでも話題を変えた。
「変わったといえば、最近吹奏楽部上手くなってない?」
財前は皆に確かめるように言った。
「なったかも。」
「最近練習熱心になったよね。」
「顧問の目つきから違うからね。」
他の3人は同調して答えた。
「ほぉ、それは気になるな。」
俺は財前に向かって話を促した。
「一ヶ月ほど前から急に顧問の性格が変わったみたいに練習が厳しくなってそれからです。そのせいで部活を辞めた人も多かったみたいですけど。」
元の性格から急に性格が変わるのは擬態したワームにはよくある事だが、それで部活の練習が厳しくなるとはあまり考えられない事だった。
「そんなに厳しいのか? 」
話を不自然に終わらせないよう聞き返す。
「耳を澄ませば時々怒号と罵声が聞こえてきますよ。」
財前の耳に手を当てるジェスチャーに俺を除く全員吹き出した。
「じゃあな。俺はもういくぞ。」
多少の成果があったのでその場を立ち去った。今下手に動くと俺を監視している奴らに感づかれる可能性がありそのまま家路についた。
家に着くと加賀美と蓮華に連絡を入れたが2人ともまだ何の情報も掴んでいなかった。
107 :
908:2007/06/23(土) 23:55:08 ID:???0
その日の涼宮ハルヒにはいつもの元気さが全く無かった。
部活の時もそれは同じで頭に手をやったり眉間を押さえたりしながら唸ったかと思うと、突然窓の外を見てしばらく動かなかったり、頭をかきむしったり落ち着かない様子だった。
その様子を見た団員、早退した古泉以外は触らぬ神に祟り無しと思い誰も声を掛ける事はなかった。
「よし! 決めたっ!」
何お思い立ったかハルヒは席を立った。
「行かなきゃならない所があるから、後よろしくね。」
そう言うと帰りの準備を整えて立ち去っていった。
「いったいどうしたんでしょう? 」
朝比奈みくるはキョンに聞いた。
「多分今日の転校生の事だと思いますよ。」
「転校生? 」
キョンは今日の事を簡単に説明した。
「えっ!? そんなことがあったんですか!? 」
天道総司との直接的な接触は無いと考えていた彼女は事態の急な展開に驚き、しばらく考えると部室ではいつも着て居るメイド服を着替えを始めた。
「朝比奈さんっ! 」
突然の行動に驚いて急いで外に飛び出した。いつもなら朝比奈が出て行くように言うところだったが今日はそんな事に気が回らなかったからだ。
着替えが終わると何も言わずに部室を出て自宅に向かった。数年後の自分に連絡をつけるためだった。
108 :
908:2007/06/23(土) 23:57:40 ID:???0
朝比奈が居なくなり部室に居ても仕方ないという事でキョン、長門はそれぞれの帰路についた。部屋の前についた長門はいつもの様に鍵を開けようとした。
カチャ…ガンッ
鍵を開き入ろうとしたが逆に鍵を掛けてしまったようだ。
カチャ…
鍵を開き直しドアを開いた不審にこそ思ったが彼女に恐怖という感情は無かった。
「お帰りなさい。」
電気をつけると、ローテーブルに着いていた彼女の見知った女性が声を掛けた。
朝倉涼子。長門有希のバックアップとして涼宮ハルヒを調査していたが、今年の5月情報フレア観測のため、独断によりキョンの殺害を企て長門有希に消されたはずの女だった。
「座ったら? 」
朝倉が言うと、部屋の入り口で立ち止まっている長門は黙って席に着いた。
「じゃあ、お茶でもいれようかな。」
しばらくの沈黙の後、立ち上がる朝倉に長門は口を開いた。
「…何で? 」
「それは後で話すから、少し待っててね。」
朝倉は手際よくお茶を入れると長門の前に置いた。
「どうぞ。」
口をつけない長門に促した。
「じゃあ、何から話そうかしら? あ、同期すれば早いんだけど折角話せるんだから話しましょう。」
訝しげに見つめる長門に言った。確かに情報を同期すれば1秒もかからず伝わる事だったが、それでも朝倉は長門と話したかった。
「私は天道総司の監視のために再構築されることになったの。
何で私なのかと言うとね、もともと監視用のインターフェイスとして構築されていて
現在天道総司の通う北高校の生徒だった事、一度暴走している私なら消滅してもたいした損失にはならないし
何より新しくインターフェイスを構築するより時間的なコストが掛からなかったからなの。これであなたの『…何で? 』に対する答えになったかしら? 」
「…そう。」
朝倉の言う事は理解できたが、まだ不安があった。その表情を見て朝倉が口を開く
「キョン君の事なら心配しないで。今回私は涼宮さんの監視じゃなくて天道総司の監視が仕事だから、安心して。」
謝るつもりは毛頭無いが、手を合わせて見せた。朝倉はお茶をすする長門を見て話を続けた。
「情報統合思念体とって天道総司の出現は寝耳に水で、正直判断を決めあぐねてるの。
完全なイレギュラー因子である彼は早急に排除すべきと考えている派閥も有れば
彼に安易に手を出すのは避けるべきと考えている派閥も有るわ。」
自らが観測できる情報がこの世の総てだと考えていた情報統合思念体にとっては渋谷隕石や、天道総司の存在は
宇宙人や未来人、超能力者の類を信じていなかった一般人の目の前に突如、宇宙人や未来人、超能力者が現れたのと同じほどの衝撃だった。
お茶をすすり、一息ついて続ける
「それでね、あなたに伝えなくちゃならない事が有ってね。1つはあなたは涼宮さんの監視に専念する事。
天道総司の件については私が全権を委ねられているから、あなたに限って横槍を入れてくる事はないと思うけど。
2つめは情報統合思念体は現在小康状態の涼宮さんよりも、いつ動くか解らない天道総司の件を優先する事になったわ。」
「仮に両者が接触及び、同時に動きを見せた場合は 」
長門の問いに間を置いて
「そうね、もしも涼宮さんのほうに特別な動きがある場合や、情報爆発が発生する兆候が現れた場合以外は天道総司優先になるわね。」
「了解した。」
あくまで無表情、無感動の長門
「あ、1つ忘れてた。今日からしばらくここでお世話になるから。」
109 :
908:2007/06/27(水) 01:45:39 ID:???0
数年後の自分とは自宅で会う約束になっていた。彼女が自宅へ着くともうすでに数年後の彼女はそこにいて彼女の姿を見るなり口を開いた。
「何があったの聞かせて? 」
それに答えて天道総司が転校してきた事やそのせいで涼宮ハルヒが荒れている様子だった事を話した。
「そう…」
数年後の彼女が考え込むと短いようで長い沈黙。それが彼女をたまらなく不安にさえた。
「時間断層のズレは今どうなってるんですか?天道総司が転校してきた事で変化はありましたか?」
彼女は涼宮ハルヒと天道総司の接触こそが時間断層発生と進行の原因だと考えていた。
「天道総司の転校によって大きな変化は見られなかったけど…着実にズレが進行しているのは確かよ。」
「そうですか。」
未来が消える時間が早まらなかった事に少し安心したが、まだ完全に気が抜けるには程遠い状態だった。
「学校での涼宮さんと天道総司の関係はどうなってるの?」
彼女はあくまで平静に受け答えをする数年後の彼女の対応に励まされ、自分も気を落ち着かせながら答えた。
「キョン君に少し話しを聞いただけですから明確には解りませんけど、話もしないし近づく事もないみたいです。」
「それはよかったわ。その2人の接触はあまり良くない結果を生みそうだから。」
「そうですね。私もそう思います。」
「じゃあ。あなたに出来る範囲の事でいいから2人を接触しないようにしてもらえるかしら? 」
「はい!解りました。」
彼女はやっと自分に出来そうなことが見つかりうれしくなった。
110 :
908:2007/06/27(水) 01:48:03 ID:???0
その後は、数年後の彼女の調査報告などを聞いたが事態を打開できる有力な情報は何も無く長い沈黙が訪れた。
「…あるいは。」
数年後の彼女の呟きがそれを破った。
「なんですか?」
彼女の顔が明るくなるが、それとは逆に数年後の彼女は暗い表情だった。
「あまりいい案ではないんだけど、今私が思いつく打開案はこれぐらいしかないの。」
その表情を読み取り彼女も真剣になり息をのんだ。
「それは天道総司を消すことよ。」
「えっ!? 」
「だからあまりいい案じゃないって言ったでしょ? 」
突然に物騒な事を言われて怯える彼女を見て取り繕いながら続けた。
「でもね、時間断層の発生は天道総司に起因する事はほぼ間違いないわ。原因を絶ちさえすればそれも消える可能性は高い。」
彼女はうつむいて
「確かに…一理あるかもしれませんね。」
「それでね、もしそうなるとしたら決行は貴女がする事になるわ。私じゃ怪しまれて彼には近づけないから。」
数年後の彼女は悲しそうな目で彼女を見つめる。
「でも…」
元来虫も殺せないような優しい性格の彼女にとってそれは不可能に近いことだった。それは数年後の彼女も十二分にわかっていた。
「すぐにっていうわけじゃないわ。あなたの決心がついたらでいいの…」
怯える彼女を強く抱きしめる。
「でもね、今はこれ以外に考えられる手は無いの。」
「少し…少し考えさせてください…」
かき消えそうな声で答える。彼女は泣いていた。
「待つわ…少しだけ…だけど。」
111 :
908:2007/06/30(土) 21:25:46 ID:???0
彼はうつむき加減で帰り道考え事をしていた。
あの朝比奈がいくら急いでいたとはいえ、あの行動には違和感があった。
もしかするとあれが朝比奈の地なのかも知れない、そんな事も考えたが明確な答えは出ないので最近の出来事の発端になったであろう文化祭の事件について考えた。
幸いにもあれ以来失踪などの物騒な事件は特に起きておらずもしかするとこの事件自体もこれ以上の被害もなく終息を向かえるのではないか。
朝比奈の言っていた未来が消える事についても彼に実感は無く、未来が消えたとしても朝比奈は今に存在するのだからそのまま今に残るのではないだろうかと考えた。
その時、同じ学校の男子の足が視界に入り目を上げた。
そこには自分が立っていた。
「よう。俺。」
目の前の自分が声を掛ける。
「誰なんだ、お前は? 」
彼は比較的冷静だった。高校に入ってからは非常識な事の連続で人より耐性は持っていたからだ。
「誰だってお前見て解らないのかよ? 俺はお前だろ?」
馬鹿にしたような態度で答える。
「俺はお前で、お前は俺。」
にやけた顔で近寄って来る目の前の自分に危険を感じて後ずさりする。
「わけ解んねぇよ! 」
取り乱す彼に不気味なほど冷静に対応するもう一人の彼。
「別に理解しなくても大丈夫だ。もう直にでも解り易くなる。」
言い終わるともう一人の彼は突然蟷螂のバケモノに姿を変えた。
「ここでお前が死んでお前は俺一人になるんだからな!! 」
バケモノの鎌が彼に向かって振り下ろされた。
保守代わりの一発ネタ
ハルヒの前の席が天道だったら
天「おばあちゃんが言っていた。天の(ry」
パターンA:天道の異様さに気圧され普通に自己紹介してしまうハルヒ
パターンB:連続電波攻撃に静まる教室
ハ「東中出身(ry」
ハ「あんた。さっきの自己紹介っていったいどういう意味よ?」
天「そのままの意味だ。」
ハ「わかんないから聞いてるんでしょ!?」
天「言葉でしか理解できないやつに天の道は見えはしない。」
ハ「もういい…」
A→何も起こらずにEND
B→SOS団結成?
前Bより
(ごっそりry)
in閉鎖空間
ハ「あんたは、つまんない世界にうんざりしてたんじゃないの? 」
パターンA:ハルヒに冷たい天道
天「だれが?」
天「おばあちゃんが言っていた。世界は自分を中心に回ってる、そう考えたほうが楽しいってな。」
天「少なくともお前の世界はお前を中心に回っている。」
天「その世界がつまらないのは自分自身がつまらないからに過ぎない。」
ハ「うるさい! あんたなんかに。」
パターンB:すごく冷たい天道
天「おばあちゃんが言っていた。自分の為に世界を変えるんじゃない、他者の為に自分が変われるのが人間だ
自分が変われば世界が変わる。それが天の道。」
天「いくら望もうとも、自分か変わらなければ世界は代わりはしない。」
天「自分が変わろうとせず、他者に変化を押し付けようとするのはもはや人間ではない。」
114 :
908:2007/07/07(土) 22:34:28 ID:???0
今日のハルヒネタで京アニの演出が神って言われてる理由がわかった気がした
あるブログで見たハルヒが展開してるのは何年か?の考察
・みくるとオセロをしている時に、ケータイで時間を確認するキョン。
その時の日付が、5月25日の火曜日になっている。
この日が火曜日になるのは、最近の年では2004年か2010年。
ハルヒは『涼宮ハルヒの憂鬱 I』で2005年刊行の雑誌を持っているので、『涼宮ハルヒの憂鬱』は2010年以降の物語だと推測出来る。
この2010年の3年前が今日
ちなみに話は地道に書き上げてるから
最初のころと設定が食い違う展開が出てくるがその辺はまとめブログで直すんでよろしく!
115 :
908:2007/07/07(土) 22:45:23 ID:???0
ガンッ!
「大丈夫か!? 」
彼の目の前に立ち鎌を受け止めたのは、青色の戦いの神ガタックだ。
「邪魔ヲスルナ! 」
ガタックの腹部にもう1つの鎌が振り下ろされた
ガキッ
もう1つの刃でそれを受け止めた後、飛びのいて距離をとり体勢を立て直す。
「早く逃げるんだ! 」
その言葉を聞いて茫然自失だった少年は背を向けて走り出した。
「逃ガスカヨ。」
どこからともなく無数のサナギ体が現れ逃げるキョンに襲い掛かった。
「なにっ! 」
「ドコヲ見テイル? 」
ガッシュッ
それに気をとられ鎌の鋭い一撃を肩に食らう。
「くっ」
それに続いて連続で攻撃をヒットさせられる。
少年は群がるサナギ体を避けようとするがすぐに囲まれた。
「うわぁあああああ。」
ドサッ…
サナギ体の一撃でキョンはふっ飛び意識ももうろうとしはじめていた。
目の前の戦いに集中できないこの状況では2人とも生き残る事は難しい、なら自分が盾になってでも目の前の少年を逃がす。加賀美がそう考えた瞬間。
116 :
908:2007/07/07(土) 22:47:23 ID:???0
ギュルルルルゥ
倒れた少年に近づくサナギ体の集団を1台のバイクがタイヤを唸らせなぎ払った。
「やはりお前は戦士には向かないようだな。」
「カブト! 」
「目の前の敵に集中しろ。」
カブトが現れることによってガタックはいつもの戦いのペースを取り戻した。
振り下ろされる鎌を受け流し体勢の崩れたマンティスワームの横っ腹に切り込む
ザシュッ!
「グワァァァァ!」
さらにそこから連続で切りつける。しかし、マンティスワームはクロックアップによってそれを避ける。
「クロックアップ! 」
「Clock up」
それを追うためクロックアップをかけ振り下ろされる鎌を全て防ぎきる。
「ライダーカッティング」
「rider cutting」
自らの攻撃を全て防がれひるむマンティスワームにガタックの一撃が直撃、上半身と下半身が真っ二つになり爆発する。
「Clock over」
117 :
908: