2002年キーマン(2)中村紀洋<2002年2/3讀賣朝刊・23面より再録>
「ヒットは、いつでも打てるんです」何のためらいもなく、そう言ってのけた。
バッティングの極意を悟ったかのような口ぶり。本音?それともリップサービス?ただ、"期待感"はいつも
持たせてくれる男だ。(中略)
バッティング練習はまだティー打撃だけ。「いま無理をすると、フルスイングが見せられなくなります
から。」その表情は自信にあふれている。
だが、「ヒット...」の発言が、やはり気になる。こちらの空気を察知したのか、こう切り出した。
「ファンは僕のヒットを望んでない。フルスイングできなくなったら、それはバットを置くときです」
その潔さが、三冠王への夢をふくらませてくれる。