もっと地方でもアニメを放送しろよヽ(`Д´)ノ 3

このエントリーをはてなブックマークに追加
8メロン名無しさん
男は重病に伏した少女を見舞った。
ジャイアンツファンの少女の病室には所狭しとジャイアンツグッズが飾られていた。
この秋にドラフトでジャイアンツに指名される予定である。
「ねえ、お兄ちゃんジャイアンツにいくんでしょ、すごーい。
はやく1軍で投げれるようにがんばってね」と目を輝かせながら言った。
男は、「おう、がんばるよ。だからいっぱい食べて栄養とって、早く治すんだよ」と言った。

病室から出ると少女の母親が悲しそうな表情で遠くを眺めていた。
男は母親にどうしたのかと尋ねた。
何でも少女の容態が非常に思わしくないらしく、緊急の手術をしないとあと半年の命だという。
しかし、早くに父親を亡くし、女手ひとつでは今の入院費が精一杯の状態で、手術費なんかとても無理な状況だった。

男は意を決して言った。「僕、もうすぐプロに行くので、契約金を手術費に使ってください」と。
母親は一瞬驚きの表情を見せた。が、すぐにうつむき、言った。
「駄目なんです。一ヶ月以内に手術費を準備できないと・・・駄目なんです・・・」

読売ジャイアンツに入団するその男には莫大な契約金が転がり込んでくる予定である。
しかしそれはこの一ヶ月以内には手に入れることはできない・・・
男は覚悟を決めた。「大丈夫です、僕が必ず一ヶ月以内に準備します」
少女のためなら悪魔に魂を売ってもいい、その位の決意だった。
そして―


半年後、手術に成功した少女は順調に回復をしていた。
今日は男の先発する日である。
少女はノートパソコンを開いてネット中継をみている。
「がんばれ!お兄ちゃん!」
少女は病室から声援を送る。
クリムゾンレッドのグッズに囲まれながら。