もっと地方でもアニメを放送しろよヽ(`Д´)ノ 3
8月2日、新井はとうとう30本目のホームランを放つ。
8月21日には、5位巨人を追撃すべく新井の2本のホームランで勝利。
8月を終わって新井のホームランは37号にまで到達していた。
しかし新井が打てども打てども投手陣が崩壊している広島は、
5位巨人に大きく離されて最下位を独走していた。
そうなってくると周囲は個人タイトルの話題をし始める。
本塁打王争いは新井が独走態勢。初のタイトルなるか、ということともう一つ。
広島カープの年間本塁打の球団記録、山本浩二の持つ44本を、
新井がこの勢いだと越えそうなのである。
9月24日対阪神戦、とうとう新井は43号目を打った。
しかし新井は罪悪感に責め苛まれていた。
ただでさえ薬物使用という後ろ暗さがある。
それに加えて大恩人の山本浩二の記録を、クスリの力を借りて今越えようとしている。
新井は山本浩二の、
「遠慮せんと打て打て。貴浩はワシの記録を破るにふさわしい男じゃ」
という言葉に一層の辛いものを感じていた。
新井の我慢は限界だった。
『クスリを飲んで、監督の記録を超えることだけは、やってはいかん』
錠剤を飲まなくなった新井は、ホームランがパッタリと止まってしまう。
9月下旬の対阪神3連戦、そして対ヤクルト2連戦ともに、ホームランは全く出ない。
9月末から10月にかけての対中日3連戦でも打てない。
山本浩二はそんな新井を気遣った。その気遣いがまた新井の心に突き刺さる。