もっと地方でもアニメを放送しろよヽ(`Д´)ノ 3
新幹線の名古屋駅を出ると東京弁モードに切り替わる山本浩二も、
今夜ばかりは広島弁丸出しではしゃいでいた。
「気持ちええのぉ、巨人に3タテじゃぁ!貴浩がやってくれたのぉ!」
銀座の行き付けで勝利を決める通算100号ホームランの“ご褒美”を受けていた新井は、
しかし今ひとつ心が浮かなかった。
「どうしたんじゃ、貴浩、飲め飲め!」
酒を勧める山本浩二に、しかし新井は後ろ暗さを感じていた。
『クスリの、お蔭なんじゃ...』
「貴浩、どうした?通算100号の記念の夜じゃあ言うのに」
心配そうに顔を覗き込んだ山本に、新井は無理に笑顔を作った。
「言うても、まだ監督の5分の1もいっとりゃせんですから」
「なに言うとる、素直に喜びゃあええじゃないの」
「い、いえ...ワシゃ、これぐらいで喜んどったらイカン立場ですけぇ。もっともっと打って、監督にご恩返しせにゃならんですから...」
「そうか、そうか、ええ心掛けじゃ!」
浩二は一層機嫌を良くした。
新井はそんな上機嫌の浩二の姿を久しぶりに見た。
『クスリは、必要じゃ...』