もっと地方でもアニメを放送しろよヽ(`Д´)ノ 3
「飲みに来たんじゃろうが。水飲むんじゃったら、ワシは帰るぞ」
怒る新井に「俺の言うことを聞け!」とピシャリと言い放った男は、新井を正面から見据えた。
「いいかい、新井さん。あんたは素晴らしい素質を持っている。しかしあんたはそれを持て余しているんだ。なぜだか分かるかい?」
男に見つめられた新井は、正気を取り戻した。
「分かっておったら、こんなとこに来とらん」
「あんた、この世界で一花咲かせたいと思わないか?」
「思わんやつはおらんよ」
不貞腐れ気味に返事をした新井に、男が身を乗り出した。
「俺が力を貸そうじゃないか」
そう言って男は、ポケットからピルケースを取り出した。
そしてそこから錠剤を一粒手に取り、新井に差し出した。
「これを飲むんだ。騙されたと思って飲んでみろ」
「なんじゃ、これは?」
男はニヤリと笑った。
「俺はね、医者だよ。これはね、神経を集中させる、あるクスリだ」
「クスリ?」
さすがに怪訝に思った新井を気遣った男は、その店を出ると今度は自宅に連れて行くと言う。
帰ろうとする新井に男が言った。
「ここで帰ったら、あんた今シーズンもこのままだぜ」
怒気を含んで睨み返した新井に男が殺し文句を言った。
「あんたを信じた山本浩二監督に、ご恩返しをしたくはないのか?」
『これ以上悪ぅなることもないじゃろう』
なかばヤケになった新井は、男に連れられるままに男の自宅へと行った。
そこはちいさな神経科の開業医院だった。