もっと地方でもアニメを放送しろよヽ(`Д´)ノ 3
ところが、今の眉子にはそれがなかった。眉子の精神は、苦痛から逃れようと脳の中を彷徨っていた。今までは、痛みを緩和する場所や、意識を低下させてくれる場所があった。
しかし、今はいくら脳の中で逃げ場を求めようと、新鮮な痛みが激しく襲いかかってくるのだ。 もう、これは「耐える」という言葉では意味をなさない。痛みを一方的に感受している状態である。
そこには、科学の力で人間が受けることが可能な最高の痛みがあった。
中世の処刑などで拷問の果てに死んだ者の表情が、恍惚としているのは、それが自然だからである。この薬により自然の働きをたたれた者は死の瞬間まで苦痛に表情を歪め死んで行くことになるのだ。
「や、や、やめて、もう、耐えられませんっ」
眉子は断末魔のような表情で叫ぶ。
「耐えられなければ、勝手に気絶でもすればいいだろ」
「この程度の拷問でなに言ってるのよ」
「う・・・くっ・・・いたっ・・・ダメ・・・あーっ」
眉子は失禁した。昨日までならここで失神し、ゲームオーバーだったのだが、今日の眉子の意識はまだハッキリしている。
「あっうっ、あ〜」
眉子は絶望の息を漏らす。これからが、限界を超えた拷問の始まりなのだ。
章一たちは互いに交代しながら眉子の肘を打ち続けていた。肘の皮膚は破け血が滲んでいる。眉子は汗まみれになりながら呻いている。2回目の失禁があった。まだ、拷問はつづく。
何時間たったのだろうか。
眉子の意識がプチンと切れた。いままで失神するときは、暗幕が引かれていくような意識の無くなり方だったが今回は突然の停電のように一瞬で気を失った。
「とうとう、切れたな。みろよ。目を開けたまま失神してるぜ。」
「明日から拷問部屋へ連れてくる前にこの薬を注射してきてね」と亜紀は敏江にアンプルをわたした。
敏江は死体のようになった眉子を抱えると地下牢へ運んでいった。