針でつつき、ピンバイスでほじくり、電流を流す。
眉子は氷を噛み砕くように命じられ悲鳴を上げた。
歯を1本嬲られるだけでも、眉子の受ける痛みは、酸鼻を極めた拷問といっていいだろう。
セーラー服の胸は、血と涎でべとべとになっていった。
そんなことは、お構いなしに、1本1本、引き抜かれいたぶられていった。
「前歯は、自分で抜きなさい。上手に抜かないと、元に戻したとき、汚くなるわよ」
亜紀は眉子にヤットコを渡した。
「し、しどい・・・・。もう、ゆるひてください・・・・エッエッ」
歯をほとんど抜かれた眉子の口調を聞いて4人は大笑いだ。
「アハハハハ・・・・」
「しゃあ、はやぐ、ぬひてちょうだし。あと、よんほんひかのこってなひのよ」
亜紀は、歯が抜けた眉子の口調をマネしてからかう。
眉子は引き抜こうとするがうまく行かない。
「そんなことを、しているとピンク色のきれいな歯茎が痛むだけだぞ」
眉子は、懸命に抜こうとするが、女の細腕では抜くことができない。
「た、だめでしゅ。むけましぇん」
「しょうがないな。ハンマーで抜けやすくしてやるよ」
章一は、様子を見ながら前歯をたたいた。
「ひ、ひーっ!」
逃れようとする眉子の頭を敏江が押さえつける。
前歯が、グラグラに動くくらいまでたたくと、ヤットコで抜くように命じた。
気が遠くなりそうな痛みの中で眉子は、残った4本の前歯を抜いた。
「まだ、治療は終わっていないぞ。今度は歯を元に戻さなければな」
眉子は口から血を流しながら診察台に戻っていった。
治療は、金属片を歯茎に打ち込みそこに歯を接着していく。
神経が完全に抜かれているわけではないので、その痛みといったら、筆舌につくしがたいものだ。
眉子は苦しみ抜いたが夕食時までにはなんとか、元の美しい口に戻すことができた。
「さあ、これで治療は終わりましたよ。それにしても、こんなに涎をたらしたり、失禁したりする患者は初めてでしたね。君のご両親に報告してあげましょう」
章一は、やさしい歯医者さんに成りきっている。
「じゃあ、眉ちゃんには、ねんねしてもらわないとね」
亜紀は、眉子の額をベルトでまいて診察台に固定した。
電極を削られた奥歯の穴に差し込まれ、電気を流された。
「あぐぐぐぐっ!」
脳味噌に一番近い痛感神経から電気を流され、頭蓋骨を砕かれるような激痛が眉子を襲った。
「おほほほほっ!脳味噌沸騰モノでしょ」
亜紀は、口に手をあてたからかに笑った。
「さっさと失神しないと、本当に脳味噌が焦げるわよ」
失神しろといっても、あまりの激痛にやれるものではない。
電圧を徐々に上げていくと眉子の痙攣もさらに激しくなって行く。
眉子は、失禁しセーラー服のスカートを塗らした。
眉子が目を開いたまま失神したのは、最高電圧にしてから10分後だった。