27日目(8月15日)
独房は、血だらけだった。眉子が吐血したのだ。口からだけでなく、股間からも粘りけのある血を滴らせている。
章一は、眉子を診察しながら言った。
「さすがに内臓が参ってきているらしい。2、3日は、責められないな」
「そんな、眉ちゃんを責めれないなんて、退屈で死んでしまうわ」
と亜紀が唇を尖らせる。
「なあに、内臓に負担を架けないような責めなら大丈夫だ。そろそろ、解体といくか?」
眉子は、苦しそうに荒い息をしながら、嘆願する。
「死んじゃいます・・・。今日は、休ませてください・・・」
「バカね。あなたへの拷問が休みになる日なんてないのよ。それどころか、今日は、今までで一番痛い目に会わせてあげるわ」
亜紀は、せせら笑いながら言った。
「もう、限界ですぅ。1日だけでいいですから、やすませて。くるしい・・・苦しいんですぅ」
「甘ったるい声を出してもだめよ。その苦しさを忘れられるくらい痛い目にあわせてやるわ。苦しいのがいいの?痛いのがいいの?」
眉子は、泣き出した。ここに来てから一時たりと痛みを感じない瞬間など、ないのだ。
眉子は、拷問用拘束イスに、座っていた。肘掛けが頑丈に出来ており、前腕部がベルトで固定されている。学校の制服である白いブラウスに紺色のジャンパースカート姿だ。
「さあ、今日から少しずつ、あなたの体を解体していってあげる。たっぷりと恐怖を味わうがいいわ。まず、手始めに爪を剥がしてやる」
亜紀は、舌なめずりをすると千枚通しを眉子の鼻っ面に突きつけた。
「さあ、手を握ってないで、開きなさい。爪を剥がしてやるって言ってるのよ。握ったままじゃ剥がせないじゃない!」
眉子は、恐怖で手を開けず、震えている。
亜紀が手の甲を打ち付けた。
「早く、開いて!達也ちゃんの爪を剥がしてきてあげましょうか?」
弟の名がでると、眉子の顔色が変わるのがわかる。
「わたしのをはがしてください」
眉子は、本能的な恐怖で握りしめている拳を、震えながら開いていった。
「最初から、素直に開きなさい。また、握ったりしたら、弟の命がないわよ!返事は?!」
「解りました、弟には、手を出さないで・・・わたしの爪を剥いでください」