「まだまだよ」
亜紀のスパイクがとぶ。
眉子の運動神経はよいのだが、足の筋肉が痙攣を起こし、足の裏が大火傷を負っていては、バレーボールなどできるはずがない。
「夕方まで10球取らないと、ころしちゃうわよ。あなたの弟や家族も嬲り殺しにしてやるわ」
と亜紀が脅す。
眉子は、次のボールをなんとかレシーブで返した。
「やるじゃない。いくわよ」
ボールを横に振った。眉子は飛びついてレシーブする。
「ぎゃあああっ」
眉子の口と足が悲鳴を上げる。
ラジカセからは「アタックNo.1」「サインはV」「あしたへアタック」などのテーマソングが流れ雰囲気を盛り上げている。
「どうしたの!そんなことでは優勝できないわよ」
眉子は懸命にレシーブをするのだが、足がいうことをきかず失敗も多い。おまけにオピオイド拮抗薬の働きでレシーブすると腕に骨が折れるような痛みが走る。
楽しいはずのスポーツを地獄に変える薬だ。
白いシューズが足の裏からの出血で赤く染まり、体操着も脂汗で身体に張り付き、乳首が透けて見えるようになってきた。眉子は水と休息を与えられ、傷の手当をうけた。
無論、拷問を長引かせるための手段である。
敏江と亜紀は交代しながら特訓を繰り返した。眉子は、身体がバラバラに引き裂かれるような痛みの中でレシーブを繰り返していた。
それでも、眉子は、9球連続でレシーブを成功させた。
10球目のスパイクが、とれそうにない離れたところへ打たれた。眉子は、それを読んでいた。スパイクが打たれる前に、移動していたのだ。
眉子は、10球目をレシーブした。11球目が、床に落ちる。亜紀は、まだスパイクをつづけて打っている。
「10球、レシーブしました!」
眉子が叫ぶ。
「何言ってるの!9球しかしてなかったわよ!さっさと続けなさい!また、1球目からやりなおしよ」
気力を使い果たした眉子は、床に倒れ、起きあがれない。
「さっさと、立ちなさい!貴方の大切な達也ちゃんをぶっ殺すわよ!」
亜紀は、眉子の頭にボールをぶつけた。
「あうぅ」
眉子は、血と汗ですべる床の上でボールを追い続けるしかなかった。
何時間か後、眉子は気を失った。太股と脹ら脛はまだビクンビクンと痙攣を繰り返していた。
章一は眉子の汗にまみれたブルマーと体操着を脱がすと
「これとビデオをダビングして刑視相姦に送ってやってくれ」
と明美に手渡した。