【すでに】地方で観られるアニメ13【厳冬】

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273メロン名無しさん
22日目(8月10日)

 独房は、狭く1畳くらいの広さしかない。床にはビニールシートがはられ、毛布が1枚あるだけである。
 眉子は、朝早く目を覚ましてしまい、体中を襲う激痛にうずくまっていた。
 尿道からは、血が混じった尿が垂れ流しになっていて、股間を濡らし、ビニールシートに水たまりを作っていた。毛布は、眉子の体液や血を吸い、斑模様になっている。
(痛い、いたいよぉ、お腹の中が、かき回されているみたい・・・・。死んじゃうのかなぁ。でも、だめ、私が死んだら・・・達也や両親は、どうなるの?ああ・・・今日は、どんな拷問を受けるんだろう?
死んでしまいたい・・・でも、死ねない・・・なんのために生きているの・・・?苦しむため・・・痛がるため・・・達也に会いたい。お母さん、お父さん、お友達・・・あいたいよぅ。)
 眉子が痛みの中のうつろいだ取り留めのない思考を繰り返しているうちに扉が開いて、髪の毛を引っ張られた。
「い、いたいっ」
「ほら、起きるんだ!朝だよ」
 敏江が髪をつかんだまま、眉子を独房から引きずりだした。
「今日は、登校日だから、拷問は、お休みだ。さっさと食事をすますんだ」
「は、はい、乱暴は、やめてください」
 拷問が休みだと聞いて、眉子は、少しだけ元気が沸いてくるような気がした。
(今日は、休める・・・)
 食堂に行くと明美が待っていた。
「今日、藤崎君にあなたのラブレターを届けて上げる。さっさと餌を食べなさい。早く学校へ行かなきゃいけないものね」
「は、はい・・・わたしも学校へ?」
「バカね。あなたはお留守番よ」
 ドンブリになみなみ盛られた食事は、真っ赤だった。
「こ、これは」
「あなたが昨日、垂れ流したタバスコよ。他にいろいろ入れておいたから、栄養も満点よ。さっさと食べなさい。学校に遅れるでしょ」
 眉子は、一口含んだだけで咽せかえった。
「なにやってるの?亜紀さんには、食べられなかったら、尻の穴から食べさせるように言われているのよ。今日は、急ぐんだから、早く食べて!」
 眉子は、汗だくになりながら、タバスコスープを飲みこんでゆく。眉子にとって、このくらいの苦痛は、もはや、軽い方なのだ。眉子が飲み干すと、明美と敏江は、バタバタと食堂を後にした。