ゴーストハント ネタバレスレ

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56緑の我が家
「12階って、どんな会社が入ってるんですか?」
「よくは知らないけど、住宅に貸してるみたいよ」
「人が住んでるんですかぁ!?」
「らしいわ。ホラ、見かけたことない?髪の少し長い若い男の人」
「ああ、あの人。背が高くて、ちょっとハンサムな」
「そうそう。彼が住んでる見たいね」
「そうだったのかぁ。総務の白井さん、彼にアコガレてるんですって」
「あら、白井さんだけじゃないわよ。実は結構ひそかにいるのよね」
「やっぱりぃ」
ぼくは何となくニンマリした。ぼーさんが人気があると、やっぱりうれしい。
ぼくはぼーさんが好きだから。
「でも、12階ワンフロア?確か面積は同じですよね」
「だと思うわよ」
「じゃ、お金持ちなんだぁ。何をしてる人なんですか?」
「スタジオ・ミュージシャンですって」
「へぇぇ」

続く。
57緑の我が家:2006/09/30(土) 20:56:42 ID:???0
彼女たちは6階で降りてしまった。降りるとき、
「梅吉君、またねぇ」
といってくれたので、
「またね。ありがとう」
と答えておいた。
12階でエレベーターを降りると、正面にドアがある。ガラス張りの両開きドアだ。
これはどの階も同じ。ウチだけは、中が見えないようにガラスを内側からペイントしてある。
あったかいグレイで綺麗な色だ。そこに小さく文字が入れてある。
「TAKIGAWA」というその文字は、銀に見えるけど、実は内側からだと透明に見える。
それで中から外の様子が見れるんだ。
その文字のずーっと下の方には、小さな穴が開いてる。
そこにはアクリルの蓋がついてて、これは押すと簡単に動く。
これがぼく専用のドア。
ドアが内側から開いた。
「ぼーさんっ」
「よう。お帰り」
上から見下ろしてぼーさんが笑う。すぐにしゃがみこんで手を伸ばした。
「ただいまっ。ぼーさんも、お帰りっ」
ぼくはぼーさんの腕によじ登る。嬉しくって尻尾が跳ねた。
「ただいま」
ぼーさんは不思議だ。ぼくの言うことがわかるんだ。
「今、迎えに行こうと思ってたんだよ」
そういってぼくを抱えて中に入る。ドアを閉めていつものように鍵をかけた。
ちゃんと鍵をかけておかないと、ときどき間違えて人が入ってきてしまう。
きちんとインターフォンつけてあるのに、勝手にドアを開けるんだ。
続く。