ゴーストハント ネタバレスレ

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52緑の我が家
緑の我が家

ぼくは猫だ。名前は梅吉って言う。
梅吉って名前は、ぼくのご主人さまがつけてくれた。ぼくはどこかで拾われたらしい。それがどこで、いつのことだったかは覚えていない。
ぼくが覚えている最初の記憶は、お寺を出て行く風景だ。ご主人さまに抱かれて大きなお寺を出た。
その時ぼくはもうかなり大きくて、それからあまり大きくなっていない。
だから近所の猫はみんなぼくを、ちょっと冷たい目で見てる。ぼくはそんなの、気にしないことにしてるけど。
ご主人さまの名前は滝川法生。前はノリオって読んでたけど(ウチに来た人がそう呼んでた)
今はぼーさんって呼ぶ。
本当にお坊さんだし、その方が似合っているから。
ぼくはいま、しっぽを立てて道を歩いている。ぼーさんは仕事で時々家にいなくなる。
その間ぼくは駅に行く。鋭気にはたくさん野良猫が住みついていて、駅員さんが餌をくれる。
駅員さんは親切だし、他の猫が居て結構楽しい。ぼーさんは仕事が終わると迎えに来てくれる。
ぼくの方が帰ってくる日を思い出したら勝手に家に帰る。
今日はそれだ。ぼくはミケの子猫と遊んでいて、今日がぼーさんの帰ってくる日だって思い出した。
それでてってこ、ウチに帰ろうとしているわけ。
ぼーさんの仕事はふたつある。ひとつはミュージシャンというやつ。
ぼーさんはベースを弾く。上手いんだと思う。前にウチに来ていた人はそう言っていたから。
ベースメイキングが最高に上手いだって。ぼくにはよく分からないけど。
ときどきキーボードを弾いたりもする。お風呂で唄うこともある。歌はぼくにも分かる。
ぼーさんは歌が上手だ。
もう一つの仕事は霊能者、ってやつだ。これはよく分からない。一緒に仕事に行ったことはないし、仕事のことを知っているひともウチには来ないから。
以前はあまり霊能者をやっていなかったんだけど、最近は少し増えてる。ナルって人と知り合ってからだと思う。
今も霊能者の仕事で出かけてるんだろう。ベースを持って出なかったから。

続く。