イクトを両親に会わせるべく、日本アルプスの野口夫妻の元にやってきた大たち。
だがイクトは、赤ん坊をあやす野口美鈴の姿を垣間見ていたたまれなくなり、飛び出してしまう。
それを追った大はイクトを見失ってしまうが、野口賢治と出会う。
だが野口博士はイクトの無事を喜んだあとで、大にイクトを連れてこのまま帰って欲しいと告げる。
実験中にイクトを失い、デジタルワールドまで赴きながらイクトのオモチャしか見つけられなかった
悲しみからようやく立ち直った美鈴をこれ以上傷つけたくないからだと、ひたすらに頭を下げる野口
博士の姿に、大は納得できずにいながらも引き下がる。
自分の母だという美鈴、彼女が赤ん坊をあやす姿、ユキダルモンのこと、ユキダルモンを殺した人間
のこと……混乱するイクトは、どうしても美鈴を母と認めることが出来ない。あげくに、「あの女が
自分の母親じゃないことを証明してやる!」とまで言い出す。
全てが始まった実験室で、イクトと三人で写る写真を手に1人物思いにふける野口博士。
と、落雷で突如として実験機器が起動、デジタルワールドへの門が開く。
そこへ美鈴がやってくる。危険だと押しとどめる博士をよそに、美鈴は叫ぶ。
「イクトが帰ってくるのかもしれないわ!」
だが、門を通ってきたのはハグルモンだった。
ハグルモンはイクトのオモチャと融合、さらに屋敷まで取り込んで巨大化し、そのなかに美鈴は
取り残されてしまう。
そこに駆けつけたイクトは、ゴツモンに言われ自分を攻撃に来た相手かと身構えるが、ハグルモンはイクト
を無視し何かを探すようにさまよう。
「ママ……ママ、どこなの……?」
ハグルモンは、イクトのオモチャに染み付いた母を求める想いに影響されていたのだ。
大はアグモンをライズグレイモンに進化させるが、捕らえられた美鈴の前に手出しが出来ない。
そこにイクトとファルコモンが飛び出し、ライズグレイモンがハグルモンを押さえている間に中に入り、
美鈴を救出する。こうなればもはや敵ではなく、ライズグレイモンはトライデントリボルバーでハグルモン
を撃破する。
無事を喜ぶ野口夫妻。そして美鈴は、自分を救ったのがイクトだと気づく。まだ戸惑うイクトだが、涙
ながらに自分の名を呼ぶ美鈴の抱擁を受け入れる。
と、そこへ突然国家機密庁の羽柴が現れ、野口夫妻を国家機密法違反の罪で拘束しようとする。
だがイクトは、自分は正義のデジモン戦士、今回の騒動は自分がやったことだと言い放ち、遁走する。
まるで、夫妻をかばうように……。
一方デジタルワールドでは、ゴツモンがメルクリモンへ人間界への侵攻を進言する。
まだ時期尚早とはねつけるメルクリモンだが、そこへ新たなデジモンが現れ、その態度を嘲笑する。
その名はサーベルレオモン、メルクリモンのかつての友だった。