涼宮ハルヒはこれ以上ない神アニメ

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866メロン名無しさん
構成とストーリーについて

この作品について特筆すべきはその構成であり
主軸のストーリーの間に時系列を無視して短編のストーリーを挟み、一度視聴者に先の展開を見せる事で
その短編中のキャラクターの行動、言動が全て伏線として生きる。
これによって視聴者は通常のように先の展開を予想するのでなく、
前の展開を推測し整合性を取ろうとする作業をすることになるが、
この知的作業に通常のamusingとしての面白さではなくinterestingとしての面白さがある。
またこのメメント的構成法はキャラクター描写、世界観描写にも一役買っている。
というのは短編という一つの完結したストーリーを説明無しに登場するキャラクター達が
物語中の個々の事象に対してとても個性的な個々の対応をありのままに示す、
この「加工された描写」というより「生の素材」とも言うべき、
新しい形での視聴者へ向けたキャラクター性の提示が
実に直感的で、何より具体的なキャラクター描写になっているのだ。
そして最後にこの構成はシナリオの面に於いても大きな意味を持っているといえよう。
時系列の先を見せて伏線を張ってしまうという構成は一見無茶苦茶に見えるが、
実は一般的にしっかりしていると言われるご都合展開によって伏線を張る形の構成より
本質的な意味でしっかりとした構成だと言える。
というのは通常の構成ではどうしても本編でのネタバレの部分的な提示にシナリオ的無理が生じてしまうからだ。
その点、短編として時系列の先の展開を見せ部分的なネタバレにするという手法をとれば
当然本編のストーリーに無理や負担が生じず、自由にストーリーを組む事が出来るのだ。
867メロン名無しさん:2006/05/31(水) 18:11:29 ID:???0
例えば通常の構成をこの作品に適用した場合、
「涼宮ハルヒの憂鬱V」でハルヒが神、長門が宇宙人、ミクルが未来人、古泉が超能力者と言葉だけでの説明をしても、
彼らの能力について少しの直感的イメージも得ていない視聴者は意味が理解できず退屈に感じてしまうだろう。
しかしそれを解消する為にそれ以前に何らかの形で彼らの能力を直感的イメージとして示そうとすれば、
主軸ストーリーの修正を必要とすることになり、そこに必ず無理やご都合が生じてしまうジレンマに陥る。
しかしこのメメント的構成では、視聴者が「朝比奈ミクルの冒険」や「涼宮ハルヒの退屈」で
登場人物の能力の一部を既に直感的イメージとして受け取っている為に、
キャラクターの言葉による説明を容易に理解することが出来ているのだ。
ここで何より重要なのは、そういった構成をとるのに
この作品の設定とストーリーが他のどの作品より向いているということだろう。
恐らく他の凡弱な設定、固定され一本化されたストーリーの作品ではこの構成をとったところで
何の意味も持たない、ただ奇をてらった構成としてしか理解されなかったのではないだろうか。
868メロン名無しさん:2006/05/31(水) 18:31:20 ID:???0
アンチハルヒの95%は原作読んで無いだろ
少なくとも原作の一巻読んでいれば過激なアンチになるなんてありえん(話数のシャッフルのけちつける奴はいるかもしれないが

あとストーリーがありきたりとかいってる奴は教養無さすぎる。
五分前世界創造仮説を基軸にしたアニメなんて今まであったか?少なくとも俺は知らない

それだけでも十分独創的だろ。
たぶん著者はラッセルの『心の分析』を参考にしてるんだろう

五分前世界創造仮説も知らずにハルヒ叩いてる奴は相当痛い。短絡的。教養が無い

原作の一巻を読んだとき、この作品は何かに似ていると俺は思った。ドラマ『トリック』だ。
あのドラマは一見するとただのコメディに見えなくも無いがもちろんそうではない。(もしそうならあんなに人気が出たはずが無い

トリックはユーモアの中に「この世には本物の超能力者が存在する」という恐怖(または非日常)が含まれているのだ
そしてその恐怖(非日常)は、二人の主要キャラが必死になって否定しているだけにより増幅し、
その恐怖(非日常)は現実味を増すのである。

このことはハルヒにも言える。

典型的な萌えアニメというユーモアの中に
「この世界はもしかしたらほんの数年前に創造されたのかもしれない。そして何時崩壊するかも分からない。」
という恐怖(非日常)が含まれているのだ。

そしてこれまた「トリック」と同じように、主人公であるキョンがその事実を認めようとしないということが
その恐怖を増幅し、非日常に現実味を持たせるのである。

ハルヒについて、『萌え要素』と五分前世界創造仮説等の『哲学的要素』
という二つの要素に注目した場合、
ハルヒはエヴァに似ているということも出来なくは無い。

エヴァ:(萌え要素)+(哲学的及び心理学的キーワード)
ハルヒ:(萌え要素)+(哲学的キーワード)

ただし、エヴァとハルヒの最大の違いは

エヴァ:哲学っぽい、心理学っぽいというだけで実は中身が何も無い。
ハルヒ:一見、哲学とは何の関係もなさそうに見えて実は深い哲学的思索に満ちている。

俺は京アニの頑張り次第ではハルヒはエヴァを超えると思っている。
頑張り次第とはどういうことかというと、もし京アニがハルヒに含まれる哲学的要素を
重要視せずに切り捨ててしまうようなことがあれば、すべてが台無しになるということ。