―――キンコーン
「帰りましょう、薫」
「そうね、満」
終業の鐘が鳴り、帰ろうと席を立つ満と薫。とその時
「ねえ満!薫!」
と、咲がニコニコしながら話しかけてきた。
「明日皆でネズミーランドに行くんだけど、満と薫も来ない!?一緒に行こうよ!」
「…ネズミーランド?満、知ってる?」
「ここら辺じゃ一番人気のあるテーマパークらしいわ」
「へーそう…興味無いわ」
「そんな事言わないでさ?スッゴク楽しいんだから!ね、一緒に行こう!?」
「しつこいわね…」
と、ドアへと向かいかける薫だが、それを制するように満が口を開いた。
「いいわよ、行きましょ」
「ホントに!?嬉しいなー!じゃあ明日はコノ場所にコノ時間に集合ね!?」
「分かったわ」
そして喜ぶ咲の説明に相槌を打って、二人が「サヨウナラ」と教室を出る。
「満、何で…」
「だってプリキュアの事、もっと分かるかも知れないじゃない…」
―――そして翌日
「あんなに並んじゃって、バカみたい」
「マッタクよね。何が楽しいのかしら…」
アトラクションに並ぶ行列に蔑んだ視線を送る二人。しかしそんな二人を
「ホラ、満も薫もそんなトコに立ってないでコッチに来て並ぼうよ!」
と咲がグイッと引っ張り無理矢理行列に並ばせる。
「まったく、いつまで列に並ぶつもりなのかしら…」
「いい加減にして欲しいわ」
ブーブーと文句を言い合う満と薫。
しかし待てば順番は必ずやって来るモノ。
そしてとうとう―――ヒュー…スプラッッッシュ!!
―――
――
―
「面白かったね、咲!」
「うん!満も薫もドキドキして楽しかったでしょ!?」
「ま、まあそうね…」
「ちょっとだけね…」
「フフッ、満さんも薫さんも楽しかったみたいね!」
「うん!じゃあ、次あれに乗りに行こう!?」
「今日は本当に下らなかったわね」
いつもの様にひょうたん岩に立ち、月光を浴びながら満が呟く。
「そうね…」
同意する薫。だがその後で
「…でも満?」
と、満に静かに視線を向ける。
「何?」
「いつまでそのネズミの耳のカチューシャしてる気なの?」
「……薫こそ、そのマスコットのリストバンドずっと腕に着けたままじゃない」
「……」
「……」
「…まあ、中々だったわね」
「そうね、また行ってもいいかもね」
「…次に行くことがあったらいつかしらね?」
「……明日?」
「決まりね…」
―――そしてまた翌日
「すいません、その帽子下さい」
「私はこのポーチを…」
「お一つずつですね!?ありがとう御座いました!」
以上でおしまい
ネズミーランド楽しぃー!