傑作、駄作のお話じゃなくて、人材の問題なの。
単純に労働力の確保ができてないの。
動画は安くて人海戦術を使える海外に仕事が優先的に回るから、
国内に動画の仕事が無くなる、無くなるから動画マンの数は減る(つまり雇用が無くなる)、
雇用が無くなるから、なり手が無くなる(いくら本人にその気があっても)、
動画マンが育たないと必然的に原画マンも育たない(数的にも技術的にも)。
そうして、人材の空洞化が起こってる。特に20代の人材が圧倒的に不足している。
今、アニメでトップを張ってる人間は、もう十五年ほど前から変わってない。
新時代の旗手として注目を集めている小池健や今石洋之はもう30過ぎだ。
当時時代を席巻した大張正巳や菊地道隆、羽原信義らはみんな20代前半だったんだぞ?
大張なんて初作監は19歳だ。
今周りを見回して、そんなアニメーターいるか?いねえだろ?
あのころは沢山いたんだよ、そしてその若い連中が業界を引っ張っていったんだ。
ところが今はどうだ?
そしてなんでこんな事が起こっているか、それは合理化。
海外で動画を安く、大量に、早く、こなしてくれる所に仕事を回すんだ。
人材を育ててる余裕が無いの。時間的にも金銭的にも。
で、なぜ合理化なのか?
本来、利益を少しでも上げるためにとられるシステムだが、
アニメの場合は会社を存続させるため、生き残る為にやってるんだ。
今を乗り越えるのでやっとなの。先の事を考えられる余裕すらないんだよ。
なんでそういうことになっているのか?
それは、制作費が安いから。
金が無いからなの。
じゃあ、何で金が無いのか?
もうここからはループだ。
萌えだの駄作だの、そんな次元の話じゃないんだ、もはや