【爆弾狂】紅蓮の錬金術師ｷﾝﾌﾞﾘｰ【硫黄水銀】2

此の肉叢も軈て朽ち果て、鳥獸の糧と成るのだろふ
何事も無かりしやうに現世は流れ行き、餘と言ふ者の存在を過去の遺物となすのみ。
打ち捨てられ、其の身に打たがれたる風穴より流れ落ちる紅蓮の…
二つ名にも相應しき臟物の迸りを掻き集めやうともせず
只其の口元に靜かな笑みを浮かべ、燈火と消える意識と共に男は呟きたり。
「…其處にあるのは空虚
　人間と言ふ物はいと、つまらぬものなり。」

この身体もやがて朽ち果てて鳥や獣の餌になってしまうんでしょうね。
何ごとも無かったように世の中は流れ、私の存在なんて過去の遺物とするのみ。
打ち捨てられ、身体に開いた風穴から流れ落ちる紅蓮の…
二つ名にもふさわしい臓物が流れ落ちるのも掻き集めようとせず
ただ、その口元に静かな笑みを浮かべ、ともしびと消える意識ともに
男は呟いた。
「そこにあるのは空虚なんです。
　人間と言う物は本当に…つまらないものだ。」