なぎさとほのかが机を並べて勉強中。
ほのかは教え方が巧いから、なぎさの勉強がはかどるはかどる。
でも、なぎさにはさっきから気になる事がひとつある。
ほのかが ♪ころろんころころ♪
飴玉を舐め舐め勉強しているのが…
――別にお腹が空いてるわけじゃないけれど、
――隣でおいしそうなあまいあまい香りがすると…ねえ?
「ほのか、その飴おいしい?」
――次に期待するほのかの言葉は(なぎさに一個あげる!)なんだけど…
「おいしいよ」そっけないほのかの返事。
「何味?」
「何味だろうね?」教科書をジッと見つめたままのほのか。
――お勉強に集中してるのはわかるけど…
――ほのかはハッキリ言わなきゃ判んない人だもんね!
「ほのか!私にも飴玉ちょうだい!」と言い終わらぬうちに
「一個しかないの。」
顔も上げずにノートにペンをすらすら奔らせて、
ほのかはお口の中で飴玉を
♪ぺろころぺろぺろ♪
――ムカ!私の顔を見もしないでそんな冷たい返事ってアリ〜?
「ほのかってズルイよ!ひとりだけで飴玉おいしそうに舐めるなんて!」
「だって一個しかないんだもの!」
「半分コにするとか、
ほのかが我慢して私にくれるとかいろいろ方法あるであくぇsdr!!」
―――かりん!―――
ほのかが口の中で飴玉を砕く音
そしてほのかはなぎさの肩に腕を回して抱き寄せる
人差し指で軽くなぎさの下唇を押さえて開かせる
―――ちゅっ!―――
唇に重なるほのかの唇。
甘い甘い香りと一緒に
小さく欠けた飴玉がひとつほのかの舌で口の中に押し込まれる。
「何味だった?」
「よく…わかんない」
「うふふ。もう一個飴玉ポケットにあるの忘れてた。
これも半分コにして食べようね?」
おしまい