長門かよこに惑わ(・∀・)サレロ!!

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643メロン名無しさん

 思えば、生まれた時から私の男運は悪かったんだろう。
 親父はアレだし、初恋もアレだし、今だって。
 くー、と水の如く酒を飲みながら、私は馬刺しを食べる。うん、美味しい。あ
あ美味い。太るな、これは太るな。そう思いながら、料理を追加する。いつもな
らそんな食えないけど、今なら食える。きっと食える。
「…うま」
 馬を食いながらうま、とはこれいかに。思い切り口の中に詰め込んだ食物を、
酒で流し込んだ。
 
 嫌な事があった。
 好きな男に浮気されて、年下の母親が出来て、素っ裸見た男と再会した。
 帰ろうかと思ったけど、ムシャクシャしたから、なんか食べようと思って居酒
屋に入った。でもって今に至る。
「お待たせしました、オムライスです」
 ことん、と美味しそうなオムライスが置かれる。問答無用でスプーンを取った。
 がつがつ食べていると、不意に大輔と付き合い始めた頃の事を思い出した。そ
ういえば、大輔ケチャップ嫌いだったな。
 チキンライスを凝視して、浮かぶのは大輔の事ばっか。
 …好きだよ。凄く好きだ。大輔の事、好きだ。だから、余計に腹が立って来る。
黙っときゃ良かったのに。私に殴られるって、罵倒されるってわかってた筈なの
に、馬鹿正直に言いやがって。それでその後どうなるかってのも、薄々どころか
厚々わかってたろうに。それで、実際そうなったのに。
 あぐ、とちょっと大きすぎるくらい取ったオムライスを無理に口に運ぶ。熱い
し、多いし、喉に詰まる。それをまた、酒で流し込んだ。