1 OP
OPに関しての私の考えは、まずその作品の導入部である、と同時に、
テーマを包括しているべきだということです。歌詞と内容が連動しているべきなんです。
そうすると今回は、1番から3番まで必要である、という結論が自然に出てきたんですよ。
「1番はカズマ、2番は劉鳳、3番は"男"というものを統括できる詞にしてください」、
と作詞作曲を担当された酒井ミキオさんに発注をしました。
それと、最終回だけOPとEDが変わります。ある段階で、最終回の終わり方と
EDの曲内容がそぐわないことがわかったんです。OPも、内容としてこの曲が流れる
必要性は前回で終わっている。だから変えざるをえなかった。
常に私はその曲が流れる意味を考えてしまうんです。
2 music
クセが必要だったんです。TVは視聴者が常に画面を見ているわけじゃない。
音楽を聴いただけで「スクライドが始まってる」と思わせなきゃいけない。
じゃあ、どういうクセがいいだろう、というときに「ラテンははどうだろうか」と
示唆してくれたのは小林真一郎プロデューサーでした。
「リヴァイアス」のときに「ヒップホップはどうか」といってくれたのも小林さんだったんです。
作曲の中川幸太郎さんにお願いしたことは、男の生き方を描いているので、
男性主観の音楽が欲しい、と。女性側の感覚に寄った曲は、割合として極力減らしたいと
お願いしました。中川さんのお仕事には、もうとても満足してます。
こちらのわがままなオーダーをよく聞いていただけたなあと。
3 dorama CD
ドラマCDにかんしては、本編をみていただいているお客さんへのおまけであり
プレゼントであると考えてください。お笑いスクライドです。純粋におかしくて楽しいです。
黒田洋介のもう一面の才能を堪能してくださいという感じですね。頭、極力カラッポにして聞いてください(笑)。
1枚はカズマとかなみと君島のお話、もう一枚は、ホーリーの連中のバカ話です。
「無限のリヴァイアス」を見ていてくれた人のために、ほんの、ちょっとしたサービスもあります。
さらに、それにプラスして両方とも、漫画版「スクライド」をアフレコして入れてあります。
漫画のほうを読んでない人は、これを機会に単行本買って読んでみてね、ということで(笑)。
4 KAZUMA
カズマというキャラクターに人気が出るかどうか、ずっと不安だったんです。
もしかしたらかなり嫌われるかもしれないと思っていました。自分の中にルールをもち、
それにのっとったうえで行動するというのは、他人から見るとわがままであり自分かってだということですから。
周囲との強調をはっきり無視するキャラクターというのがどう受け取られるかわからなかった。
でも、私はカズマみたいなキャラクターが好きだし、このキャラで押し通したかった。
ただ、カズマ単体ではきついだろうな、とは思ってました。同時にカズマを照らし出すキャラクターが必要になってくる。
だから君島が必要だし、かなみが必要だし、劉鳳というキャラクターが必要となってくるんです。
5 RYUHOU
劉鳳はその気になれば、水守をくどいて、シェリスもくどいて、ほかのお姉ちゃんともつきあって酒池肉林で、
「俺は覇王だ」と言って権力を握ることもできるんです(笑)。それだけのことができる男として意図的に設定しているんです。
でも、彼はそうしないんです。自分が求めている望みや願いとは全然関係のない、
顔のよさとか家柄のよさといったものを、たまたまもって生まれてしまった、そういうキャラなんです。
劉鳳が欲しいものはひとつだけなんです。カズマが欲しいものもひとつだけなんです。
ただ、何かを求めるというのは何かを捨てる事でもあるんです。
カズマは君島というリスクを負っていたし、劉鳳はシェリスを失うことになった。そういうことなんです。