「遙伝説」スレ-伝説はどこまでも続いてゆく

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284君が望む永遠 Visual Complete
――今回のメインヒロインは水月ですが、これは最初から決まっていたのですか?
渡邊:いちおう企画のスタート段階から、水月でいこうという話になってたんで、じゃあ水月を立てようという
ことで話を作っていました。
 企画前の話をすると、この仕事をする前に、原作のゲームをプレイしてみたんですよ。そこで最初に
水月のエンディングを見たんですが、あんまりにも遙が不憫でならなかったんですよ。これは遙を主人公
にしたいねえって思いましたね。それで内部で喧々囂々やった結果、「遙の強さを描くなら、やはり…」とい
うことで、ああいう形になりました。まあ、水月の方がドラマチックではあるから、話としては作りやすいんで
すよ。でも、バランスを考えながら、遙もできるだけ救いたいと考えてましたね。

――では、実際に遙を描いてどうでしたか?
渡邊:遙ってすごく扱いづらいっていうか、難しいキャラクターだと思います。三年前はいいとしても、三年後。
孝之がショックを受けるようにするには、ただぼうっとしているだけでも、普通にしゃべるだけでもいけない
んです。その辺をうまくやらなきゃいけないとなると描きづらくて。不安定なキャラクターなんです。不安定
なまま最後まで行けば、まだそういうキャラクターだってことで済むんですけど、途中で一回倒れて、目が覚
めたら今度はしゃきっとしてるじゃないですか。その辺が難しかったですね。だから、もう少し話しに余裕が
あれば、遙が病院にいるあいだどう思っているのかっていうエピソードを、つっこみたかったですね。
さすがに十四話であの密度だと、突然遙の主観の話が出てきても浮いてしまうんでやめましたけど。

――では、水月のほうが描きやすいと?
渡邊:水月は、立って歩いて普通にしてますから、ドラマとしては作りやすいと思いますよ。遙を深く描きす
ぎると、どうしても難病モノみたいになっちゃうんです。まあそういう描き方もあるんだろうけど、それは避け
たいんで、ああいう感じにしてみました。