春風どれみは今年もステーキ(・∀・)タベルナ!!
不機嫌そうな顔の教師が黙々と黒板に計算式を書き続け、生徒たちもまた黙々とそれを写し続ける。
そんなありふれた中学校の授業風景を、場違いな赤ん坊の泣き声が中断させた。生徒たちと教師の視線が
教室の一番後ろに集中する。一番後ろの席の、その脇に置かれた大柄な乳母車に。
乳母車では良く似た赤ん坊が二人、大声で泣きじゃくっていた。
「よしよし、二人とも元気だね…」
脇の席についていたお団子頭の女子生徒が、優しい声をかける。彼女は泣き声の二重唱をしばらく聞いて
いたかと思うと、おもむろに断言した。
「この泣き方なら…そなた(仮名)の方がオムツで、みそらはただのもらい泣きだよ!」
見守っていた生徒たちから感嘆の声が上がる。女子の一部は尊敬の眼で見る者さえいた。
しかし教師は気に入らないようだった。慣れた手つきでオムツ替えを始めたお団子頭の女子 ― どれみに
苛立たしそうな声をかける。
「おい春風…」
「あ、すぐ終わりますから気にしないで授業続けてください。小竹、ちょっとこれ捨ててきて」
「俺が?」
「いやなの?」
「…へいへい」
小竹と呼ばれた男子が汚物の紙包みを持って教室を出る。教師はもはやあきらめたらしく、一段と不機嫌
そうな顔で板書を再開していた。
昼休み。どれみは乳母車のカゴの部分を抱えて校舎の屋上へ上がり、赤ん坊たちに授乳していた。麦茶の
缶を持って後から上がってきた小竹が、彼女たちの隣に座った。
「長門と西沢先生がさ、今度はあの数学教師を落とすって」
「…そっか。あの二人に任せとけば大丈夫だよね」
長門かよこと西沢ゆ〜か。彼女たちは最も早くからどれみの毒牙(?)に懸り(初代スレ参照)、中学に
入ってからはお腹が膨らんだどれみに代わって彼女流の『博愛主義』を広めてくれていた(ゆ〜か先生は
どれみさんを追って、どうやったのか知らんけど美空中へ転勤したようです)。中学一年生が教室で育児
などという常識外れな行為が認められたのも、彼女たちを中心とする美空小出身者たちのおかげである。
小竹は改めてどれみたちを見た。制服もブラウスもはだけたどれみの、右の乳首にみそらが、左のそれに
そなた(仮名)が顔を押し付けて幸せそうに乳を吸っている。
(うまいのかな)
ふと、小竹はそんな事を思った。
卒業式の日、大親友たちと別れる寂しさに耐えかねてMAHO堂に立て篭もったどれみを、クラスメイト
たちが迎えに来てくれた。彼ら・彼女らは口々にどれみとの体験を…他人と交わり、快楽を与え合うのが
どんなに素晴らしい事か、性別も、年齢も、血縁関係さえもその障害にはならないのだと身をもって教え
られた事を語り、どれみの心を覆っていた氷を少しづつ溶かしていった。
そしてMAHO堂の面々より先に、小竹が叫んだ一言。
「俺は…っていうか、ここにいるみんな!その子を本当の自分の子供みたいに思ってるんだぁぁっっ!!」
実際、該当する時期にどれみが食いまくった大勢の男子(そして少数の女子)の誰が父親でもおかしくは
なかったが、彼女は気にしていなかった。だが先述の発言以来、彼女も周囲の者たちも小竹を父親として
扱うようになっていき、今に至る。
なお出産後の血液検査で、子供たちの父親の可能性がある者は数人に絞られた。小竹もその一人だった。
「…もうおなかいっぱいかな?んじゃゲップしようね。みそらをお願い」
しばらくして、どれみは吸うのをやめた赤ん坊の片方を小竹に預け、もう一人の背中をぽんぽんと叩いた。
ブラジャーのフロントホックはまだ外したままで、授乳器官としては必要最小限の大きさしかない乳房が
ちらちらと目に入る。つい見とれてしまった小竹は、どれみの視線に気づいて慌てて預けられた赤ん坊の
背中を叩いた。ちょっと強すぎたせいかゲップをした後泣きそうになるが、どれみが奪い返してあやすと
すぐに微笑んだ。どれみは赤ん坊たちをカゴに寝かすと、裸の胸を突きつけるように小竹の方を向いた。
赤ん坊たちの口からこぼれた母乳が、乳首の周りについていた。
「小竹も飲む?」
「おっ…おい何言ってんだ」
「え、さっき飲んでみたそうな顔してたじゃん。もうあんまり出ないと思うけど、遠慮しなくていいよ」
どれみは育児で鍛えられた腕力で小竹の体を引き寄せ、顔を乳房に押し付けた。小竹は最初ちょっと抵抗
したが、そのうち赤ん坊に戻ったように乳首を咥え、吸い始めた。
(ちゅぱっ、ちゅぱっ…)
「この辺に少し残ってるみたい。ちょっと押してみて」
時々そんな事を言いながら、どれみは三人目の赤ん坊の頭を撫で続けた。
しばらくして、どれみは小竹に尋ねた。
「おいしい?」
「よくわかんねぇ…牛乳を水で薄めたみたいな感じっつうのかな…けどよ、これがどれみの味なんだって
思ったら…なんだか、ホンワカした気持ちになったぜ」
照れくさそうに小竹がそう言うと、どれみは心から嬉しそうな表情をした。
小春日和の陽射しの下に、赤ん坊たちの笑い声が響いていた。
PS.
「それでさ小竹、あの…」
「何だよ」
「あたしも久しぶりに、小竹のミルク飲みたくなっちゃった」
「今かぁ!?」
「いいでしょ別に。ここはもう準備できてるし」
「うっ…ど、どじみぃ…」
「それに、小竹のならすぐ出るし…」
「は、早くて悪かったな…あぁっ」
(ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱ…どぴゅっ!)
御無沙汰しました、初代スレの114です。
どれみさんはとうとう正真正銘のママになっちゃったんですねぇ…感慨深い物があります。
実をいうと何度か名無しでカキコしていたんですが、今回は久しぶりにSSを投稿してみました。
あの頃のノリとはだいぶ違うと思いますが、楽しんでいただけたでしょうか?