【あずまんが大王】よみ&とも【Best Friends】

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866メロン名無しさん
20.お見舞い

あっという間に3日が経った。
私はお見舞いの品を手にぶら下げて、病院の廊下を歩いていた。
ノックしたドアの脇には「谷崎ゆかり」と書かれたプレートがあった。
「どーぞー」
どこか投げやりな、ゆかり先生の声が聞こえた。
病室はすでにいっぱいだった。神楽、榊、大阪に、みなも先生が来ていたからだ。図らずも、ともの葬式の時に集まったメンバーだった。
「なんだあんたまで来たの? 主婦はヒマねー」
相変わらずのゆかりちゃんだが、頭に巻いた包帯が痛々しい。
「大丈夫なんですか?」
「だーじょーぶよ。にゃもが大げさにしただけなんだから」
「頭から血ぃ流しすぎてぶっ倒れた人が文句言わないの」
この3日の間に、神楽とかといろいろ情報交換して分かったことだが、ゆかり先生は逃げ遅れた生徒を助けるために怪我を負ったらしい。なんだかんだいって、ちゃんと先生をやっているみたいだ。
「しっかしスッゲー火事だったなー。あれじゃー、みんな丸焦げだろうな」
神楽が言った。
「資料室のほうから出火したみたいだから、火の手が回るのが早かったのよ」
「どーせ、男子の誰かがヤニ吸ってたんでしょー」
「原因分かっとらへんのかー?」
「出火元も、出火原因も分かってないらしいわ」
みなも先生の言葉が、重く圧し掛かった。
ともの死に続いて、このタイミングで原因不明の高校の火事。それが意味するものは何なのだろうか。
誰かが、なにかの過去を抹消しようとしている。そう思うのは、過ぎた妄想だろうか。だが、ともの死と高校の火事はまぎれもない現実だ。
いずれも、私とここにいるみんなは関わっている。誰かの魔の手がそこに伸びないとは、誰が保障できる。
図らずも、みんなはここに集まっている。
私はここでみんなに一連の出来事を話し、協力してもらうべきじゃないのか。どのみち、私一人の力ではメモリースティックの解析はできない。でも、みんなと力を合わせたら・・・
「あのさ・・・みんな」