【あずまんが大王】よみ&とも【Best Friends】

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797メロン名無しさん
18.ともの動機

私はできるだけ早く、このメモリースティックの中身を確かめたいと思った。行動はできるだけ早く起こしたほうが、いいような気がしたからだ。
しかしそうなってくると、当然私一人の力では限界がある。解析作業を急ごうとすれば、それに比例して私は人の力を頼らなければならない。
問題はまだある。解析のキーワードである、“私たちが最初に出会った日”というのも思い出せない。もしかしたら言葉自体がヒントで、言葉の意味である日付は関係ないという可能性もある。
それよりも私は気になっていたことがあった。
そもそも、ともはどうして警官になったのだろうか。まさか本当にICPOを目指していたわけではあるまい。
おそらく大学生活のどこかで、本気で警察を目指そうとした何かがあったはずだ。
私は大阪にアポをとり、お昼に市役所の近くの喫茶店でおちあうことになった。
裕香、神楽のトコに預けとかないと・・・

「なんや、ともちゃんのこと訊きたいんやてー?」
「ああ、すまないな、突然・・・」
喫茶店のテーブルを挟んで向かい合って座りながら、大阪はのほほんと言った。
「ええよ、ええよ。うちもヒマやったから」
それで市役所はいいのか、と思ったが、口には出さなかった。
「それでさっそくなんだが、ともはいつ頃、警察を目指すようになったんだ?」
「いつーゆうてもなー。就職活動する時には、すでに警察って決めてたみたいやったけど」
「なんか、おかしいところはなかったか? 悩んでる風だったとか」
「別になかったよ。いつも元気いっぱいやったよ」
それじゃあ、ともは一体いつ・・・
「男と別れた時も」
「え? 男? あいつ付き合ってたの? あ!」
そういえば一時期、男と付き合ってたことがあるって、言ってたっけ。すぐに別れたって訊いてたから、すっかり忘れてた。
「その人って、どんな人? 名前は?」
「おんなじ大学やったけど、別の専攻やったわ。名前なんてゆうたかなー・・・」
大阪の手のフォークが、先ほどからロボットのようにスパゲッティをくるくる巻いている。こいつは一度に二つのことをできない人間だ。
「あれや! 核物理専攻しとった瀬野さんや」