【あずまんが大王】よみ&とも【Best Friends】
11.訪問(1)
一つの落雷から堰を切ったように雨が降りだした。突風に木々が踊り狂い、バケツをひっくり返したように豪雨が降り注いだ。
まるで地球最期の日のようだった。
「お時間ありますか?」
高校時代、お昼一緒に食べませんか、と言った時と同じ笑顔でちよちゃんが言った。
「えぇ・・・あ、あの」
私は言葉に詰まった。ちよちゃんの突然の訪問にも驚いたが、彼女の背後から言い知れぬ威圧感を感じるからだ。
見上げてみて、初めて気がついた。ちよちゃんの後ろに誰かが立っていた。大阪の言っていた、ちよちゃんの2倍はある黒人だ。
2倍と言うのはさすがに過剰だったが、それでも大きすぎて、首までしか見えなかった。
私の視線に気づいたのかちよちゃんが、
「ああ、この人はマクドゥガルさんです。私の助手です」
ちよちゃんは、マックと呼んで手招きすると、あの大きな図体がしゃがんで、ちよちゃんと英語で2,3何かを話した。
魔人がランプの中に消えていくように、マクドゥガルはどこかに去っていった。
「今、いいですか?」
ちよちゃんが改めて訊いた。
それでも私の口からは言葉が出てこなかった。怪しまれないように自然を装おいたいのだが、カラ回りして銅像のように固まってしまう。
言葉を探しているうちに、あることを思い出した。
ともの手紙がテーブルの上にに出たままだ!
「い、今ちょっと散らかってるから片付けてくるよ」
そういうとちよちゃんが何か言うのも構わずに居間に戻っていた。
握り締めた手紙の最後の一文が目に入った。
最後に、ちよちゃんに気をつけてください。