【あずまんが大王】よみ&とも【Best Friends】
10.現実と非現実
デジカメの扱い方くらいは知っている。パソコンだって、ある程度は使える。しかし、解析云々となってくると、さっぱり分からない。私たちが最初に出会った日がキーワード?
いつだったろうか・・・小学校の頃ということは覚えているが、厳密にいつ、と言われると、ハッキリは思い出せない。
このメモリースティックには、何が収められているのだろうか。手紙には、正確なことは書かれていない。ただ、解析が終わった後の行動は、私に任せると書かれている。
メモリースティックの中身を見た時、私はどうするのだろうか。
裕香が泣いていることに気づいた。私は条件反射のように立ち上がり、ミルクを用意し、裕香が寝ている部屋へ向かった。
化粧台の鏡に、腕に裕香を抱いてミルクをあげている自分の姿がうつった。目線をそらすと、ドアの隙間から居間のテーブルの上に置かれたともの手紙とメモリースティックが見えた。
沈黙で、耳が痛かった。
空は雲に覆われ、今日は雨になるだろう。
主婦生活が長すぎた、と思った。火サスの見すぎだ、とも思った。退屈な日々の生活に飽きて、なんでもない日常の断片から刺激を求めてるだけだ。
今度、神楽とボーリングでも行こうか、そんなことを考えて居間に出た瞬間、インターホンが鳴った。これも条件反射のように動いていた。
「はーい・・・」
ドアを開けた瞬間、近くに落雷が落ちた。
「お久しぶりです、よみさん」
轟く閃光と共に、ちよちゃんがそこに立っていた。