【あずまんが大王】よみ&とも【Best Friends】

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211メロン名無しさん
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あずまんがcollege2−10
7月17日午前8時30分
京都市内

「ん〜」
大阪と呼ばれる少女は眼を覚ました。
普段から、ぼ〜としているといわれている彼女であったが、寝起きの時の
表情は更にぼんやりとしており、愛らしい大きな黒い瞳は今はまだ半分
閉じたままである。
暫くしてから、ゆっくりとした動作で大阪は半身を起こした。つややかな
セミロングの一房が彼女の頬を優しくなでる。数回首を振りあたりを
見渡すが、普段は大阪より早起きな智も、そして生活が規則正しそうな暦も
未だぐっすりと眠りについている。
「へへ〜早起きさんやな、私って」
半分意識を水面下に置いたまま、大阪はちょっと得意げにつぶやいた。
「そや、早起きは三文の得ってゆーけど、おねぼうしたらどうなるんやろ…
早起きが得なら、おねぼうさんは三文の損なんやろか?
そもそも三文ってなんなん?
そやっ昔のお金の単位や!社会の先生が言ってたのおもいだしたで、
私ってもしかしたら天才かもしれへん。
そーゆーたら今やったら早起きは3円の得っていうんやろな〜
ほんでも3円って安いな〜3ドルくらいやったらどうやろ…」
212メロン名無しさん:02/09/28 22:14 ID:???
「歩ちゃ〜ん、ご飯できたで〜」
ぼんやりと思考の迷路にはまりこんだ大阪であったが、台所から叔母の声が
するのを聞くと、おもむろに立ち上がり、ゆっくりと台所に歩いていった。
「叔母さん、おはよ〜さん」
「おはよう、歩ちゃん」
大阪の母の妹にあたるエプロン姿の女性は、微笑みを浮かべて挨拶した。
どことなく面影が似ているが、彼女と違って動作が快活そうである。
「歩ちゃん、お友達を起こしておいで」
叔母にいわれた大阪は、ふとあることを思い出した。
(そやっ合宿の時、失敗したあれをやってみるチャンスやで)
自分の思いつきに夢中になった彼女は、台所の下にもぐりこみ、しばらく
がさがさと音をたてていたが、やがてあるものを取りだし、ゆっくりと
立ち上がった。
そして、ふらふら〜とした足取りで、智と暦の寝室に向かっていった。
その時、大阪の叔母は食器を探していて、大阪から背を向けている
格好になっており、彼女が何時の間にか台所から去っていたことに、
全く気がつかなかった。