{ _____ `ー-、 { / / `ヽ、 }
| ゝ/{ / /´ ̄ ̄ } ヽヽ、
ヽ ,.-‐''" /ハ ! | j / /-‐‐' \
( / //ト、j / / / 二ニ=-- }
ヽ! / // l ,/ / / /__,.-ニ二ニ=-\
| | i |/ / / /  ̄`ヽヽ\ソヽ、
l |____/ /___/-, - ,---' ヽ_/ ヽ
ヽ、! // / / ___________,.-‐-、}
{ / /______/ { _,.-‐''" r'"´| |
ヽ / \ \ ヽ/ _,,. -‐‐‐‐‐‐┤ ,l |
\{ / ̄ ̄/ ヽ/ _/ i_/ゝ!
\ { / `ー-----'"´ \_ノ
`ヽ___ノ
藻舞そんなにマンケツ好きだったか?
マンケツ斬!!!
ヽ ヽ__r‐<ヽ{ _{,.-‐‐/ / / /‐---<kノ/ // /
ノ(⌒< _,,,.-‐‐''"´ / /__/__/_,,,,,,___/__/ / /
\ゝ‐'" _,,,,.-‐‐'''"´ ̄ ̄_______,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,___ ̄ ̄`゙'''ー-- 、,
|_,.-‐''"_,,,.-‐‐‐'''""´ ̄´  ̄`゙'''ー-- 、,,__`゙゙''ー- 、
_,.-‐'"_,.-‐'"´ ___,,,,,,.-‐-,.-‐''"`! `゙゙'''ヽ、|
/_,.-‐'" _,,.-‐'''""´ ̄´ / レヽ、 /
/ _,.-‐''"´ / / / / |ヽ _,,,.-‐'"
/´ / / ///,ィ / //〃'7 i | ヽ\--- '´
/ / //ヽ// ////// / /`' / / l l 、 \
`ー---/ / i { -ソ / レ/ / ̄!/ー,-、/ / / ハ i | ト、 }
/ / ∧/ /∧' { 、_ !/ ∠/j / /} ハ l !/
/ / / / // | } `゙゙''=={ / // //j / !|/
/ / // /| { ! ノ ノ! ' ' ' ,ヒシ〃// 〃
// // / ト、二´__/ ゝ∠_,,,,,,__
/ /// / /`ー--へ _,.-‐‐‐--<´__ /-=ニ `゙゙''ヽ、
__/ / / / /丿`ー-、_ \/ / /´ ̄ `ヽ`ヽ、 ̄二ニ>‐‐‐‐-、_
l l // ∠`ニ=-、//〃/ / / / ヽ `ヽ、ミミ{ー-= ______)}
| l / / // / / / i ハ ヽ ヽヽ \ }ニ= |
l レ/ {/ / / ,l‐l-/! l | ! l,.l‐‐ト、 } i !、_____三!
! l/ / /! l L,ィ⌒>、 l ! j / l-=ト、 | ハ } f(_`ー=‐`>、
!/ ヽ! | Lニl!レ';;::}` lj レ' i'ノ;;::}!く__,| j ト` ̄ ̄´ヨ
/ 、 ヽ! lソ!! l!;;::ノ l!;;;::ノ lL,j /-、ゞ三二___j
| ヽ ヽレ! ト、ー゚ ヾoシ lL〃ゃ )>-‐ニ二,
,__l ゝ l | {  ̄ ヽ ` ̄´ //二ン ソ、二ニ >
>!__r‐-、_{`i\ \\ 「 ̄`! ' ' /r‐‐二-くソゝ-‐‐<__
ゞ、i__l____jハ__,,,-\ \\ ヽ_/ _,. -i j‐'"´ ヽくヽ\/〃/
{ ̄ \ \`ー--r`丶フゝj )ヽj `∨
! \ `,ー''"´`ー-')ノハ /ヽ/
〉、______________________,,.\ (ノ_」_,,.-''" }
/ >ハ i ノリ 「 ハ |\ /レ' |
{/`ー‐」ー-'‐r‐┴--‐--‐'´ \ _,.-'" \ l
{ ` ̄ ̄`ー--、______,.-‐'''"\ _,.-'" ヽ l
ヽ ノ `ヽ、 `ー '´ ヽ l
\ `ー- __,,,.-‐‐''" l
ageだなぁーん…
/ // / / / / ,ィ ヽ `ヽ、
// // 厂/ / / / 〃 , l \
,. -‐‐‐‐┴‐-、/___| / / / / / / 〃 | ヽ
}彡=====ミト、 ,ノ/ / / 〃 / / .//// | | | 、ヽ ヽ
〉, ------ 、ノヽ〈 / .// /! / /| / /| /// | | .| ! | ! ヽ !
`ニ>======〈\| | // / | || |_| || |_| / |/ | j| | | | | ヽ、. |
{'´ ̄ ̄ ̄``ヽ!y' | |/| レ'|「| |_| || L! | || | /| 、/l /| || |l | | |
{, --‐‐‐‐‐- 、|〈. | リ | | _|レ!|;;;;|!| |ヾ.| |! .j/ //`lメ、| /リ |l | |/
>====ミ|, `ーLL.| レ'i::::{illlli::::/ / '彡==、 //__! /| / !
|--‐‐‐‐‐‐‐‐| ,ハ ヾヽ. | |:::::illi:::j /ill::ハ〃‐/ / / /
(ニ二二二彡r' / 〉 ヽトヽ ヾr'二/__ |:ill:/ ||ニ//.//
r‐'二二二!ヽ (__`、 ||ヾ! じ'、,イl|=<
└====r‐く `ヽ、__.) |! ! ' /l| |イ
'ー‐ 彡≧| ! __ /|川lぅ
〃「 ̄/ ` / リ! ||_)
rー| ``ヽ、 `ヽ、 ,. '´ 〃j |!
/ `'‐-、 \ `ヽ、 / ヾ ‐''´
,ノ `ヽヽ \ ヽ
/,--‐'^`ー、 \ヽ ,.イ
/ ヽ __ヽ \ ' ヽ \
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
屈折した愛情が痛々しいまでに伝わってくる、ほのぼのスレはここですか。
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~|
260 :
:03/07/25 10:24 ID:???
ヽ|/
/ ̄ ̄ ̄`ヽ、
/ ヽ
/ \,, ,,/ |
| (●) (●)||| |
| / ̄⌒ ̄ヽ U.| ・・・・・・・・ゴクリ。
| | .l~ ̄~ヽ | |
|U ヽ  ̄~ ̄ ノ |
|  ̄ ̄ ̄ |
263 :
片山:03/08/09 10:39 ID:+miat9Yt
ラスティおかえり。
このスレまだあったんですね。
織田逝けや!
/ // / / / / ,ィ ヽ `ヽ、
// // 厂/ / / / 〃 , l \
,. -‐‐‐‐┴‐-、/___| / / / / / / 〃 | ヽ
}彡=====ミト、 ,ノ/ / / 〃 / / .//// | | | 、ヽ ヽ
〉, ------ 、ノヽ〈 / .// /! / /| / /| /// | | .| ! | ! ヽ !
`ニ>======〈\| | // / | || |_| || |_| / |/ | j| | | | | ヽ、. |
{'´ ̄ ̄ ̄``ヽ!y' | |/| レ'|「| |_| || L! | || | /| 、/l /| || |l | | |
{, --‐‐‐‐‐- 、|〈. | リ | | _|レ!|;;;;|!| |ヾ.| |! .j/ //`lメ、| /リ |l | |/
>====ミ|, `ーLL.| レ'i::::{illlli::::/ / '彡==、 //__! /| / !
|--‐‐‐‐‐‐‐‐| ,ハ ヾヽ. | |:::::illi:::j /ill::ハ〃‐/ / / /
(ニ二二二彡r' / 〉 ヽトヽ ヾr'二/__ |:ill:/ ||ニ//.//
r‐'二二二!ヽ (__`、 ||ヾ! じ'、,イl|=<
└====r‐く `ヽ、__.) |! ! ' /l| |イ
'ー‐ 彡≧| ! __ /|川lぅ
〃「 ̄/ ` / リ! ||_)
rー| ``ヽ、 `ヽ、 ,. '´ 〃j |!
/ `'‐-、 \ `ヽ、 / ヾ ‐''´
,ノ `ヽヽ \ ヽ
/,--‐'^`ー、 \ヽ ,.イ
/ ヽ __ヽ \ ' ヽ \
r'二"""''' ,、‐'´.,、 ' ,、‐' ,. ゙、 、`゙ヽ、 `ヽ r二三三二ニー、,
j-‐‐`゙'ン'゙,、‐ジ ,r / , ,. /./ ', , 、 ヽ. \. ', | _,,,,,....,,,__ `゙゙'j
/ _,,//.// .,r' ./ / / ,' i ,, ',', ',, ゙、 ヽ, lヾ´ `゙゙''ー l
{ニ7,r'ニ, ' ,r' / ,' / ,イ i ,'| |', i ',. ',',. i , ',. ゙、 〉-‐''''"""´´ !
,>/‐'''/ ,イ/ ,' ,i. ,'.l .l i l | i l,.l,. l ! l,. l, ', ',. ,'¬=ー-- 、,,_{
}'7'ー'''/ /7 / i ,'.l.,' .| |l. l. |.|. l. |',i', | l l', |', ', , 、 i.〈""""'''''ー-ニ゙_
レ、、,,,i .,'_,' ,' ,' |. i_l l、-! !l | !| !.l l.i'! lーl .l,,!. l ', l l. l i,.l ヽ,,..、、、、、- `゙r'
. },,.、-| ,'_.l ,' i li | l.| _,,l,l_ !l l| l.l_,l!_|.l,,_ l.l |. l`'l.|i. |. |.!i.| /--、、,,,_ l
゙'ー-、|.!.、| ,'| ト, ll,l;;、lxzxl!;, l! !. l.! 'lx;リ==リx,l,l,,...|l.| l リ レ'__,,zニニ二''j'
. 1´ -|lニl. i,l!l. |,', lrl!;llllllllli;;i゙゙ ` l リ '゙/'l;;llllllll7i゙llix!'l,'l /-、リニ='"``'''ッ-'
{´ ̄.| l, l,|lト、レヾ!゙、;;lllllll!;;} '゙ l;;lllllll!;::リ /リ〃く'i !|,,,, ̄~""´‐;
ヾ=--!‐‐l,l" l,゙、ト, _. 'r‐゙゙-ノ.. ..lr''゙"''ソ、 /lイ〈 l,. }j `゙゙''‐-、, j
i,ニ-‐''゙{゙、 ヽ.゙∧ '`゙゙""´ ` ̄´ `/j,|.|./ノ゙'ーァ、、、..,,,,,.ノ
r=-‐'''" ゙、. ,'i゙'゙、 〈 //lj l‐'" j"´ニヾ-‐'゙l
゙゙''=- il.l, トヽ __ ./7,'/、 `゙'''¬ヾァi'"
|!゙、',ヽ,>.、, ,.イ''''7ソ'ヽ ゙'=ニニ'
l, ヾ.r' ___ ゙'i,. 、 ,.、-' .|/∠'''ツ
l,`''i, ri, } `ニ, _ト"r''"j `'7
/ // / / / / ,ィ ヽ `ヽ、
// // 厂/ / / / 〃 , l \
,. -‐‐‐‐┴‐-、/___| / / / / / / 〃 | ヽ
}彡=====ミト、 ,ノ/ / / 〃 / / .//// | | | 、ヽ ヽ
〉, ------ 、ノヽ〈 / .// /! / /| / /| /// | | .| ! | ! ヽ !
`ニ>======〈\| | // / | || |_| || |_| / |/ | j| | | | | ヽ、. |
{'´ ̄ ̄ ̄``ヽ!y' | |/| レ'|「| |_| || L! | || | /| 、/l /| || |l | | |
{, --‐‐‐‐‐- 、|〈. | リ | | _|レ!|;;;;|!| |ヾ.| |! .j/ //`lメ、| /リ |l | |/
>====ミ|, `ーLL.| レ'i::::{illlli::::/ / '彡==、 //__! /| / !
|--‐‐‐‐‐‐‐‐| ,ハ ヾヽ. | |:::::illi:::j /ill::ハ〃‐/ / / /
(ニ二二二彡r' / 〉 ヽトヽ ヾr'二/__ |:ill:/ ||ニ//.//
r‐'二二二!ヽ (__`、 ||ヾ! じ'、,イl|=<
└====r‐く `ヽ、__.) |! ! ' /l| |イ
'ー‐ 彡≧| ! __ /|川lぅ
〃「 ̄/ ` / リ! ||_)
rー| ``ヽ、 `ヽ、 ,. '´ 〃j |!
/ `'‐-、 \ `ヽ、 / ヾ ‐''´
,ノ `ヽヽ \ ヽ
/,--‐'^`ー、 \ヽ ,.イ
/ ヽ __ヽ \ ' ヽ \
DOKI DOKI ラブシュガー
君のハート ちょっと見せてすごくLOVELY♪
?
/ | ||ヽ { ,r===、 \| _!V |// // .! |
| || |l |ヽ!'´ ̄`゙ , ==ミ、 /イ川 |─┘
| ハ|| || | """ ┌---┐ ` / // |
V !ヽ ト! ヽ、 | ! / //| /
ヽ! \ハ` 、 ヽ、__ノ ,.イ/ // | /
┌/)/)/)/)/)/)/)/)/)/)lー/ ` ー‐┬ '´ レ//l/ |/
|(/(/(/(/(/(/(/(/(/(/│|| | \ 〃
r'´ ̄ヽ | |.ト / \
/  ̄`ア | | | ⌒/ 入
〉  ̄二) | | | / // ヽ
〈! ,. -' | | ヽ∠-----', '´ ',
| \| | お前の態度が | |<二Z二 ̄ / ',
| | | _r'---| [ ``ヽ、 ',
| | | 気にいらない >-、__ [ ヽ !
DOKI DOKI LOVEシュガー
君のハート ちょっと見せてすごくLOVELY♪
このスレもう駄目なんじゃねえの?
昭和ブギウギ<エンカREMIX<スーパーユーロLONG<ウエスタン<トランス
オキナワREMIX<サーフロック<ショウワカヨウ<ワールドツアー<サイバーロカビリー<ケルトLONG
_,.-‐〃 ̄ ̄`゙'‐-、__,.--‐、_
_,-´ ̄二ヽ /二⌒ヽ ヽ ´ ̄`{
/ _/⌒/ハヽ\`゙'ヽ ヽ、_j_二<_
_,-‐〈__/i// i | | ヽヽ. \ ヽヽ}\ニ二{
/´二_ト、-‐{ !i { | l ヽ!,r -ヽ、_ヽ!ハj三{
ヽ、-=「\ | l | _,!-ヽ! l | _,,,__ヽY/∧|二]
∠____}ヾ、{ l j∧! ヽ ´iひヾk/ヽ_<ニ=}
[ニ二_L\ヽ〈 ヽ ヾ;::: i} !/ハラ´
ゝ三「\ヽ.|\,.==- , `=´ }/ ヽ|
</ヾi \( lヽ < ´} /
`>ゞ `リ‐-\ ____`´ /
| /
| /| |
// | |
U .U
すいません、ちょっと通りますよ
なんなんだ
このスレは〜…。
もっと変だったり救いの無いスレは他にもある
ピーチアイドル<レディメタル<ターバン乱<スェディッシュLONG
スカ<ヒップロック<009<ヤマト<デビルマン=ミクスチャー<ハイパンク
ヽ(・∀・)ノウンコー
りさたん、おめ!
懐かしいのう。
_ .. .. _
,...:::´:::::::::::: :::: `:...、
,.'.,.~、,^,v^w、,^、!ヽwヽ
/:: :: ::; ;:∧:::i ::::::::;::;:::;:::;:i.
i::::;::/|/{/ 、:{ヾ;ヾ;:::;:::;::;::l
|:::/l!,.+‐!、 ゝ‐ヾ、ヽ;:::;::;;;}
.|::::i./.{_:::} .l,、:::}i |::::;::::;;;l
.l::::;;l ゝ'‐ ‐'-'、’|::::;::::;;;|
,ヘ!,:::;;;;'、 丶 ,|:::::;:::i:;|
\'、::;;;;;;;>. 、‐っ ,._ ´/|:::::|:;||;|
i\.、i| l ` ´ || ./ |::::ノ〃>、
ヽ.;.\.、 .i ||/ |::/〃/ 〉
/ 「`ヽ(ヽ. ト-‐||__ l:/〃// ヽ
./ .{.'二、ゝ. 〉 V/ニ、ヽ.'"i }
,〉 {.'二`ゝ\.!!{/ニ | i. 〈
〔二二 > ~ソ !! し'i l 〉二二〕
回転頭から無い言語 ハイテンションと固いテンポ
I先導するジャンケン後から大見解戦法♪
生まれた時から続けてきたこの遊び方?
PMはSANA萌え
DMはRIYU萌え
すまん、素でわからなかった。
最近大阪さんがなにやらすごくいい人のような気がしてきた。
「あ〜あ、いやだなあ、家庭科」
冬休みも終わって始まった3学期、原田梨紗は相変わらずそんなことを呟いていた。
今日の家庭科は調理実習。去年あたりから、姉の梨紅に就いて手料理を練習してみていたり
はするものの、一朝一夕に苦手を克服できるものでもない。
「加世田先生も相変わらずだしね」
隣を歩く梨紅は余裕ありまくりだ。
「もおっ、ひとごとだと思って」
「あはは。あきらめてほら、いこ」
「むぅ〜」
顔をふくらます梨紗をほっぽってさっさと歩き出す梨紅を追いかけ、憂うつな気分を募らせ
ながら家庭科教室に向かっていった。
で、放課後。
「やっぱりこうなるのよね」
はぁ、と梨紗がため息をもらす。
『今日の居残りはあっ、丹羽! それから原田――もちろん妹の方!』
家庭科教師加世田先生によって、いつぞやのふたりがまたも容赦なく居残りを命じられたの
だった。
本日の調理メニューはハンバーグ。
梨紗は手でこねるミンチの感触が気持ち悪くて思わず床に取り落とし、大助の方は、今回も
隠れてついて来ていたウィズが飛び出し、ハンバーグを奪い取って走り回ったおかげで周囲を
混乱に陥れてこの始末。
『ふたりは放課後補習だあっ! 校舎裏までくるように!』
そんな訳で、しぶしぶながら言われた場所へ向かっているところだった。
なお、前回梨紅を煽って試みた入れ替わり作戦だが、今回はあっさり、
『きっちり自分でやりなさいよ』
と、インターセプトされてしまっている。
「でも、なんで家庭科室じゃなくて校舎裏なんだろうね?」
並び歩いていた大助が、梨紗も浮かべていた疑問を口にした。
「そうよね。校舎裏ってたしか……」
使われていない資材小屋がぽつんと立っているだけのはず。
「そこで料理の特訓って」
なんとなく、いや、かなり鮮明に嫌な予感を覚えるふたり。
たどりついた人気のない校舎裏、資材小屋の前には加世田先生が立っていた。
「よくきたな、丹羽、原田!」
いつも通り、元気はつらつ大きな声。だが、そのナリは。
「せ、先生?」
「その格好は……?」
大助と梨紗の目は、そろって点。
「格好がどぉしたあっ!」
「いや、だって」
ぶっとい両腕を組んで仁王立つ加世田先生のその姿。
今しがた山ごもりから帰ってきましたとでもいわんばかりの、使い込まれた白い胴着。
両袖はいかにもといった風情で根元からちぎれ、この寒空に丸太のような二の腕がのぞいて
いた。おまけに頭には白いハチマキ、腰にはフリルとかわいい熊さんアップリケのついた真っ赤
なエプロン。
「ふむ、そういえば先生のこの格好をお前達に見せるのは初めてだったか」
にやりと笑い、とても家庭科の教師には見えないごっつい掌を顎にやると、
「これは私の正装だあっ!!」
声を張り上げて、むぅんと胸をそらした。なんだかものすごそうなオーラが噴出していたりする。
「ちなみにエプロンは妻の手縫いで、こっちの熊さんは娘のデザイン」
「は、はあ……」
そんなこといわれてもなあ。
加世田先生、萎えるふたりにもおかまいなく、
「さあ、特訓をはじめるぞっ!」
特訓? 補習じゃなく?
予感ゲージがマイナス方向に限界を突破し始めているふたりを、強引に資材小屋へ招き入
れたのだった。
小屋の中は薄暗い。
『なにかいる』
日常的な訓練で研ぎ澄まされた大助の感覚に触れてくるものがあった。
大きな、これは、生物の気配。漂ってくるのは、哺乳類の獣臭。呼吸音。
夜目の利く大助の視界は、ほどなくその実体をとらえた。
もー。
「……牛?」
「え、なに? ウシなの?」
「そう、牛さんだ。名前はキャサリン」
「へえ、牝牛なんですね――っていうかなぜ!?」
「なにを言ってるんだ丹羽。ハンバーグに肉は不可欠だろう」
ほがらかに言い放つ加世田先生。
大助は瞬間的に凍りついた。
「わざわざ取り寄せた純国産和牛、それも未経産の上物だぞ」
ごくり。
上機嫌な先生の言葉にある不吉な予想を掻き立てられつつ、乾き貼りつく喉を生唾で潤すと、
おそるおそる大助は尋ねた。
「この牛、その、どうするんですか?」
「食う」
「ああ、やっぱり」「ええええっ!?」
胸を張る加世田先生に、聞かなきゃよかった、と頭を抱える大助と、驚きの声をあげる梨紗。
「なにを驚いているんだ、原田」
「だって、だって……」
「いいかあ、原田。生きていくということは、なにかの命を奪いつづけていくということだ。
だからこそ、先生は料理を通じてお前達に生命の大切さを学んで欲しいと思ってだな」
先生、その考えは立派ながら、やり方にたいそう問題があるかと。
目の前にたたずむ、立ち杭に縄でつながれた黒毛の牛、名はキャサリン。
哀しそうな瞳で見ているよ。
「なに、私はいつも素手でやっているんだが、ふたりは初心者だろうから、特別にこの屠殺用
ハンマーの使用を許可しよう」
「いや許可されても――素手っ!?」
「なに、山ごもりしていたころは熊や猪や野犬を捕食していたものだ」
「山ごもり……捕食……」
一介の家庭科教師にあるまじき体格だとは思っていたが。
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