アニヲタの愛車

　今日、走り回りながら気付いたんだけどさ、なんでイバラキの人間の運転はコワイ、
ルール守らないって言われるのかわかったよ。きっとそれは"クルマ"ってものに対する
捉え方が、都心に住む人とかとはまるっきり違うからだろうなって思うの。

　最近こそマシにはなってきたものの、イバラキっていまだに中央線はおろか車線さえ
ロク書かれてない道がザラなのね。で、イバラキは建物どうしの位置が離れてるから、
となりの部屋にいくような感覚でクルマが使われる。だからイバラキの人にとってクルマってのは、
本当の意味で"アシ"であって、それ以上でも以下でもない存在なんだ。
　もってて自慢するようなもんでもなく、両親はスニーカーを買い与えるように子供に
クルマを買い与える。まぁそこで「良いクツ履いてる」、「ボログツ履いてる」みたいな
自慢しあいっこはでてきたりはするわけだが。

　一方、都心に生きる現代人やハイソな人にとってクルマってのは、いわば電車と同じで
「ハンドルで切り変えながら、乗換えを繰り返す個室車両」という意味しか持たない。
　イバラキの人は違う。ただ道があって、…もっと言えば直線とさえ限定されない"地面"が
そこにあって、その上を車輪を回して動いてく機械なんだなって。
　だから交通ルールも「一応ある」だけで、細い通路を人が行き交うように、「肩があたって
ケンカになったりしなけりゃそれでいい」ぐらいにしか思ってない。ドロ道走ってクツの裏が
汚れたら、つまさきをコンコンってならすみたくドロを払ってさ。クルマを洗車するって事への
意識もそんなもの。

　実際、日本の全てにルールが及んでるわけじゃない。
　車線もガードレールもない山奥の谷道を走っていて、ポツンポツンとたたずむ泥まみれの
標識を目にすると、自分にはそれが滑稽にみえてしょうがない。「ここは日本なんだ！」、
「ここは人類が文明を及ばせてる場所なんだ！」と、ほうほうの体で主張するかのように見えて
滑稽でしょうがない。

　その時に、社会ってものの本質にも気付く。
　ああ、ここにはただ大地があっただけで、人類はただそこに立て札を立てて線を敷いたり
してるだけなんだなって。
　本質は大地が在って、その上にたくさんの生き物が在るだけなんだって。

　だから自分高速道路嫌いなんだ。そんなの走るぐらいなら、電車で行くよって。
　その方が美しいし、その方が整ってる。
　混雑したハイウェイを見てると、人が生み出した無駄と矛盾の象徴みたいに見えるよ。

　他にも自分、「大金はたいてワンボックスやセダンなんてダサいクルマに乗るヤツの気が
知れない」とか思ってた人なんだけど、それに気が付いたからこそ自分がいままで理解し
がたかったもの理解できた気がする。

　ああ、この人たちはクルマって物に対する捉え方が全く違うんだなって。

　自分にとってこのDOS/Vマシンが世界の奥にある"システム"の象徴だとしたら、
このロードスターは世界の表層にあるものの象徴として置いておきたいのかもしれない。
　だから自分は携帯電話も持ちたがらないんだと思う。
　端末の前を離れた時は、社会の定義したどのグループとも繋がらない"大地の上の
一つの生き物"であるってことを主張したいんだろうな。

　それでそれが心細くなってまたこの端末の前に帰ってきて、今度はそれが息苦しくなって走り出して、
　その二つのマシンを繰り、深遠と表層の間を行き来してる存在、それがほとり。
　だから自分はこのリアルの波止場に置いておく、すすけたローファーみたいなロードスターが大好きなの。

　って投稿したくなってクルマわき道停めて、メモ引っ張り出して書いてた。でもって急いで帰ってきた。
　まったく、ネットジャンキーはこれだから…。（自嘲）

　こっから音楽の話だから　http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1052387697/73-あたりにに続く。