あずまんが大王 よみ様を語る2

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182こよみさんの独白1
目が覚めた時、そこが一瞬どこなのか分からなかった。まだ早朝なんだろう、
窓の隙間から見える空はまだ薄暗い。アイツはイイ気持ちで眠ったままだ。
顔を半分枕に埋めたまんま、子犬のようにくぅくぅと寝息を立てているのは、
ちょっと可愛い。
何度か来た事のある、男にしては小ざっぱりしているこの部屋。

まだ鈍い痛みと何か挟んだままのような、凄い違和感のあるお腹に手を当てて、
昨夜の事を考えた。
このヤロウ、普段は虫も殺さないような顔で、何も知りませーんて振る舞い
してるくせに、いざとなると強気で手慣れた感じだったな。
何か騙されてた感じだ。
「はぁ...。」
意味もなく出るため息。何も変わらない朝。
183こよみさんの独白2:02/08/20 19:41 ID:???
まあ結構優しかったから、いいか。どっちも初めてじゃ大変だって聞くし。
ああ、眼鏡をかけるのを忘れてた。いつもは起きると反射的に眼鏡を付けるのに。
やはり気が動転しているんだろう。げ、下着はどこ行った。
眼鏡をかけると、いつもの視界に戻って風景に輪郭が出てくる。
下着だけつけてベッドの端に座り、ベッドサイドにあった煙草に火を付けた。
殆どふかす事しか出来ないけれど、それでも急激に頭が重くなってきた。
頬杖ついてそのままアイツの姿を眺める。
アゴの髭の剃り残しとか、顔の割に小さめの耳とか、喉仏とか。
背中は思ったより広い。肩も結構ゴツいや。やっぱり男の身体なんだな。
指で筋肉の境目をなぞってみる。
一緒に海にも行ったのに。今までこんな事気付かなかった。
本当に、あたしはこの人の何を見て来たんだろうってくらいだ。
何も変わってない。だけど変わってしまった。
そんな事をぼんやり考えたら、途端に涙があふれてきた。
智は元気かな。相変わらず馬鹿やってるかな。2日前に会ったばかりじゃないか。
馬鹿なのは、あたしだ。
何か昨日が遠く感じる...。

その時、煙草の火種が男の背中にポトリと落ちた。
「うあぢゃぢゃ〜!」
ぶちこわしだっ!!