戦争論

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192ロズウェル@星の変人移民変
「ヨーロッパの剣は…」からの移民レスです。

ちょっと関係ないが、甲冑が廃れた理由における
自分の意見についてです…。

甲冑が廃れた理由について、よく言われるのは
「甲冑が、銃弾による攻撃を防げなくなり、無用の長物となった」
といわれています。
が、純粋に技術的な点から見ると、この説は少々疑問です。
というのも、当時の銃で、当時の甲冑を試し撃ちしたところ
ついに一発も貫通できなかったというデータがあります。
「西洋騎士道事典」という書にそうありました。
まあ、着弾によるダメージも馬鹿になりませんが。
また、ルネサンス期において、甲冑が簡素化されたのは
下記のため、というよりむしろ戦闘形態が中世よりより複雑になり
よりいっそう複雑な動作が求められた結果
甲冑が「合理化」された結果ではないかと思います。
というより、中世のプレートアーマーが重厚長大すぎたのです。
手足をメインで狙うことなど、実際ありえそうでないですし。

で、主題の「廃れた理由」ですが
これは、「コストパフォーマンス」の問題ではないかと。
中世において、主戦力といえば、生涯を鍛錬にささげた騎士でしたが
近世では、安酒いっぱいでつってきたような、あぶれものの集団でした。
そんな連中に、高価なプレートアーマーを着せるのは、
あまりにも馬鹿らしいことです。
後、戦術形態が、「少数精鋭」から「物量主義」に変わったのもあります。
この「物量主義」の発想は、ほかでもないオスマン=トルコの影響です。
中央集権の発達で、大量の軍隊を動員できるようになりました。
しかし、人間は権力でどうにでもできても、装備はそうはいきません。
いくら有効だといっても、万単位の兵隊に、プレートを着せたら
たちまち財政がパンクしてしまいます。
おまけに、兵隊といったらあぶれもの同然の連中ですから
逝っても痛くともありません。

で、そういうと、「人命が尊重され、財政も豊かな(当時に比べてです)
近代国家なら、重装甲兵が復活するのか?」という質問が出そうですが
誤解を恐れず言えば「イエス」です。
「重装甲兵が復活って、お前頭おかしいんじゃねえか?」といわれそうですが
実際、もう復活しつつあります。
アメリカ軍では、兵士の生存率を高めるため
ボディアーマーの開発に力を注いでいます。
主な目的は、兵士を砲弾の破片(兵士の最大の死傷理由)だとか。

改良が進めば、本当に中世さながらの重装甲兵が登場するかもしれません。